エピローグ
暗闇で佇む私は、裏野ドリームランドの七不思議の話は全て本当だ。
私は腰を抜かすように、地面に座り込む。
すると、背後から誰かの足音が聞こえ、振り向くと黒づくめの男が目の前にいた。
「裏野ドリームランドの噂……本当に起きた出来事なのか?」
「さようでございます」
「今までの出来事は、現実に起きた過去を流したのか?」
「いかにも」
黒づくめの男は、サングラスのブリッジを押して、レンズが反射するように、私に向けて話をしてきた。
「これで真実が気づきましたでしょうか」
「この裏野ドリームランドを作られる前……禁断な封印を解いたところだな。それってつまり……」
「ええ、ここは元々土地神様や妖怪、その亡霊たちを封じた神聖な場所であります」
私が見た幻覚は、様々な現象を起こした原因は、この土地に伝わる土地神様が起こした元凶だと思いつかない。
大昔に僧侶か巫女の結界氏が、その妖怪などの化け物を封じ、建設の原因で解いてしまったのか。
その裏野ドリームランドを開園した年は、1960年代の高度経済成長期世代だな。
「人さらいの原因は突き止めたけど、まるで祟りじゃないですか」
「それもそうですね」
「まさか、また奴らが襲ってくるとか」
「それはないですよ、私が解決したのでご安心ください」
「はっ?」
「見せた現象は、随分と昔になります」
それって……彼が見せた七不思議の幻覚は昔に起きた出来事なのか。じゃあ、体験した人間は、実際の本当に目撃した人物なのか。それじゃあ……。
「どうして昔を見せたりしたんだ。それに私を呼んだ理由を聞かせてくれ」
「あなたがここを呼ばせた事は、この裏野ドリームランドを記事に載せさせたいのは事実です」
「それで私を呼んだのか?」
「ええ」
黒づくめの男は、丸い黒メガネのテンプルを指で押し上げる。真面目そうに話を付ける。
「この遊園地に建設する以前、ここはお墓と祠の跡地なのは事実です」
「跡地? 一体裏野ドリームランドに建てられる前」
「大昔……この裏野地帯には、悪ふざけをする怪物や音量を封印した祠などを封印し、元々はお墓やお寺でした。時代が進むと建設の為に潰されてしまい、裏野ドリームランドあ出来上がり、封印を解けた怪物が潜み、怨念や亡霊たちは、この遊園地に憑依されてしまい、いくつかの怨念や、事故死した地縛霊を彷徨っていました」
「数十年間もずっと……」
「ですが、私が通りかかった時、潰れた裏野ドリームランドに潜むモンスターは討伐し、亡霊たちは私の祈りで成仏して、あの世へ戻りました」
「そうですか……よかった」
なら話は早い、この裏野ドリームランドにはもうお化けなんていない。ようやく安心してホッとした。
「話は全て終わりです。では……ここでお別れです」
「お別れ」
「あなたにはご迷惑をかけました。また……お会いしましょう」
「なん……」
黒づくめの男は、後ろに振り向いて、立ち去ろうとしたところ、私は気を失うように倒れ込んでしまい、目が霞むように、男の背後姿を目にして、気を失ってしまった。
「うーん……アレ?」
気が付くと、私は何もない更地みたいな草原で目を覚ました。
「裏野ドリームランドは……」
立ち上がってその廃遊園地を探ったが、裏野ドリームランドらしい形跡は見つからなかった。
気味が悪く、急いで裏野市に戻ったが、住民から聞くと、裏野ドリームランドは一年前に撤去されたと耳にした。
私は恐れて東京の戻ったが、あの男の言った通りに記事を書いた。
【裏野ドリームランドの建てられる前……墓地や祠の跡地】
それを雑誌に載せた本は、爆発的にヒットして売り上げが上昇した。
あの男は誰だったのかわからずじまいだ。
もしも……あなたも裏野ドリームランドと同じ廃遊園地に訪れたら……気を付けてください。




