建国の物語
むかし、むかしまだこの大陸で大きな争いがあった。
多くの血が流れて、多くの命が散った時代。
ある小国の王子、ディーノには大きな夢があった。
この戦乱の世が終わり、国を平定する事が願いだった。
そんな王子を1人の女神が天界から見ていた。
命をかけて戦う王子の姿に、心を奪われたのは太陽と月の女神の娘である、フレイア。
豊穣を司る女神で、小国の王子に恋をしているのは明らかにわかっていた。
そんな彼女は天帝の目を盗んで下界に降りる事に、咎めはしなかった。
地上を豊かにする事は彼女の存在そのものだったし、人間には終わりがある。
そんな存在を愛するのは、神の余興というか娯楽だという神だっている。
ディーノは、和平を締結させながら小国を大国に、乱世を終結させるために奔走し7カ国で争っていた戦争を終わらせた。
自身の国を首都とし、6カ国の戦争賛成派だった王侯貴族は粛清する際に、致命傷を負った。
その際に本来の姿を現したフレイアは、ディーノの傷を癒やし治した。
そして、戦争を反対していた、冷遇されていた王侯貴族の中から志が同じ一族の人間を領主と定め、元小国だった国を治めさせた。
また、反乱が再び起きぬよう、一族の嫡子が人質として一定期間王宮で仕事をすることになった。
それぞれで得意な仕事を一族の仕事とするようになりそれぞれ現代に至るまで継承されている。
とてつもない小国から大国へと建国したディーノは、チェリーピンクの瞳とプラチナブロンドの髪に美しい色女神フレイアと婚姻を結ぶ。
その後、創国の賢王と呼ばれるようになる。
今までだと争いが徐々に嘘のようになくなり、平和な時世が訪れたことに人々は喜んだ。
そして王が死ぬまでの間。傍で寄り添った女神は、愛すべき国へ。自分自身の祝福を与え。王の御霊と共に天上界へと戻っていった。
それから彼女の色彩を色濃く受け継いだ時代の王も賢王として国を治めた。
そして度々現れる彼女と全く同じ色彩を持つ王もそれぞれ国を豊かに繁栄させていた。
しかし六侯爵家の一族には女児が生まれにくく、逆に王族には男児が生まれにくくなった。
それでも人々は語り続けた。
女神の色彩を持つものは彼女の祝福を持つ者、あまねく光と愛で国を繁栄させるだろう。
この物語は、国民の憧れるロマンスとなった。




