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 お湯につかるというのはかなりの贅沢で、水源が近い必要もあるし、火を起こす労力や材料も必要だ。

 幸いここは、湧き水から流れる水を誘導して大きな鍋に注がれており、鍋の水を沸かせばお風呂になっている石の穴にお湯が注がれる構造になっている。

 水の鍋への注ぎ加減が難しいが、うまく行けば一定量のお湯が注がれ続けるので、よく考えられた構造だ。


 毎日入浴できるのは王侯貴族ぐらいで、庶民は週1回が精一杯、通常は、お湯の入った桶で体を拭くのがごく一般的だ。

 

 しかしフレア達は、薪が無いとき以外はほぼ入浴しているので、入浴に関しては王侯貴族並みだった。


 フレアもしばらくぶりの入浴に、かなり満足していた。

 風呂からあがって来て、部屋に戻ろうと歩いていると、途中でラディッシュが壁にもたれかかりながら待っていた。


「長い話になるから、準備が出来たら私の部屋に来て。私は先に行って待ってる」


 ラディッシュは、一方的に言うと、返事も聞かずに部屋に戻っていった。


 フレアそれを黙って見送り、ふたたび歩き始めた。

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