僧侶の遺した日記 40 「加入者」
賢者は王都への転移の陣を敷くそうだ
私と勇者はしばらく休息する事にした
転送魔法陣を敷き、姫を王都まで連れていくまでの間、私と勇者は休息を取る事にした。
すぐに魔法陣の生成に着手している賢者、元気だな……。
私も大きな怪我はなかったので勇者の治療の手伝いをする。
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数日経ったが、あまり勇者の容態は良くならなかった。
火傷はほとんど無かったが……背中の傷の治りが遅い……。治ったはずの所も黒い痣のような……なんだろうこれ……鎖……ムカデ……?呪いとも違うようだ。
「背中の傷……治り遅いね。痛みや辛さはない?」
「ありがとう。そんなに酷い痛みはないんだが……なんだろう、何か重みというか鈍み……?というか、変な違和感はあるんだ。」
「鈍み……魔女は何かあの魔物の事知っていたようだけど……。」
「そうだね……僕が彼女を誘わなければ……。」
「そんな……そんな事……。」
強く否定出来なかった。あの人は勇者を……勘違いじゃなければ私の事も気に入ってくれていたからここまで来てくれた。犠牲は初めてでは無かったが……魔女は特別だった。
でも、あの魔女が、厚顔で尊大で余裕に満ちたあの魔女が…………。
沈黙が続いた、その時だった。
コンコンコン
ノックの音が響く
「ごめん、俺だ、入っても大丈夫か?」
女戦士だった。
「どうぞ。」と促し入ってもらう。
「良かった、結婚したし、子作り中かと思ってな。俺もちゃんと気を使えるんだ。」
「こ……?!そ、そうか、ところで何の用でこっちに来たんだい?」
「あぁ、そうだった。メイフィス様にも相談したんだが。魔王城、俺も連れて行ってくれ。魔女程では無いが役に立てると思う。」
「君が……そうか…………心強い、賢者が居なければ、君をダメ元で誘おうと思っていたんだ。」
「ありがたいけど……どうしてまた急に?」
「大きくて、神々しくて、力強い。光を見た。ここに居るだけじゃ分からない事を……もっと見たいと思ったんだ。」
神々しい……?魔女の魔法の事だろうか?あんな邪悪な光を……邪悪……?なんでそう感じ……たんだろ?
「賢者も明日に姫を連れて行くそうだし。出立の準備は急いでくれると助かる。」
「了解した。ありがとう。」
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翌日
「何から何まで……ありがとうございました……ありがとうございました……。全て終わったら是非また王都に、城にお越し下さい。」
「いえ、私は……。勇者と二人で、伺います。必ず。」
「それでは行ってきます。翌々日には戻れると思います。」
お姫さま……本当に良かった。私は出立の時、王に挨拶すらしていない。全て終わったらパレードとか、お祭りとか、あるのかな。
魔王討伐
魔王を討伐して帰る勇者は居ない
王は迎える準備など
しない




