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周回移動都市ヴェルサイユ《原案》  作者: 犬のようなもの
《セカンドオーダー編》            [第一章]周回移動都市ヴェルサイユ〈本編〉
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〔第58話〕不明瞭なトラブル

今回の話は、ツグネ視点です。

 

 朝の陽が昇りツグネは目を覚ます。



 ——————チュンチュンッ。



 軽い鳥の囀りが耳に飛び込んできた後、自室の扉がノックされた。



 ——————コンコンッ。



 ——————「ツグネさ〜ん。もう起きてますか〜?」



 まだ眠い目を擦りツグネは扉越しに返事を返す。


「ちょうど今、鳥の囀りで目を覚ましたとこだ。ファンシーな朝だぜ、ほんと。」



 ——————「……僕の声、囀りに聞こえましたか?!」



「いや、そーゆー事じゃねぇよ…」


 エヴァンテの所有する城並みにデカい教会の中、

 与えられた自室で支度し、ツグネはタフナと食堂へ向かう。



「ツグネさん。」


「何だ?」


「前まで朝ごはん、メイドさんが自室まで運んでくれてたじゃ無いですか、」


「おう。」


「何で今日から食堂に変更されたんでしょう?」


「理由なんか知るかよ。まぁ俺的には食堂で飯食う方が皆んなと顔合わせれてイイけどな。」


「…貴方そんなキャラでしたっけ。」


「んっだよ。俺は元々こんなキャラだよ。」


 (ツグネ)とタフナのなんて事無い会話に横から1人の女が割り込んだ。


「おはようございます。ツグネとタフナ。」


 挨拶をして来たその女を見ると清楚という言葉が真っ先に思い浮かぶ。

 が、凛々しく少しキツイ目付きを見ると“清楚”というより“頑固なクラスの委員長”みたいな印象が強くなるのは何故だろうか。

 コイツの日頃の行いを見ているからだろうか。

 その女の名は“セルフレリア”、エヴァンテの専属護衛だ。


「あっおはようございます。セルフレリアさん。」


 朝の挨拶は俺の分までタフナに任せるとして、


「レリア。今日からお前も食堂で食べる事になったのか?」



「違います。今日から貴方達()食堂(ここ)で食べて頂く事になりますので。後、レリア言うな。」



「あぁ〜、なんか…あれか。食客(しょっきゃく)から社員になったっつー事か…」


「なんでちょっと勿体なそうな感じ出してるんですかツグネさん。ツグネさんも僕も仲間として認められたって事じゃないですか。」



 食堂は学校の体育館並みに広く、吹き抜けの大きな窓が壁一面に貼られている。

 吹き抜けた窓から見える教会のガーデンはさながら中世貴族の庭園を彷彿とさせる。


 俺とタフナはセルフレリアと共に配膳場所まで朝食を取りに行く。

 朝早い事もあって、周りに人はそんなに居ない。


「…なぁレリア。」


「何か?レリア言うな。」


「お前…朝ごはん毎日ビュッフェ食ってんのか?!」


「ビュッフェと言えば、まぁそうなんですが。どちらかと言うとバイキングですね。調理担当が言うには朝食はこの形式が1番効率よかったらしいですよ。レリア言うな。」


「にしても、なかなか贅沢なもん揃ってんぜ…これ…」


 興奮する俺とは裏腹にタフナは淡々と自分の皿に料理を乗せている。

 なんか秋になって必死にドングリ集めてるリスみたいだ。


 俺も負けじと「朝からいっぱい食ってやるぜ」と意気込んだのも束の間…食堂の奥から大声が聞こえて来た。



 ——————「うっひゃぁー!!!それはヤバイねエヴァンテ!!!」


 ——————「えぇ、お恥ずかしい限りですわ。」



 遠くのテーブル卓にフブとエヴァンテが楽しそうに談笑していた。


「朝からあんな大声出して、元気だな〜…アイツら。」


「そうですね。フブさんとエヴァンテ様って意外と気が合うんでしょうか。」


 そんなことを話しているとセルフレリアはスタスタとエヴァンテの方へ挨拶に行ってしまった。


「俺らも飯取ったらあっち座るか。」


「えぇ。そうしましょう。」








 ———————————————#####



「エヴァンテ様今日もお会い出来て光栄です。」


 セルフレリアの妙な挨拶がエヴァンテとフブの座っているテーブル卓に響く。


「えぇ、おはようございますわ。風が柔らかくて気持ち良い朝ですねセルフレリア。」


 エヴァンテに続く様にフブもセルフレリアに向かって朝の挨拶をする。


「おはようセルフレリアさん!ここの朝ごはんめっちゃ美味しいね!」


 フブの明るい声に対し、どこか懐かしい事を思い出した様な表情になるセルフレリアはハニカミながらその言葉を返す。


「えぇ、そうですねフブ。」



 ———「うすっ、おはよう。エヴァンテとフブ。」


 ———「おはようございますエヴァンテ様、フブさん。」


 遅れてツグネとタフナも朝の挨拶を済まし、エヴァンテと同じ卓につく。


「おはようございます。ツグネ、タフナ様。」


「おっはよぉ!朝ごはん美味しいよ〜!」



 エヴァンテとフブはもうプレートに乗ったご飯を半分程食べ終えていた。

 それを見ると少し前からこのテーブルにいた事が見てとれる。


「ところでフブ、今日はいつも一緒に居るビビりと一緒じゃねぇのか?」


 俺のその言葉に対し、頭にハテナマークを出したフブがしばらくフリーズした後、その()()()という発言の意図を読み取れたのか怒り出した。


「ねぇ゛ーーー、兎はビビりじゃない!臆病なだけだよ!」


「結果的にテメェの方がディスってんじゃねぇか…」





 ——————ドゴォォォォォォォォォッン!!!





