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廃課金者の異世界建国記  作者: 月うさぎ
第一章 異世界転生
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第十話 戦いに向けて


 冒険者ギルドで決闘が決まってから約30分が経った頃、レインたちはレインが全く決闘やその他の知識がないことを思い出し情報交換をするために3人で適当にお店に入り腰を落ち着ける。


「まず、僕は相手の情報が全くないんだけどあの人たちは強いの?」


「冒険者ランクはDランクですね。この街では上から数えたほうが早いほどの実力者です」


「それを3人相手にして俺に勝てと?」


「はい。頑張ってくださいね?」


 レインはシーナの話を聞いて初っ端からうなだれてしまう。


 レインも、そこそこ強いんだろうなとは思ってはいたがまさかこの街で上から数えた方が早いほどの人物だとは思わなかった。


 今のレインは誰がどう見てもそこまで強くないはずだ。今回の決闘の内容にもよるが今のままではほとんどレインに勝機はないだろう。


「シーナは説明不足。あの3人はパーティーを組んでいる。名前はさっきレインと話していたのからナウナー、トバム、マッツ。ナウナーがリーダーで3人の平均レベルは25前後のはず。得意武器は順に剣、槍、弓で結構バランスのとれたパーティー」


 クロナはシーナの説明が不足だったことを指摘し自分でレインに自分が知っているだけのことを全て教えた。


 その内容があまりにも細かくてレインとしても大助かりなのだが、どこでそんな情報を得たのかが気になった。普通、自分の情報は隠すはずだ。


「あの人たちは、自慢したがり。みんなに逐一自分たちのことを報告している。以前、私もナンパされたことがあってその時にだいぶ自慢された」


「私は一応まだギルド職員なので個人情報の漏洩は出来ませんのであまり詳しいことは言えないのです。その辺の情報はクロナさんに任せます」


「任された。と、言ってももうほとんど言ったけど」


 どうやら、シーナはまだギルド職員として認められており他の冒険者の情報を漏洩することは出来ないらしい。


 まぁ、ここでシーナにギルドしか知らないことを話されてもそれはそれで心配になるので別に構わない。レインも、クロナの情報だけでだいぶ参考になった。


「レベル25かぁ……」


「ちなみに、レインさんは今レベル幾つなのですか?」


「レベル? 今は4だよ。」


「レベル4でグレートウルフを討伐したのですか⁉︎ てっきりレベル30はあるのかと思っていました。すごいですね……」


 実際には、グレートウルフを討伐する前はレベル3で、討伐してさらに1つレベルが上がったのだが、レインはそれを言わなかった。


ちなみに、今のレインのステータスはと言うと……


ーーーステータスーーーーーーーーーーーーーー


レイン Lv4


HP 265/265 145up↑  MP 245/245 145up↑


攻撃力 185 105up↑

防御力 165 105up↑

俊敏  175 105up↑

知識  165 105up↑

器用さ 165 105up↑


-スキル-

剣術 Lv4 2up↑    

体術 Lv3 1up↑

火属性魔法 Lv1


-ユニークスキル-



-エクストラスキル-



-称号-

見習い戦士



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 とまぁ、普通ならあり得ないほどステータスが上昇していた。レベルが2上がっただけで体力が265って普通ならあり得ない。


 この世界の標準がどんなものかはわからないがめちゃくちゃ弱いと言うことはないだろう。ただ、今回は相手が相手だしかけの内容が内容だ。


 レインも1人相手ならなんとかなるだろうが3対1となるとかなり不利な状況になるだろう。しかも、先ほどのクロナの話を聞くに結構バランスのいいパーティーなのでレベル4ではだいぶ心もとない。


「とりあえず、決闘の話をしちゃいますね。今回の決闘は基本的に制約がありませんでした。流石に、横槍を入れることは出来ませんがそれ以外ならどんなアイテムを使用してもいいしどんな魔法を使用しても大丈夫です。訓練場では結界が張られているのでどれだけダメージを食らっても死ぬことはありません」


「うん。レインの持っている武器、そこそこいいやつだから武器の差で負けることはないと思う」


「ちょっと待って。僕の武器が優れている? あの剣が?」


「うん。知らずに使っていたの ?あれ、きっと買おうと思えば金貨数枚から十数枚はするよ?」


「マジか……」


 レインの使用していた剣といえばガチャ産ではあるものの、最低ランクの言ってはなんだがゴミ武器だ。


 GMOでは武器の重複で武器を強くすることができるが、最低ランクの武器をいくら重複しようが最高ランクのものに比べれば足元にも及ばないため全然重複していなかった。


 いわば、本当のゴミアイテムなのだ。


 それが、この世界ではそこそこの武器として扱われている……この事実を知ったレインは一瞬自分の使っていたお気に入り武器の数々を思い出して思わず苦笑いになってしまうが、クロナもシーナもいたって真面目だった。


