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「生暖かい風と何やら臭ってきたなぁと思っていたら、風上の方からまるで波のように幽霊や町の明かりが見えて来たんです。だからソルトに見張っているように言って、知らせに行ったんです。」
と、レイクが興奮気味に言った。
眼下に広がる光景はごくありふれた町の営みの、色合いがやや薄いと言うこと以外は正にそれである。
全員が圧倒され、しばしの間、誰も口を開く者は居なかった。
しばらくしてフレアが口を開き、
「敵意は感じませんし、下に降りてみませんか?たとえ襲われても、皆さん魔力のある武器を持っていますから、撃退は可能ですし。」
と言った。
「確かに攻撃の意志はなさそうに見える。だが一応試してみる必要はあるが」
丁度、階段下で動いている僧侶らしき幽霊を見かけたアランは、あごでその幽霊を指しながら言った。
全員頷くと、武器を一斉に構えて階段付近に陣取り、僧侶の幽霊が間合いに入るのを待つ。
そして、アランの合図で一斉に僧侶の幽霊を取り囲んだ。




