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周回移動都市ヴェルサイユ  作者: 犬のようなもの
《セカンドオーダー編》            [番外編]京伝
52/67

〔番外編第1話〕ゲロゴミのお前らへ

初めまして貴方の脳みそを直接パンチ!どうも犬のようなものです。

これ以前の話、1話〜48話は前日譚ぜんじつたんみたいなものです。

そして今回は番外編です!

番外編といっても3年後の話なので別視点で未来を覗くみたいな感覚で読んでくれたら嬉しいです!

《ミステリー&ホラー&ロボット&異能力バトル&戦記&ゾンビ》

色々詰め込まれた本作をどうぞ共によろしくお願いします。

 



 ——————【周回移動都市ヴェルサイユ】——————



 ー西暦7023年ー

 地上はゾンビにまみれ、人類は衰退(すいたい)一途(いっと)を辿る中、突如現れたノアの方舟。

 直径2000km(キロ)

 通称、周回移動都市ヴェルサイユ。

 この都市は四足歩行で移動し、一年で地球を一周する。

 常に動き続ける事で地上に居るゾンビや怪物からの集中攻撃を避けているらしい。

 しかし、安全なのは周回移動都市ヴェルサイユの地上だけだ。

 周回移動都市ヴェルサイユの中には大量のゾンビが居る。

 生存戦略というべきなのか知らないが、中にゾンビが居ることによって、地上の(人間)から下手に攻められる事が無いのだとか…。

 そして、そこに住む(もの)は市民権という特権が与えられる。

 その特権を与えられた者は不老のチカラを手に入れる事ができる。

 だが、私はこの都市に生まれたのにも関わらず不老の特権、市民権を持っていない。

 理由は母が地上から不正に移住してきた移民だからだ。

 移民が市民権を買うには膨大な初期費用金いる。

 そんな私は子供の時からずっと市民権を買う為、必死に働いている。







 私は(キョウ)生まれた時から16年間ずっとこの街で暮らしてきたキュートな女の子…。


「…ふぁ〜、最近何度も同じ夢を見る気がする…まぁ内容ぉ覚えてないけど…。」


 朝起きて、鏡の前で冴えない顔を確認した後、髪の毛をとく。


「…可愛く無いな。」


 そして朝ごはんを食べ仕事に行く。



 ——————ガラッガラッガラッガラッ。



 毎日、安っぽい馬車の荷台に乗せられ仕事場へ連れて行かれる。

 給料はそこそこ高い、が…私には借金がある。

 別にギャンブルしてたとか病気の母がいるとかでは無い。


「おい、お前さんの様なガキが何でこんな所で働いてんだ?」


 馬車の荷台に揺られる中、くたびれた服を着た中年の男に話しかけられた。


「…ここでそーゆー話はNGってママに教わらなかったのか?」


「いいじゃねぇ〜かぁ。どーせ明日にはお互い別の現場なんだしよ今日ぐらいは聞かせろよ〜。」


 そうだ今日は月に一度の現場交代の日、私達ヴェルサイユ市民は市民権(不老のチカラ)を買い続ける為に仕事をしなければならない。

 そして私の様な貧乏人はその広大な都市(機械)をメンテナンスする仕事をしなければならない。

 なぜかって?別に仕事は沢山あるが借金を返しながら市民権を“買い続ける”にはこの仕事しかないからだ。

 まぁ私は市民権を買えてすらいないんだけど…。

 ここにいる者の大半は借金を抱えて無理やりここへ連れて来られた人間のクズばかりだ。


「…じゃぁ、その林檎1つくれたら教えてやるよ。」


「はぁ…今日の朝飯なんだぜぇ?勘弁してくれよぉ。」


「…」


 この世界では一歩引いた方が負ける。


「…ッたく。やるよ、ほれっ。」



 ——————ヒュッ。



「…確かに、林檎…頂いた。」


「チッ、早く教えろよ。1ヶ月一緒に作業した仲じゃねぇか。名前も知んねぇけどなッ、ウシシッ!んで、理由は?」


「…」


 コイツは情報屋か?噂では他人の情報を売り飛ばして小銭稼ぎをしてるクズだな。


「おい、まさか。俺の朝食奪っといて言わねぇって事は無いだろうな?!それとも何か言いにくい系の奴か?」


「…別に。ただ、子供の頃に人殺しちゃって賠償請求されてるだけ。」


 嘘だ、私は人なんか殺した事はない。


「へ〜…お前みたいな華奢(きゃしゃ)な男がねぇ〜。」


 このアングラな人間が多い現場では如何(いか)に見栄を張れるかで安全性が決まってくるからだ。

 まぁ1ヶ月の現場交代で全員知らない顔になるが…最後の1日でも気が抜けない。

 ついでに私は男じゃない、見た目が男っぽいのを利用して男のフリをしてるだけだ。

 ゴミ人間が集まるこの場所では女というだけで危険が(とも)う。

 私は最初から何もしていなくとも男って思われてたけど…。

 ぶっちゃけ借金を作った理由もしょーもない。

 普通に詐欺にあった。

 絶対儲かるって言われたギャンブルで負けた。



 ——————ガラガラガラッ…ガッ。



 馬車が止まり荷台から降ろされる。

 そして馬車の操縦をしていた現場監督の“軍人”がいつも通り指示を出してきた。


『は〜い、いつも通り作業に入ってね〜。降下制御装置(こうかせいぎょそうち)付けて〜ね〜、はーい。』



 ——————ガチャガチャッ、カッカッ。



 私達はヴェルサイユの外壁メンテナンス担当だ。

 高さ“何百km”ある外壁を1ヶ月かけ降下しながら点検して行く。



 ——————ガシャンッ。



 降下制御装置を腰に巻き付けヴェルサイユの外壁を降りて行く。