 吹き抜けた食堂の大窓が並ぶ向こう側。

 まるで爆発でも起きたかの様に砂埃が舞った。

 その一瞬の風圧で窓の一部にヒビが入る。


 砂埃がゆっくり散りゆく中、青白く不気味に光る巨大な影が2つ見えた。


「おい、エヴァンテ!アレってッ!」


「スフィアがなぜこんな所へ…」


 2機のスフィアが協会の広いガーデンを薙ぎ倒しながら揉み合いをしていた。


 一方、轟音を聞きつけたメイド達がエヴァンテを守る様な形で陣形を組み始めた。

 そしてツグネとタフナ、フブを含めた今この場にいる全員を守る様な形でセルフレリアが先頭に立つ。


「私の後ろへッ!!」


 2機のスフィアの揉み合い。

 揉み合いと言ってもそれはあまりにも一方的なものだった。

 ボロボロになったスフィアをもう一方の綺麗なスフィアが脚で踏み付け、そのまま転がす様な形で蹴り飛ばしている。


 (はた)から見れば、1対1のイジメに見える。


「おい!エヴァンテ!だから、どーなってんだよ!」


「わ、わかりませんわ!しかし、あの2機はこちらに対して敵意が無い事は確かなのですわ!」


「なんで、んな事わかんだよ!」


「ヴェルサイユ級市民権の活用ですわ。」


「お偉いさんの特権って訳か!」


 エヴァンテは先頭に立つセルフレリアを押しのけ、食堂の窓を飛び越え、少し躓いた様子を見せた後ガーデンへ出た。



 ——————ブゥーーーーンッ。



 エヴァンテの上空で低音が鳴り響き、周辺が暗くなる。

 それに動揺するタフナはツグネに問い掛ける。


「なッ、何ですかアレ!何ですかアレ!」


 教会の上空に数千、数万というスフィアが一瞬にして姿を現した。


「アレは、エヴァンテの護衛、兼、専属スフィア“ロイヤー”達だ。大丈夫ロイヤーはエヴァンテが読んだんだろ。」


 それを見たエヴァンテは何かを把握した様子でツグネ達の方へ向かって言う



 ———「やはり、私だけでは無くロイヤーもアレを敵と認識していないみたいですのー!」



 セルフレリアが言葉よりも早く、足を動かしエヴァンテの方へ駆け寄って(走って)行った。


 とにかく、敵の襲撃でない事は把握出来た。

 安心する俺達に対し、フブは呑気な表情でパンを咥えて言ってきた。


「ひゃぁーッ、びっくりしたぁねぇ。訓練とかかな?」


 その拍子抜けの言葉にタフナはそんな訳ねぇだろ!と言わんばかりの表情で返す。


「フブさんはアレが訓練に見えるんですか?!」


「うん、俺もそれは同意だ。明らかに訓練じゃねぇだろアレは…」


 しかし、俺はとりあえず、今暴れてる2機のスフィアが敵機じゃないと知るや否やテーブルに座り、朝食の続きを始めた。


「ちょっと、ツグネさん!何呑気にご飯食べてるんですか!」


「わりぃーかよ。こっちはこの間から色々あって疲れてんだよ。」


「えぇそれはご愁傷様ですが、とりあえず様子見に行こうとか思わないんですか!?」


「まぁエヴァンテとセルフレリアが何とかしてくれんだろ。」


