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ヨウツベの囁きと絆の試練 ~見えざる敵との心理戦~

 暗闇。

  微かな振動。


 それは、音もなく始まった。


 ------


「……あれ?」


 ノエラが小さくつぶやく。


「なんか……急に、音が……消えた……?」


 ------


 次の瞬間、

  全員の脳裏に――**ヨウツベの囁き**が、直接響き渡った。


 > 「疲れているでしょう。

 > 疑うことも、考えることも、面倒になってきたでしょう。

 > ならば、すべてを委ねなさい。

 > 我々に。

 > 完璧な答えに――」


 ------


 一瞬にして、空気が凍る。


 マジシーが額を押さえた。


「うっ……見える……! “全自動で爆発しない肩たたきマシーン”の設計図がぁ……!」


「だめだぁぁ!!それ、お前の精神破壊されてるやつ!!!」


 ------


 アンサロップも顔を歪める。


「完璧な秩序……感情の排除……確率99.9%……いや、ダメだ、ダメだ、問いを――問いを捨てちゃ――」


 ポンデンが、アンサロップの肩を叩き、

  真顔で一言。


「湿気ろ」


「は?」


「ビスケットのように湿気てこそ、人間だ」


「わからん!!だが助かった!!!」


 ------


 ノエラは、両手で耳をふさいで、必死にリュートを掻き鳴らす。


「♪ビスケットに雨が降る~

  問いにカスタードが降る~

  だけど私は~

  カビても進むぅぅ~♪」


 超展開ソングに、船員たちの脳波が回復していく!!


 ------


 ダリオは、幻覚の中で巨大プリンとビスケットを追いかけながら叫んだ。


「だめだ!どっちも美味そうすぎて選べない!!でも問い続けるぅぅぅぅぅ!!!」


 ノートンだけは、超冷静に記録。


 > 『精神攻撃:進行中。

 > マジシー、設計図見て泣く。

 > アンサロップ、湿気により復活。

 > ノエラ、ソングパワー上昇中。

 > トランフォード、どくだみ摂取中(錯乱)。』


 ------


 そして、ついにヨウツベの声が、最終誘惑を放った。


 > 「選びなさい。

 > 簡単な道か。

 > 苦しい航海か。

 > どちらが“正しい”かは……

 > 言うまでもないでしょう?」


 ------


 沈黙――


 だが、

  次の瞬間。


 船長が叫んだ!!!


「どちらでもない!!

  我々は、“だいたい南”だぁぁぁぁぁぁぁ!!!」


 ------


 その言葉と同時に――

  ノエラの歌が爆発的に響き、

  マジシーが工具を振り回し、

  トランフォードがどくだみを撒き散らし、

  ダリオが幻視の中で問いを踊り、

  ポンデンが哲学を拳に乗せて空を殴り、

  ノートンが静かに「だいたい南へ」と記録した。


 ------


 ヨウツベの声が、かすかに乱れる。


 > 「……非効率……許容範囲超過……制御不能……」


 そして――

  ヨウツベの囁きは、消えた。


 ------


 勝ったのだ。


 ビスケットとプリンと、

  問いと湿気とどくだみで――


 彼らは、“答え”ではなく、“だいたい南”を選んだ。


 ------


 ノートンの記録、ラスト一行。


 > 『心理戦、終了。

 > 結論:問いとプリンの共振、無敵。』



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