僧侶の遺した日記 42 「不安な記憶」
魔王城の手前……手薄のような、魔族にも出会わない
場内を固めているのだろうか?
「魔王城内、かなりのマナの瘴気ですね。保護魔法を掛けます。」
賢者と僧侶が保護魔法を唱える、青い光が身を包む。杖のおかげか完全と呼べるような保護魔法になっている。ほんとうにすごい物だ……。
魔王城迷宮内部
いざ魔王城に入ると、驚くほど静かだった。
「外の喧騒とは裏腹に……かなり……静かだな。」
「なにかの……罠か、もしくはもうそれ程までに疲弊しているのか……。」
拍子抜け……どころではない。城の中に入って全く出会わなくなる等あるのだろうか?
これは……罠?
そう訝しんではいたが、あっという間に偽座の間に着く。
「ぬぅぅぅ……久方ぶりの客人か……魔王さまの元へは行かせぬ……この……魔人ダンタリオンがいる限り……。」
木の魔人……だろうか。なら、私の最初にする事は…………。
自分に身体強化の魔法を掛ける。そうこうしているうちに女戦士と勇者は戦闘に入り、賢者の魔法が弾かれているようだった。
直後……地面から木の根が……
「勇者……穴だらけだな……。動けそうかい?」
「はは……面目ない。」
「…………?」
勇者と女戦士の声で目が覚める。今…………、意識が飛んでいた?ダンタリオンは……縦に一閃、真っ二つになっている。
どうして、一瞬記憶が、不安が募るのと同時に、話すべきか、私は迷っている。
偽座の間を抜け、階段を上ると……なんだろうここ、地面がどこに……。一応床は……ある。
「道が二つ……奥にあるボタンを押せばこの異様な光景を解除出来るようです。幻覚魔法か何かの類でしょう。」
「手分けして進もう。僕と僧侶はこっちに、戦士と賢者はあっちを頼む。」
手分けして進む、勇者と二人きり、さっきの話をしよう……。
「あ、あのね、さっきの戦い……途中から記憶がないんだけど……私、何かおかしな事してなかった?」
「え……違和感は感じなかったけども。」
「そう……、もう一ついいかな。あの、魔王城の結界を破壊した。魔女の魔法。どう感じたかな。」
「どう……?うーん、綺麗で凄いなぁ、としか。」
「何か邪悪なものとか感じなかった?」
「いや……それは全く。」
どういう事だろう……。不安が大きくなる。私は一体……。
「あの、あのね。次また起こった時はすぐに話すから……。話す前に私が何をしていたか……教えて欲しいの。」
「そんなに……分かった。」
不安な事は話せた。きっと大丈夫……後もう少し……。
「あれがボタンかな?浮かんでるように見えるけど……大丈夫かな……。」
ボタンを押してみるが特に何も起こらない。賢者と戦士がまだ押していないのかな?
「あ、そうだ。魔王を倒した後の事もいいかな?戦いが終わったら、また勇者の村で、今度はあなたの家族と、私の家族も一緒にもう一回式、あげたいね。」
「ああ……そうだね、きっとそうしよう。」
二人で見つめあう。次の瞬間
ブゥ…………ン。
っと不思議な音が響き、辺りが魔王城の様相へと姿を変えていく。すぐ近くに女戦士と賢者が居る。
「こんな近くを歩いて……あ、あれ?階段もすぐ後ろに……。」
「僕たちは狐にでも化かされたのだろうか。」
「ああああうえ?私たちの会話……き、聞こえて無いですよね……?」
「……?聞こえていませんでしたが……、敵陣でいちゃつくのは関心しませんよ。次元廻廊、とは文字通り別次元を散歩していたのかもしれないですね。さて……次の門が見えます。魔人が2つ目の門に配置……あれより手強い手合いでしょう。気を引き締め直しますよ。」
めちゃくちゃ焦った。特に最初の話、二人が居ない所で話をしたのが気まずかった。
次元回廊
世界の記憶と記録を映像として映し出す装置。勇者が攻略していた時は宇宙開闢が流されていた。約45兆時間の大長編の1億時間目。