 ——————ヒュッーンッ。ガヒュン。シュルルルッ。



 一斉に降下を開始する総勢15人程の作業員。

 いつも作業場まで降りるのに1時間から3時間程掛かる。

 本来ならもっと早く降下出来るのだが気圧差に体を慣れさせる為、段階を分けて降下しているからだそうだ。

 皆その間に本を読んだり、仮眠を取ったりするが私はいつも朝日が綺麗でボーっと空を眺めている。



 ——————ヒューーンッ。



 外の風が心地よい朝、短い髪の毛が(なび)く。

 頬を撫でる風は柔らかくヒヤッと冷たい…唯一この仕事をしていて良かったと思える所だ。


「おい、お前。いっつも外見てんなぁ、なんか面白いもんでもあんのか?」


 最終日だからって、やけに話しかけてくるなこのおじさん…。


「…悪いか?」


「チッ、調子乗ってんじゃねぇよガキが…せっかく話しかけてやったのによ…」


「余計なお世話だったな。」


 ここでは誰も信用出来ない、ここにいる奴らはカスばかりだからだ。

 口を開けば己の利益の為に騙そうとしてくる。



 ——————シューッガキンッ!!!



 降下制御装置が止まり降下が終わる。

 さっ、今日も作業場するか…。



 ——————カチッカチッカチッ。



 各々が作業を開始し出す。



 ——————カンカンッ!



 私達が住むこの都市は人智を越える力を有していながら人に頼らなければ生きていけない機械生物と言われている。

 まぁ、噂程度に過ぎないが。

 いつも通り作業をしていると15メートルは程下から叫び声が聞こえてきた。



 ——————グワァァァァァアッ!!!



「ギャァァァァァアッ!!!」


 機械仕掛けの壁の隙間からゾンビが飛び出し1人の作業員に襲いかかった。


「ゾンビが出たぞ!!!皆30メートルが上がれ!!!」


 その声を聞き私は急いで降下制御装置を使い上に上がろうとする。

 が、降下制御装置が誤作動を起こし上に上がるどころかどんどん下へ下がって行く。



 ——————シューッ。



「なッ?!何で!何でぇ!」



 ——————グワァァァァァアッ!!!



 作業員を食い散らかす事に夢中なゾンビの横を通過し降下して行く。


「…ッ。」


 …バレてない…良かったけど、どうしよう私だけ上へ避難できなかった…どころかどんどん下へ行ってしまう。



 ——————ガキンッ。



 頭上のゾンビから15メートルほどの高さ降下制御装置が急停止した。


「えっ…」



 ——————プシューンッ…。



「えッ?!動けよ馬鹿!!ここで壊れたらどうやって上に上がッ…」



 ——————グワァァッ。



 上にいるゾンビと目があった。


「あっ…、コンニチハ…」



 ——————グルゥワァァァァァァア!!!



 ゾンビが食い散らかした作業員から飛び降り、こちらへ飛びかかってきた。


「ワァッ!!!!」


 体を限界まで捻り落下してくるゾンビを交わす。



 ——————ヒュンッ!!!



 体のすぐ横をゾンビが落下していった。

 ゾンビを回避できたと安心した瞬間、上から何かが降ってきた。



 ——————ベチョベチョベチョッボトッ!



 生ぬるいナニカが頭に直撃した。


「ギャァァァァァアッ!」


「これ絶対内臓だ!!!最悪ちょっと口に入ったァァッ!」



 ——————ピチョンッ。ピチョンッ。



 ゾンビに食い散らかされていた作業員の内臓か?!

 最悪だ…最悪だッ…最悪だァア!!!

 何だよ降下制御装置も壊れて内臓シャワーくらって、あー…でも…生きてて良かった…。






 ——————パキッ、パキパキッ。





 鼓膜が破れそうな轟音が鳴る。

 目線を上げると空に大きな空間が開いていた。

 黒くて大きな丸…でかい。



 ——————ゴォォォォォーーーンッ!!!



「鐘の音?」



 ——————ゴォォォォォーーーンッ!!!



 鳴り響く鐘の音を聞いて思い出した事がある。

 何か有事があった時や、避難が必要な時に限ってヴェルサイユが鐘を鳴らすと聞いた事がある。

 私はまだ16年しか生きていないからこの都市で頻繁(50年に1回)に起こっている戦争など経験した事ないからわからないけど…。



 ——————ゴォォォォォーーーンッ!!!



 ——————バシャッンッ!



「ヒェッ!!!」


 また内臓が落ちてきた。

 しかし、この内臓の量何かおかしい。

 さっきゾンビに食い散らかされた作業員1人が出せる内臓の量じゃない。

 上に避難した作業員に何かあったのだろうか?いや、絶対なんかあっただろ!!!



 そんな事を考えているうちに事態が動いた。

 空に開いた空間から傲慢に満ちた女の声が空に響いた。



 《こんにちは動物の皆さん。ゲロゴミのお前らに名乗る名前なんてないけど、そうね。“222(セカンドオーダー)”とでも呼んでちょうだい。》





 ——————222(セカンドオーダー)編、開幕。





さっきゾンビに食い散らかされた作業員1人が出せる内臓の量じゃない。


“1人が出せる内臓の量”


パワーワード過ぎる。





※1話から読んだ人へ、疑問に思っている矛盾はこの先で解消されます。ついでに兎達が都市へ到着してから3年後の話です。その3年間の話は、また京伝が終わり次第書きます。

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