〔第18話〕なんか宇宙的な超パワーで凄い感じ
ツグネの話、入りませんでした。
次回入れます。
ねぇ゛ーーー!!!
「突然なんだけど、ヴィーナッスッくふぅん。質問いいかね?」
———《………はい。》
深夜、兎が寝た後の静かな部屋でヴィーナスに質問するフブ。
「メインサーバーから聞いてると思うけど…この間、部屋に入ってきた顔の潰れたゾンビさ…なんでここの兎の部屋まで来れたんだろう…」
———《あのゾンビには磁場を操れる“能力”があったと考察されています。》
「あー…それで電子機器バグらせてたのか…。だから、このマンションにあのゾンビが入ってきてもヴィーナスやメインサーバーは認知できなかったんだね…」
———《私達の目にはそのゾンビが映っていませんでした。》
「まぁーそれだと、ヴィーナスみたいな警備ロボには天敵だもんねぇ。」
———《不甲斐ない限りです。》
「ねぇ゛ーー、謝んないで。」
———《謝ってはいません。》
「え?あぁ…ほんとだ。」
———《…。》
「そういえば、警備ロボって最近まで動いてなかったよね。どうして動いてなかったの?」
———《……分からないんですか?》
「え?んー…分からない…。あっ、でもずっとメインサーバーは動いてたんだよね?」
———《はい。》
「じゃあ実際にセキュリティは動いてたけど、視覚的には警備ロボを動かしてなかったという事か…なんでだろ…」
———《…。》
「ねぇ゛ーー!!教えてよー!」
———《………2人で居るのが楽しかったからでしょう。》
「ヴィーナスが部屋に来てからは、もっと楽しいよ?」
———《………ありがとうございます。》
「ふぁ〜…私も、もう眠いや…寝てくる。おやすみ〜。」
———《おやすみなさいませ。》
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いつも同じ夢を見る。
多分これは私じゃない誰かの記憶っぽい…。
大きなロボットに乗って戦う夢。
そこにはどうしても勝てない一機がいて、
私はそいつと何回も戦っている。…様な気がする。
でも、知っている。
これは、夢だ。
いつも起きた時、心拍数が上がりすぎて吐きそうになる。
病気なのかな…?
…。
ん?今日はまだ覚めないのか。
ダメだ。
これは夢の中だ。
でも、勝てない。
アイツに勝てない、どうしても勝てない。
また、堕とされる。
痛いのは嫌だ。
嫌だ。
嫌だっ。
だから、堕とされない様に相手を…
——————ジュンッ。
——————ドーーーンッ!!!!
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———
—
-
「ねぇ゛ーーー!!!起きてぇぇええ!!!ねぇ゛ーーー!!!」
首…痛い…ゆ、揺らしすぎ…。
で、でも…。
「んー…まだ、眠いぃ…」
これは戦いなのだ。
眠気との戦い…。
私はこの戦いに負けるわけには…。
「ねぇ゛ーーーー!!!」
揺らされる。
首が痛いぃ…。
「都市伝説特集TVでやってるのになぁ〜見逃したら後悔すると思うけどなぁ〜!」
「…にぇむぅい……」
「ねぇ゛ーーー!!!」
まだ眠い…けど都市伝説特集、見たい…。それにしても朝からそんな番組やってるんだ…。
一連の押し問答の後、私はフブに連れられて嫌々起きる。
———『さぁ今日も始まりました!都市伝説を覗いてTV!!!今回のゲストはこの方…』
番組はゲストを紹介した後、少し進み本格的に都市伝説の話が始まった。
———『最初の特集は、空に裂け目?!巨大ロボットと魔王について!!では、VTRどうぞ!』
テンション感がおかしい司会が叫ぶ。
朝からその声は耳に悪いよ…。
「この司会、朝からテンション高いねぇ、」
「そそそ、そうだね…」
フブも同じ事思ってたんだ。
———『空に突如現れた裂け目。そこに現れた巨大ロボット、その大きさなんと約20メートル!!日本の飛行艇が数万機、墜落させられたとか?!』
「え、そんな堕とされてたっけ?確かに飛行艇が街に落ちた時の煙みたいなのがあったけど…数万機は盛りすぎでしょ…」
「そ、そそそうだね。数万機墜ちたら…こ、この街無くなる…」
———『なんと!今回!番組でその巨大ロボットが戦っている映像を放送します!!その映像はCMの後で!!』
「ねぇ゛ーCM、うざい!」
「そそそそうだね…」
———『今日は、あんまり体調良くないなぁ…そんな貴方に!!!この“リストバンド!!!宇宙的な超パワーでなんか凄い、いい感じになる!!!お買い求めは近くの薬局で…』
「宇宙的な超パワーって…フフッ…ちょ、なにそれフフッ」
「……ううう、胡散臭い…」
———『このスポンジで皿洗いを宇宙的な超パワーでなんか凄い、いい感じになろう!』
「なんか…最近宇宙的なパワー流行ってんのかね。」
「ははは流行ってそう…」
そしてCMは明け、巨大ロボットが映されたという映像が流れ始める。
最初に画面に映ったのは、あの時マンションからみた空間の裂け目だった。
その映像は間違いなく、あの日この目で見た空間の裂け目だった。
もちろんそこには、大量の飛行艇なども映っている。
———『ジジジジッ…』
カメラの映像が裂け目の方にズームする。
「み、見て!兎!アレ!!」
