僕から君へ
ナニコレ……
どうして、私が?本当に?うそ……
日記を見つけた。
僕との出会いから書かれた日記だ。
大丈夫、最初の方だけ見てしまったけど。全てを読んではいないから。
君の不安は的中した。僕がもっと早く……気づいていれば……。
恐らく君の意識がなかったであろう時の事を……ここに記しておく。
魔族シャックスと出会い、空中庭園で女戦士がダンタリオンにやられた前後からだと思う。君の様子がおかしくなったと感じたのは……。
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「全く感知出来なかった……。どこから?!」
「あのレベルの攻撃なら僧侶さんの結界でどうにかなっていたのでは……。……どうして結界を解除していたのです?」
「戦士……あぁ、どうして……。結界……、わ、私は解除なんてして……した……?どうして……。」
酷く混乱してるようだった。僕は、回廊で聞いた状態なのかと思い、詳細に記憶しておくようにした。
今にして思えば。常に全員を、自分の身がどうなっても万全の状態に維持しようとするのが僧侶なのに、ダンタリオンとの初戦からおかしかった。木の根から逃げてるとはいえほとんど補助がなかったのも違和感に思う。
そして、決定的だったのは。ダンタリオンとの二戦目だった。
奴は魔術師の様な恰好で現れ、数々の魔法を連発してきた。
「ぐっ、近づけない。……僧侶、結界を……。そう……」
「あれ、私、どうして。」
賢者が血を流して倒れていた。
「ま、まさか……ここまで来て……わたくしがこんな所で……負けるはずがない……。せっかく魔女を離脱させ……上手くいくと思っていたのですが……。」
「な?!賢者……何を言って……。」
賢者は自身に回復魔法を掛け立ち上がる。
「わたくしは……貴方がちゃんと魔王になるかどうかの監視の任も受けていたのですよ……。何年と行方をくらませていた勇者パーティだが、魔人を倒し、やっと交代劇が起こるのなら……それをしっかりと確かめるための……。深翠の魔女は……西や南のように、完全に消滅させかねない。世界の脅威になるという事で、なんとか廃するようにとも言われていました。」
「け、賢者も……知っていたのか……。」
「あなた……やはりメイフィスから事情を聞いてましたか……。やれやれお節介な魔人ですね……。」
「ぬぅぅ貴様ら、魔王さまの元には行かせぬぞ!この身に代えても貴様らはここで滅する!」
僧侶がダンタリオンの前に立ち、こちらに杖を向ける。
「魔王領に入ってからだ。魔女や勇者に気づかれぬように、ゆっくり、ゆっくりと洗脳しておった。」
「そんなに前から……。」
「僧侶を人質に……これは、長期戦は不利そうですね……一気に決めますよ。」
賢者が自身最大の呪文を唱えている時だった。僧侶がダンタリオンの前に立ったまま……ダンタリオンも魔法を放とうとしていた。
そこに僕が割って入ってしまった……。
「ゆ、勇者……?!待ちなさい!このままでは私も奴も……、あなたも対消滅します……!」
それぞれの思惑がバラバラだったからだろうか。
賢者とダンタリオンは体を残して魂が消滅し……。
今、僕も……、ごめん、君と……共に歩む事が出来なくて。
すまな
独り
目が覚めると
賢者と魔法使いのような大きな魔物ような……人?が向かい合っていた
勇者はいなかった
どこに……?
魔王は……門は開かれていない
どうして
私の日記が落ちてるの?
どうして
横に
指輪が……




