武器と討伐
「ガレキの山つーか、ゴミの山だなコレ」
土とコンクリート、あとゴミ袋とかチラホラ見える。あ、骨もあった。
「あの蛙、ここのゴミを売りつけようとしてんのか」
取り合えず武器になりそうな物を探すとしよう。
石、コンクリ片、ビニール、骨、石、骨、石・・・曲がった鉄パイプ!
「これだ!これしかない!」
曲がってるのが気に入らないが、もう探すのが面倒になった。いいよねコレで。これでエイリアンとやらを倒せるのかは疑問ではあるが。
よく見ると、赤黒い血みたいなものが付いてるぅぅぅぅぅ!殺〇にでも使われたのか!?
俺は見なかった事にして、エイリアン退治に向かうべく街を出た。
「くそっ、気持ち悪ぃ!」
街を出てしばらくすると、顔がぐちゃぐちゃになったネズミに襲われた。エイリアンって気持ち悪いと思います。
こちらに向かって威嚇と噛みつきをしてくるネズミを相手に、右に左にと鉄パイプを叩きつけると、やっと死んだのかピクピクと痙攣しつつ倒れたネズミに安堵のため息をつく。
「ふっ、俺様の虎徹に切れぬものは無い」
自分でも馬鹿な事を言ってるなぁと思いつつ、微かな音がする後ろを振り返った。
『ネズミの追加入りまーーす』と言わんばかりの勢いで三匹のネズミが勢いよく走って来る。
「あ、追加注文っすか?頼んでねーっす」
俺は焦った。一匹でもきついのに、三匹とか無理無理死んじゃう!
一発殴れば逃げてくれないかなーと思いつつ、軽く絶望した。するとバンという音とともに一匹が倒れる。続けざまに三発の音が聞こえ、残りのネズミも倒れた。
「よう、大丈夫か?」
声がしたほうを向くと、頭に獣の耳を生やした男が立っていた。
「ああ、よく分からんが助かったよ。ありがとう」
「外しちまってちょっと掠ったみたいだが、まぁ良いよな」
一発は俺の頬を掠めてました。