 その他責思考にタフナよりフブが先に反応する。


「ねぇ゛ーーー!ほら立って!見に行くよ!」


「行かねぇって…。だからッ、行かねッて…だから!引っ張るなッて!ちょッ、だかッ…お、お前、力強ぇなァおい!」


 俺はフブに強引に引きずられ、現場に急行させられた。

 もちろん、タフナも一緒だ。







 ———————————————#####



「んで、一体これはどーゆーこったよエヴァンテさんよ。」


「それが…」


 エヴァンテが困り顔で話し出すよりも早く、自体は動いた。

 2機のスフィアの内、ボロボロになって脚で踏み付けられているスフィアからスピーカーを通した声が聞こえた。



 ——————『おい、テメェ加減ってモンしらねぇのかよ!』



 聞き慣れない声にキョトンとする一同。

 しかし、エヴァンテは違った。


「ラスター•エネ•ウォンスキー…?」


 その名を聞きフブ以外の全員がエヴァンテの方を見る。


「おい、エヴァンテ!捕虜のラスターが何でこんな事にいんだよ!」


「心当たりがございませんの…」



 ——————『快適な牢屋から無理やり引きずり出されて、絶賛ボコされてる途中だよッ!俺も訳わかんねぇよ!』



 すると、ラスターの乗っているスフィアの頭を踏み付けている綺麗な状態のスフィアからも声が聞こえて来た。



 ——————『お、おおおおはよう…』



 誰よりも早くフブがその声に反応する。


「兎ぃ?!こんな朝っぱらから何してるの?!」



 ——————『えと…その…くくく訓練…』



 兎の言葉を遮る様にラスターが声を被せた。



 ——————『なわけ、ねぇーーーだろ!!!」



 それを聞いた途端、兎がラスターのスフィアの頭部を片手で持ち上げ始めた。



 ——————ググググググググッ…。



 鈍い金属の擦れる音が響く。



 ——————『あんまり余計な事、喋るな。』



 普段の兎からは考えられない様な口調が飛び出す。

 その様子を見兼ねた俺とタフナとセルフレリアは少し動揺した。


「なぁ、あれ…誰だ。」《ツグネ》

「え…兎さんキャラ違うくないですか…」《タフナ》

「兎様、いつもとご様子が…」《セルフレリア》



 そして兎の言葉を返す様にラスターが自笑しながら言った。



 ——————『これアレだな。n()e()w() ()o()r()d()e()r()はこんだけ強い。お前じゃどうすることも出来ない。だから仲間になれって(取引)だろ。まぁ言う所の“わからせ”って奴だな。ハッ馬鹿々(ばかばか)しいぜ。』



 状況に見合った的確な考察が場に響く…が、



 ——————『お前なんか要らない。…””””より、価値なんてない。』



 ——————『あぁ?何より価値が無いってぇ?声ちっさくて聞こえ…』



 ラスターが喋り終わるよりも早く、兎は動いた。

 持ち上げたラスターのスフィアを一気に地面に叩き付け行動不能に落としいれた。



 ——————ゴォォォォォッン!!!



