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久しぶりに二人きり

今日で本作が一周年を迎えました。亀更新なのであまり進んでいませんが…。

これからもよろしくお願いいたします。

ソウ君との勉強会?からはや数時間。私の数学の宿題もそろそろ終わりが見えてきた。

窓から見える景色は少しだけ茜色に染まってきている。


「ソウ君、今どれくらい進んだ?」

「俺か?後…二、三ページで終わるがどうかしたのか?」

「私ももうすぐで終わるし、終わったらアイス買いに行かない?」

「そうだな。終わったら買いに行くか」


やったー!そうと決まればさっさと終わらせよう!

お昼はパン一個だったからおなかすいてきたんだよね。あ、いつもこんな感じの食事じゃないんだよ?動かないし、家で一人だから食べないだけであって、学校がある日とか家にお母さんかお父さんがいたらちゃんと食べるし…。


と、モダモダ考えていたら、宥香?と声をかけられた。どうやらシャーペンが止まっていたらしい。


「どこかわからないとことかあったのか?」

「あ、ううん。大丈夫!ソウ君から教えてもらったところだから」


早く終わらせるために集中せねば。



そこから程なくして私たちは宿題を終わらせた。

まぁ、残りのページは少なかったしそんなに時間はかからなかった。


「んー!終わったぁ」


伸びをして後ろに倒れこむ。そんな私に、ソウ君は笑いながら、アイス買いに行くんじゃなかったのか?と言いながら私の手を軽く引っ張り起こした。


「準備するからちょっと待ってて」


夏だし、日焼け止めを塗らないと。通学用のカバンから日焼け止めを取り出す。家からコンビニまでは徒歩十分圏内だけど、外に出るからにはちゃんと塗らないとね。だって焼けたくないもん。


日焼け止めクリームを腕に丁寧に塗り込む。この日焼け止め、クリーム状じゃなくて乳液状だから油断するとすぐ流れ落ちちゃうんだよね。

えっと、塗る場所は……腕と手のひら、脚全体と首、顔かな。

塗っていると、ソウ君から声をかけられた。


「あー、俺ちょっと財布取りに行ってくるから」

「え、私ソウ君の分奢るつもりでいたんだけど」


だって、数学教えてくれたし。自分の宿題をする時間を割いて私に教えてくれたんだよ?なにかお礼をしないと気が済まない。ささやかすぎるお礼だけど。


「いつもお世話になってるし、だから、ダメ?」


床に手をつき、にじり寄りながらじぃっとソウ君の目を見つめる。

見つめ合うこと数十秒間。折れたのはソウ君だった。


「はぁ…。わかった。今日は宥香におとなしくおごられます」


やった。私の粘り勝ち!



もろもろの準備が終わって玄関に行こうとしたら、ソウ君に上着は着ないのかと聞かれた。


「へっ?着ないけど、どうして?」


えー、だとかあー、だとか口をもごもごしているソウ君。

このTシャツ、袖自体がフリルになってるから上着を着たらおさまりが悪くなるんだよね。

……あ、そういえば、これ腕をあげたら中が見えるから気をつけなさいってお母さんにいわれてたんだった。

仕方ない。カーディガン着ていこ。確か紺色の薄手のやつがあったはず。


「やっぱ、上着着てくるね。ちょっとだけ待ってて」


二階からカーディガンを持ってくる。それを着てスニーカーを履いて。

さぁアイスを買いに出発だ!



コンビニまでの十分間をソウ君と並んで歩く。


「なんか二人きりで歩くのって久しぶりだねー」

「あぁ、夏休みで学校がなかったからな」

「ソウ君は夏休み何してるの?私は真悠子と麻依ちゃんと遊びに行ったんだー」

「俺は瀬古と出かけたり、あとは課題を片づけたりしてるな」


瀬古君と遊びに行ってるのか。なんでだろ。なんか、少し、

「……寂しいなぁ」

「え、それ、どういう…」


「あ、ソウ君。コンビニ見えてきたよ」


私は、早く行こうと言いながらソウ君の背中を押す。

さっきの言葉は忘れてしまった。



お店に入ってアイスコーナーを目指す。何にしよっかなぁ。

ずらりと並んだアイスを見てどれを選ぶか悩む。

「ソウ君はどれにするか決めた?」

「えっ!?……あ、俺はこれにする」


さっきから顔が赤いけど、どうかしたんだろうか。日に当てられたとか?ここまでの道は私に日陰を歩かせてくれたし…。

ソウ君が選んだのは棒付きのコーヒー味のアイスだった。あ、私もこれ好き。

ソウ君のアイスと私のアイスをもってレジに並ぶ。ちなみに私が選んだのはクレープ生地にアイスクリームが挟まってるやつ。


レジを済ませて外に出る。近くに公園があるからそこで食べることになった。クーラーの効いてる部屋で食べるのもいいんだけど暑い中で食べるのはもっとおいしいと思う。個人的にだけど。


公園のベンチに並んで腰かけ、アイスを食べる。もちもちのクレープ生地がおいしい。

食べているとふと、横から視線を感じた。

横―ソウ君を見ると私をいや、アイスか?を凝視している。


「んと、ソウ君?どうかした?もしかしてこれ食べたい?」


ソウ君の方へまだかじってないところを近づける。

ソウ君はおずおずと私の持つアイスの方へ口を近づけた。


「ん。うまいな。ありがと」


ニコニコと笑うから私の顔が赤くなる。顔がいい人のニコニコ笑顔は心臓に悪い……。


「ほら宥香も」


そういいながら私に差し出す。

いつもは苦みを感じるはずのコーヒー味は、なぜか、少し甘く感じた。


宥香ちゃんがカーディガンを取りに行ってる時の奏太君の心情↓

(宥香が上着を着てくれるようになってよかった…。服から伸びる腕や脚を、いや宥香の肌を他人に見せたくない。俺が思ってるほど人は他人のこと見ていないって理解ってるけど!ていうかなんだ!「肌を見せたくない」って!俺はただの幼なじみなのに!こんなんじゃただの変態だ!)


違う視点はムツカシイ……。

ちなみに宥香ちゃんの「寂しい」発言は無意識。

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