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「きのうはお楽しみでしたね」
出発前、宿屋のおやじから言われたふたりは、慌て宿料を支払って宿屋を後にした。
今朝からふたりは、最低限の会話しかしていない。
端から見れば、仲が悪いと言うよりは、ばつが悪いようにしか見えないので、宿屋のおやじのセリフもまんざら外れとは言い難い。
ともあれ、本日の目標は、『勇者の洞窟』の入口へ行く馬車を探すこととラディッシュの服の受け取りだったので、ふたりはまず、服の受け取りへ向かった。
ラディッシュのドレスは、厳重な梱包されて渡された。
それを見たラディッシュは、一筆何かを紙に書き、それを商人に渡したのち、少し話をして店から出てきた。
あいかわらず、フレアは店の前で待っていた。
ふたりは合流すると、集会所へ向かって歩き出した。
集会所は町の入口にあり、情報交換や依頼を受け付ける窓口と、酒場などが併設されている施設だ。
商業が発達していない村などの場合は、酒場か宿屋がやっている事もある。
ここなら、目的地への馬車がでているかも知れない。
ふたりは集会所の扉を開けて入って行った。