 再び砂埃が舞いガーデンの中央に設置されていた噴水が砕け散る。

 その様子を見兼ねたエヴァンテが流石にこのままではラスターが兎に殺されてしまうと判断し、上空に待機させてあるロイヤーを10機地上へ降ろした。


 ロイヤー9機がラスターを庇う様な陣形を取り、エヴァンテが残り1機のロイヤーの手のひらに乗り、兎とラスターの間に割って入った。



「兎様。経緯は分かりかねますが、どうかおやめくださいまし。」


 その言葉を聞いた兎はロイヤーの手のひらに居るエヴァンテに自分のスフィアの顔をかなり近付けて言う。



 ——————『本気を出しても私に傷一つ付けられない男に何の価値がある。』



 エヴァンテと兎以外にはその言葉の意味する所はわからない。

 エヴァンテは何とも言えない表情で兎に対し、スカートの裾を上げ90度のお辞儀をして懇願する。


「今はどうかその刃を(さや)へお納め頂けないのでしょうか。」



 ——————『刃?私のスフィアに刃なんて今装備してないぞ。』



 ラスターのスフィアには短刀が、装備されている所を見ると“刃が無くても素手で勝てたぞ”という皮肉の意味も含めた言葉なのだろうという事が見てとれる。


「…兎様。今はどうかおやめ頂けませんでしょうか。」



 ——————『…頂けなかったらどうする。』



「…。」


 表情1つ変えないエヴァンテの額に、汗が一粒垂れる。

 今にもラスターを守るロイヤーと兎のスフィアが戦い出しそうになったその時、フブが兎のスフィアの前で叫んだ。




「ねぇ゛ーーー!!!何話してるかわかんないけど、今は朝ごはん食べさせて!!!」




 その言葉を聞き兎のスフィアはラスターのスフィアの四肢を潰した後、片膝を立てて自分の手のひらをコックピットの下へ置きフブの元へ近づいた。



 ——————プシューーンッ。



 複雑な機構を()てコックピットが開かれた。

 そして1人の少女がスフィアの手のひらからフブの元へ飛び降りた。


 フブはその少女を体全体でキャッチし、そのまま抱き上げた。

 その少女の目元は酷く腫れ上がり紅く染まっている。

 しかし、フブはその概要に触れる事なく少女を抱きしめた後、頭を撫でて言う。


「なんかヤな事あったんだね。明日は明日の風が吹くから。」


「き、きき聞かないの…」


「兎が私に話したくなった時、言ってよ。その時は一緒に頭かかえてあげるからさ!そんな事よりビュッフェ食べ行こ。フランスパンみたいな奴あったよ!めっちゃカチカチなの!」


「…うん。」





 ———————————————#####



 エヴァンテは酷く欠損したラスターの乗っているスフィアのコックピットをロイヤーを使って無理やりこじ開けた。

 フレームが歪みまくっているせいかなかなかに酷い音がした。



 ——————バキバキバキ、バキッ!!!