 ちなみに、GMOのアイテムのランクは星1から星10で表現されている。さっきも言ったがレインが使用しているこの剣は最低ランクの星1だ。普通なら使い物にならないがずなのだ。


「そのアイテム。私たちは鑑定スキルを持っていないからわからないけど少なくとも上級武器だと思うよ」


「上級武器? それってアイテムランクのこと?」


「うん。アイテムランクは4段階でしたから下級、中級、上級、最上級だよ。上級までならレアだけど武器屋とかでも売っている。でも、最上級はほとんどが国宝扱いだから普通の冒険者は入手できない。AランクとかSランク冒険者は持っていると思うけど」


 つまりは、クロナの言っていることが正しければレインの所持しているこの星1武器でも上級武器ということになるのだ。きっと星2あたりから最上級武器と判断されてしまい厄介ごとに巻き込まれてしまう可能性が高い。


 しばらくは迂闊にアイテムも出せないようだ。


「と、いうことは武器に関しての心配はいらないんだね。あとは、どうやって勝つかだけど……2人とも、レベルが上がるポーションとか知らない?」


「知っていることは知っている。伝説上のアイテムとされているものに飲むだけでレベルが上がるポーションがあるんだって」


「あ、私も知っています。ですが、そんなポーション存在するのですか?」


「わからない」


 レインは、そんなことを2人に聞くがどうやらいまは伝説上のアイテムとされているそうだ。


 実は、レインのアイテムボックスの中に経験値ポーションも腐る程あるのだが、あまり服用はできないようだ。そもそも、この世界でそんなものを使用して体に異変がないとも限らない。


 ちなみに、このポーションなのだがリリースされた当時はなく途中で追加されたアイテムなのだがその理由としてはレベル解放するのはいいがレベル上げがめんどくさいというユーザーのわがままから実装されたアイテムだったりする。


 レインは、レベルを上げるのが地味に好きだったので全くそんなこと思っていなかったがどこにでも楽して強くなりたいプレーヤーというのは存在するのだ。


 そんなこともあって、ガチャや課金アイテム、そして特定の課金をしたときのおまけとして入手することができたのだ。


 ただ、レインはそれが実装されても一生懸命自力で魔物やボス、プレイヤーを倒してレベル上げをしていた。なので、GMO時代には使用しなかった経験値ポーションがレインのアイテムボックスに大量に保管されている状態なのである。


 しかも、経験値ポーションは使用可能アイテムに含まれており今でも使用可能なのだ。そのため、レインは2人に確認をとったのだが存在はしているものの数があまり出回っていないらしく伝説レベルのアイテムになっているらしい。


「レイン、そんなことよりもあしたのことを考えるべき。何か作戦はある?」


「まぁ、アイテムを使っていいならいろいろやりようはあるかな。でもその後がめんどくさいんだよなぁ……」


「その後?」


「きっと、レインさんは私たちでは知り得ないアイテムをたくさん所持されているのでしょう。それが公になればレインさん自身が狙われめんどくさいことになるのではないですか?」


「あたり。その辺はあまり詮索しないでもらえると嬉しいんだけどね。いざって時は割り切って使うことにするよ。その時に渋って勝負に負けて2人が奴隷になったら笑えないしね」


 レインは、ある程度なら2人に秘密を明かしても構わないと判断しアイテムに関することをかなりぼやかして2人に説明した。


クロナはイマイチピンと来ていないようだったがシーナはすぐに察したのかバッチリレインが懸念していたことを言い当てる。


「安心してください。もし、決闘が終わった後に厄介なことになったら私がレインさんを守ります。これでもギルド職員をする前は冒険者だったのですよ?」


「え、シーナって元冒険者なの?」


「うん。シーナは私と同じAランク冒険者。この街どころか国でも有名」


 どうやら、シーナが有名な元Aランク冒険者だというのは本当らしくシーナもまんざらでもなさそうに照れていた。


 レインは一通り決闘のルールや今回の規定をシーナたちから聞き終えるとすでに日が落ちかかっていたのでその日はもう解散ということになった。


 シーナたちはまだ残って色々説明したがっていたがレインの頭の中にはすでに経験値ポーションが有効なのかどうか確かめることしか頭になくそのまま解散すると寄り道なども全くせずに宿に向かって歩いて行くのであった。


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