第十二章 クラッキング
「ぷはあ~、ん~今宵もビールが美味い!あ、メールだ」
(あなたのパソコンはハッカーによってクラッキングされました)
「え~こりゃいかん、どのファイルだろう?やはり期末試験のファイルか?」
大変な事になった、何処の誰かも分からない相手にファイルをクラッキングされていた
「くそっ、今度の期末試験は問題を変えるかな、それからUSBでファイルを保存しておこう、パソコンのファイルは除去と」
未来は伸也からもらったウィルス除去プログラムを起動し、新たにクラッキングブロックシステムを導入した
「これでいい、ぷはあ~くそうっハッカーか、また来るんだろうなあ」
期末試験が始まった
そして物理の試験結果
百点二人、伸也と直樹だった
他のみんなはそれなりの点数だった、物理Bクラスで「問題違ってたぞ」そんな言葉が飛び交っていた
「ハッカーが失敗したそうだ」
「え、ハッカー?」伸也が珍しく大きな声で驚いていた「そんな、ばかな、なんか勘違いしてるんじゃないの」
物理Aクラスの一人が伸也に話した「物理Bクラスに試験問題の予想とかで、ペーパーが出回っていたらしい」
「あ~それ未来が直前に問題を変えたって噂だぜ」有馬が伸也にそう呟いた
「ふ~ん」
今日の体育はバスケットボールだ
「あ~しんどい」
伸也が体育館の端に倒れこんでいた
「次、物理だよなあ、また居眠り確定」
「え~電磁気学は、電磁的現象を電荷と電磁場の相反する作用として説明する学問であります。そして電荷や電流が電磁場に与える影響はマクスウェルの方程式によって表されます…」
伸也が呟いた
「また、方程式かよ」
伸也は教科書を開いたまま頭の上に載せた
そこえ、教壇からチョークが飛んできた
「伊藤、顔洗ってこい」
伸也は先生に叱られてしまった
「クウッ!どうにかならないのかなあ、この時間割」
伸也はぶつぶつと呟いた
(クラッキングしたのはいったい誰なんだろう?)
物理Bクラスに怪しい奴は2、3人いる
(まさか、その2、3人を未来に教えるわけにはいかないだろうなあ)
その夜、伸也はいつも持ち歩いているパソコンで未来のパソコンにクラッキングをし、接続ログを隅から隅まで見ていった
(これか!怪しい接続は!!)