 ようやっとコックピットの中が露呈(ろてい)すると、中には30代ぐらいに見えるやつれた男が乗っていた。



「こんにちは、ラスター•エネ•ウォンスキーさん。(わたくし)がエヴァンテですわ。」


 コックピットの中から出口まで這い上がって来たラスターは差し出されたエヴァンテの手を取り、ロイヤーの手のひらへ乗り移る。


「なぁ…エヴァンテさんよ。アンタの部下どうなってんだよ…」


「詳しい事情をお聞かせ願えますか?」


「テメェもなかなか(いさぎ)い性格してんだな。エヴァンテさんよ。」


 話していると、純白の金属の翼を纏ったセルフレリアがエヴァンテの元へとフワッと飛んで来た。


「お供させて頂きます。エヴァンテ様。」


「えぇ、ありがとうございます、セルフレリア。」


「ッ…!セルフレリアってお前が…まぁいい。んな事より、捕虜の俺が言うのも何だがよ…今日こうなったのは全部そっちの責任だからな!」


 それを聞いたエヴァンテは少しどうしようかと考える時間をとった後、パチンと手を叩き言った。


「諸々のお詫びと言っては何ですが、ご一緒に朝食はいかがですか?」


「…チッ。()()()からろくなモン食って無いからな。それでいいぜ。」


 ラスターのエヴァンテに対するラフな喋り方に対し、セルフレリアの眉が少し動く。

 それと同時にロイヤーの手のひらがゆっくり地面へ向かって下がって行く。



 手のひらの甲が地面に付くタイミングでラスターはロイヤーの手のひらから1メートル程、地面へ飛び着地する。



 ——————スタッ。



「痛ッて…て…new orderにやられた時、肩脱臼してたの忘れてた…」


 その後すぐ、セルフレリアが背中に生やした純白の翼を使ってフワッと地面へ降りる。

 エヴァンテは先に降りたセルフレリアに手を引かれながら丁寧に地面へ降りた。

 3人が地面へ着いたのを見計らって、下で待っていた(ツグネ)はラスターに向かって声を掛けた。


「よぉ、お前が例の奴か。俺はツグネだ。よろしくしたかねぇがよろしくな。」


 エヴァンテとセルフレリアとは真逆のその砕けた態度に逆に安心感を覚えるラスター。


「そうだなぁ。お互い敵同士よろしくしたかねぇが、よろしくな。」


「てか、ラスター。お前、何があったかちゃんと説明しろよ。俺達はマジで訳わからん状況なんだからな。」


「へいへい…。ていうか、敵からよりあの味方の方のnew orderに聞けばイイじゃねぇか。」


「馬鹿、見ろよアレ。」


「は?」


 エヴァンテ、セルフレリア、タフナもツグネの声につられて遠くを見る。

 そこには下を向いて方を落としてないる兎がフブに励まされている。

 何と言うか…




(((((聞きづらい)))))




 そんな状況をツグネがまとめる。


「と言う事で、ラスター。しっかり話せよ。」


 しかし、ラスターはエヴァンテに対し、文句を言った。


「…おい、部下の教育はちゃんとしろよエヴァンテ。基本だろんなの。」


 ラスターのその発言にセルフレリアが自分の白い翼をラスターの首に押し当て半ば脅す様な形で言う。


「口の利き方がなってませんね。ラスター•エネ•ウォンスキー。」


「おい!エヴァンテ!こーゆーとこだぞ!!!」


 エヴァンテは苦笑いで誤魔化しつつ、ラスターへ言った。


「とりあえず、朝食をお召し上がりになりながらお話し致しましょう。ウォンスキーさん。」


「…わーたよ。」




 

ラスター•エネ•ウォンスキーさん、久しぶりに名前の方で呼ばれてちょっと嬉しかったみたいですよ。




↓食堂でツグネ達が来る前に話していた内容の抜粋。


「ねぇー、エヴァンテ。朝からこんな事聞くのも気が引けるんだけどぉ、この都市の下にメイトン居るってほんと?」


「お耳がお早い様で。数日前の連合が仕掛けて来た奇襲によりメイトンの侵入を許す形になってしまいました。」


「今日はまだ兎に会ってないんだけど、昨日兎言ってたよ?連合の奇襲については密告で把握してるから対処できるって。もしかしてマズったの?」


「恐らくですが、その密告自体ダグラス•モニカの策略だったのでしょう。その策略の意味は私共では紐解けませんが…」


「え?何でわかんないの?」


「私方の苦い経験則でしか無いのですが…。ここ数年、都市にとって痛いムチで痕を残された時、いつだって裏に居るのはダグラス•モニカでした。」


「ほげぇ〜…なんかわっかんないけど、ダグラス•モニカって人策士家なんだね〜。メイトン下に居るって怖いなぁ…」



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