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月色の砂漠~長老の野望~  作者: チク


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ため池へ訪問


 そこに家が一軒。そのそばに大きな水たまりのような……? 泉にしては何か違うように見えた。



 キョウの疑問に気づいたのか、グレスが説明する。


「あれが俺の家な。リゾの家みたいに泉はないし木も生えないから、ここはこんな砂漠なんだ。で、これはため池なんだ」

 ため池のほとりに女神像があった。



「せっかく来てくれたんだ。歓迎の挨拶」

 グレスは、キョウの水晶の部分に手を当て、魔法を注入した。

「はるばる来たのに蜘蛛のバケモノに食われそうになるなんてなー」


「近頃のアンドロイドは強くなるために自分で自分を改造してるみたいよ。あんな蜘蛛みたいのとか…… どうせならハンサムな見た目になってくれればいいのに」

 と女は説明する。

 それを聞いて、キョウは以前見たアンドロイドがヘビみたいな姿だったと思い出していた。



「新人さんなの?」

 女がキョウに近づき、水晶を覗き込む。

「一応、私も最高位なの。カーラよ」


「違う違う、キョウは最高位じゃない」

 グレスが言う。

「最高位じゃないけど、キョウは環境維持ロボを操れるんだ」



 カーラは、キョウという名前にぴんと来たようだ。

「キョウ? ひょっとしてキョウ・テセティア?」


 キョウは頷く。


「そう。あなたがね。やっぱり特別な人なのね」

 カーラの言葉をキョウは否定する。

 キョウ自身は別に特別な人間だなんて思っていない。



「レンが惚れるのもわかるわ」

 カーラは、キョウを持ち上げる。


「レンがごめんね。せめてのお詫び」

 カーラは、金色の水晶にキズをした。

 そこから己の魔力を注入する。


 キョウは硬直した。

 初対面の美女にいきなりそんなことをされるとは思わなかったのだ。


「気にしなくていいわ。今のあなたはロボットなんだし」

 だが気になってしまう。


「ちょっとした幸運のおまじないみたいなものよ。深い意味はないから」

「そうそう、この女は男に興味ないから……」

 と、グレスが軽口を叩く。


「え? 男にも興味あるわよ」

 理解できそうにない世界観の告白に、キョウは困ってしまった。


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