浄化
だが、考えてる暇も悩んでる暇はなかった。
有無を言わせずクスナの唇に己の唇を重ねる。
毒を浄化させなければ……!
* * *
時間は前後する。
「これはどういうことなんだ?」
ガイルとミンが兵士二人を問い詰めている。
そのすぐ横に、ダーリャ・レファイが倒れていた。
ルウ族三番隊隊長でもある。
外で倒れてるならまだしもここは、ラテーシアの家の中なのだ。
「どうしてこんなところに三番隊隊長がいるんだ?」
ガイルが兵士二人を詰問するが、二人は黙ったままだ。
兵士二人は特に長老が気にかけている兵士だ。私用などを頼むことがあるみたいだった。
「せめて彼に何をしたか教えて欲しい。何をしたかによって手当の仕方も違うから」
というミンの質問にも二人は無言だった。
二人は黙ったまま埒が明かないので、ガイルは兵士二人を鍵付きの部屋に入ってるよう命じた。
反乱など考えていればこんな鍵付きの部屋から逃亡もするだろうが、顔も名前も知ってるし、何よりガイルは彼らを信頼していた。今は言えなくても、いずれは……
ミンはダーリャの容態を確認する。
呼吸も脈も正常だし、怪我らしきものもなさそうだった。
ひとまずは安心して、あとは侍女を呼んでダーリャについているように頼んだ。
そして、ミンは家の中にいるであろう長老を探し始めた。
長老が目をかけている兵士がやったからといって、その首謀者が長老とは限らない。
ミンは自分の予感が外れていればいいと思った。
だが、ここ最近の長老はおかしい。
荒れていることも多いし、何かに怯えてるようでもあり、それでいて野心をぎらつかせてるようだった。
考えてみれば、キョウが金色の髪を失ってからそうなったように思う。
そして、奥の部屋でクスナの首を絞めている長老を発見するのだった――
* * *
ミンは慌てて、クスナの唇に唇を重ねた。
体内の毒を浄化するため。
苦し気にあえぐクスナ。
もがくように喉をかきむしる。その手を抑えるため手を添えた。




