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月色の砂漠~長老の野望~  作者: チク


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33/33

野望


 ファウは考え込む。

 その可能性はゼロではないが、さすがにそこまでするだろうか?

 一か月ほど前、クスナは謁見に呼ばれた。その時、何か知ってはいけないことを知ってしまったとか……?


 そもそもクスナに邪眼をかけたのはミンなのか?

 そもそもクスナは本当に邪眼にかけられたのだろうか? さきほど話してみた感じはそんなおかしな感じもなかった。


「しばらく導師様に内密に護衛をつけましょう。誰かに狙われているかどうかはわからないけど」

 ファウの提案にダーリャは頷いた。




     * * *


 長老はラテーシア家の奥の部屋に勾留されていた。

 鍵付きの部屋で見張りもつけられている。


 長老は、ミンが何を訊いても口を開かなかった。。


 なぜクスナを殺そうとしたのか?

 毒の入手経路はどこか?


「ずっと、このまま、この鍵付きの部屋にいるつもりですか?」

 その問いにも、長老はだんまりだった。



 結局、ミンは諦め退室する。



 必然的に、ミンが長老の代理ということになった。

 表向きの理由は長老は体調不良。実際は……。



 ファウはそれとなくクスナの周辺を警戒していた。ラテーシア家の者も一番隊の兵士たちも特におかしな様子はなかった。

 誰かに狙われてる様子もない。

 当のクスナはといえば、ため息をついたり、ぼんやりしていることが増えたようだが、不調というほどでもなさそうだった。

 それが気懸かりといえば気懸りではあった。



     * * *



 外から鍵をかけられ、見張りもついている。

 窓の外にはやはり見張りの兵士がいた。

 長老は幽閉の日々を送っていた。


 長老は窓から外を眺めていた。

 今の長老には何も為すすべはなかった。


 だが、長老は諦めてはいなかった。


「今に見てろよ」


 空を見上げ、そんなことをつぶやいていた。




     終

読んでいただきありがとうございました。

またどこかでお会いしましょう。

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