「う、うん…わ、わわ私達があの時、見たロボットだ…」
次の瞬間、画面からロボットが消える。
———『ジジジジッ…ジジジッ…』
カメラが激しく動き、消えたロボットを探している様だ。
———『ドゴォーーーーンッ!!!』
画面が揺れ動く中、轟音が響いた。
その爆音の方へカメラが向けられる。
あのロボットが飛行艇を墜落させていた。
詳しく見えてはいないが、ロボットが高速で動き、次の瞬間、飛行艇数機が墜落している様に見える。
「私達があの時ゆっくり朝ごはん食べてた時、こんなんなってたんだね…」
「こここ、これじゃ…まるで戦争…」
戦争といっても数が違いすぎる。
あの日、私達が見た日本の飛行艇の数は数十万機に及ぶ。
そして、裂け目にいたロボットは1機。
果たしてこれは戦争と言えるのだろうか。
———『ヂュュュューーーーンッ!!』
日本の飛行艇も負けじとレーザービームを放つ。
———『ヒュンッ。ドゴォーーーーンッ!!』
ロボットはそれを軽々回避し、飛行艇を破壊した。
「ねぇ…あのロボットの攻撃手段なんだろ…武器持ってる様には見えないし、攻撃の瞬間速すぎて見えないよぉ!」
「いいい居合斬りみたい…すすす素手で攻撃してたら凄いね…」
「武闘派か…」
映像はロボットが飛行艇の攻撃を回避して撃墜するシーンで止まった。
どうやらここまでらしい。
———『いやぁ〜凄かったですねぇ。これ映画のワンシーンとかから切り抜きましたか?はははっ。』
司会のジョークにTVの中の観客は沸く。
一方、フブはどこか不安げな顔をしながら、私の髪の毛で遊び出す。
人差し指で私の癖っ毛をくるくる回す。
「フフフフ、フブ…」
「兎、やっぱりあの日見たのってやっぱり本物だよね…フェイク映像とかじゃなくてさ…」
「ううううん…」
「謎の巨大建造物といい、ゾンビといい、空間の裂け目のロボットといい、この世界はどこに向かってるんだろうね…」
「そそそそんなの、終わりに決まってます…」
「ねぇ゛ー不吉な事、言うのやーめぇーて!」
そんなこんなで朝ごはんを食べて食器をキッチンに運んだ後、兎はスマホを取り出し何やら操作を始める。
「何してるの?」
「そそそ外、見よう…」
「え?どう言う事?」
私言葉にフブは若干混乱している様に見える。
しかし、私は淡々とスマホをタップしてアレを操作する。
さっきまで見ていた都市伝説特集は妖怪コーナーへ入ったが、フブと私の視線は私の操作しているスマホに釘付けだ。
——————ポコンッ。
「うわっ、びっくりした!」
スマホから出た音にフブがビクッと体を震わせて驚く。
「ふふふふフブ…私ドローン持ってる…」
「え?!それって…」
そしてスマホの画面は、兎のマンションの屋上を映しだす。
「おぉ!!!兎、これ!もしかして!!」
「どどどドローン飛ばして外の様子を見よう…」
「すごぉーー!!」
「ととととりあえず、近くの…大通り目指す…」
「いいね。」
——————『ウィーーーーンッ。』
スマホの画面からドローンの羽音が聞こえる。
私はゆっくり、ドローンの高度を落とす様に操作する。
「それにしても…兎のマンションやっぱ高いねぇ…これほんとに25階の高さ?」
「じじじ実はこのマンション…64階建てのマンションと同じ高さ…」
「んぇ?!じゃぁ25階ってめっちゃ嘘じゃん!!!」
「ち、ちち違う…階層は本当に25階…」
「64引く25は39、39階分一体何があるのさ!」
「ととととりあえずドローン…もう、地面に着いたから…みみみ見よう…」
「めっちゃ気になるから後で教えてね…?」
「うん…」
ドローンが馴染み深いこのマンションの入り口を映し出す。
次に大通りへ向かって動き出す。
その道中…
——————『ヴァァーッ。』
「ん?何か通り過ぎた…?」
「よよよよく見えなかった…」
「んー…ランニングしてる人かな?」
「すすす、凄い苦しそうな声出してたね…」
「多分、朝から45.195キロに挑戦しているんだよ…」
「あああ朝から…おおおお疲れ様です…」
——————『ヴァァッ。』
「ねぇ゛ーーー!!!またなんか目の前通り過ぎたんだけど!!」
「ななななッ!めっちゃ目の前通り過ぎる…」
2人はドローンの方向をぐるっと変え、ソレを追いかける。
「いったれぇ!兎ぃ!!追いかけてやれぇ!!」
「いいい、いったります…」
——————『ヴァァァァアッ。』
ドローンがその人の後ろ姿を捉えた。
「うわっ、凄い服でランニングしてる。この人…」
「ぼぼぼボロボロ…」
敗れた服には血が滲んでいた。
ランニングとは程遠い世紀末過ぎる服装に、私とフブは顔をニヤニヤさせる。
「ちょっ、この人、今何キロ走ってるの…フフフッ…ボロボロ過ぎでしょ…フフッ…」
「なななかなかファンタジーな服装に感服しざるえません…」
——————『ヴァァッ!!』
後ろ姿しか見えないがシュールな光景だ。
車道の真ん中を走る世紀末のソイツはまるでゾンビみたいだ。
「えっちょっ!コイツどこ走ってるの!?」
「あ、あああ危ない…」
そして、私は外の世界への違和感に気づいてしまった。
「フフフブ…」
「どうしたの?兎。」
「こ、ここ大通りなのに…ささ、さっきから車、一台も通ってない…」
「え、あっ本当だ…」
【さ、ささ最後を、エエエ、エキサイトしている…】




