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ドか盛り極太ラーメンあぶらかため毒マシマシ  作者: 夜野舞斗


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3/3

解決編 でか盛りラーメン真実マシマシ

「犯人は貴方ね! 麺づくりのメンちゃ」


 知影探偵が今まで疑っていないとの理由で勝手に告発を始めてるから、妨害して、と。


「この事件の犯人はアンタなんだよ。スープづくりのアンタしかいないっ!」


 知影探偵が酷く苦い顔をして、こちらに異議を申し立てる。


「ちょっ、さっき否定されてたの忘れたの!? 毒を入れて、上だけ確実に救う技術なんてないって! 蒸気で苦しくなるって!」

「それ、僕が言ったことなんですけど……そっち忘れてたんです?」

「じゃあ、猶更おかしいじゃないの!」


 スープの彼も、だ。「それだけ言うなら、さっき入れた調味料に毒が入っていたかどうか確認するか?」と。


「そんなことをしても毒は見つかりませんよ。そこに毒は仕込まれてませんし」

「じゃあ、何で……」

「貴方の接客にあり、ですよ。結局、何を入れたとしても、何処に混ざるかなんて運次第。スープと言えど、他の誰がこっそり混ぜてしまうかもしれない。そもそも、例えスープに入れようとも、入れる順番が変だったら……おかしいだろ? 例えば、僕、後から来た被害者、知影探偵の順番で座ったとして。スープに調味料を入れる際、後から来た被害者を優先してスープを入れたらおかしいし。逆に途中で変な調味料を入れたら絶対目立つし」


 言われて知影探偵はクレームの思考をする。


「確かにそれだとわざわざ後から来た人を何で優先するって疑念が起きて。事件が起きたとなれば、わざわざ優先してた人に対してやってたら……疑われるわよね」

「でも、それを自由自在に自然にできる人がいます」

「あっ、それが……接客兼スープ担当の……!」


 僕は頷いて、知影探偵と共に前を向いた。見据えるはこの事件の真犯人。


「アンタになるって訳だっ!」


 例え奴が鬼面の顔をしたとしても、関係ない。例え僕が嫌いな探偵になったとしても構わず、相手の罪に喰らいつく。


「じゃあ、何処にあるってんだよ!? 結局毒はどうやって入れたってんだよっ!? 接客だから箸や水に入れてその場所にわざわざ誘導したとでも言うのか!?」


 僕は首を横に振る。


「混じってるものに関して、そう多く毒を入れるのはあまりに危険すぎる。こちらも危険な懸けになるだろうな。でも、僕達が食べないようなもので、被害者だけが食べるようなものに入れておくって言うものに毒を入れておけば……?」


 知影探偵が呼応している。


「ワタシ達が食べないようなもの……?」

「ええ。正しくは水のコップや箸のように無数の中からどれを選ぶか分からないようなものじゃなく、一人が一人が使っていれば分かるようなもの。最悪、別の人間が使おうとしていたら止めればいいし。客が勝手に入れた無差別テロにも見せかけられるっていう利点がある」

「となると、それって……卓上調味料の中にあるっていうの……?」


 僕はまた首を振って、たった一つの可能性を指差してみせた。


「ああ! この調味料だよ。象の絵の調味料だっ! アンタはこのにんにくの前に被害者を誘導したんだよっ!」


 知影探偵がパカッと中を開ける。


「中身は……あれ? にんにく? あれ、でもなんかおかしいような。被害者が使うはずがないんじゃ……」


 無言になっていく犯人。

 それに関し、喋り数が多くなっていく知影探偵。僕は彼女のツッコミに対し、答えていく。


「被害者は人に会いに行くって話をしているからって話ですよね」

「会いに行く……そうね。それなのに、にんにくなんて入れるはずが……」


 犯人が「そ、そうだ」と便乗しようとするところで。


「エレファントガーリック。象の絵が描いてるっていうことはそういうことだよな?」


 メンちゃんの方が「ああ……」と。当然、たぶん聞いたことのない話に首を傾げる知影探偵に説明しておかねば。


「無臭にんにくとも呼ばれる品種なんですよ。だからにんにくを楽しみたい、けど、その後に予定があるなんて人にピッタリで。当然、オーナーなら知っていたから間違いなく使ったんじゃないでしょうかね……逆に僕達はにんにくマシマシを選んでいるから、そこからバッと使うことはないと予想したんでしょうね。まっ、関係のない僕達が使おうとしたら、ただいま量が少ないとか、慌てて溢すとかして誤魔化そうとしたんでしょうね。まっ、そもそもオーナー以外の客が来ることが予想外だったのかもしれませんが……まっ、こうやって僕が来て。一瞬で現場を仕切ってしまうこと以上に予測できることはなかったんだろうな……」


 僕がギラリと睨みつけると、スープの男は「しょ、証拠が……証拠が……」。


「何ならアンタの指紋以外が出るかどうか確かめてみようか? それとも、毒の入手経路について調べてみようか? 警察が来る前に自首した方が罪は軽くなると思うんだが、な」


 と更に言ってみせると奴は項垂れて、泣き言を。


「だってだって……! アイツが悪いんだよっ! アイツが! この店を潰すっていうんだから……! だから! だから!」

「……その前にアンタのその食べ物に毒を入れるなんていう腐った根性から叩き潰した方が良かったと思うんだが……な」


 その後はすぐに警察が飛んできて、犯人はすぐ罪を認めることにしていた。他の二人は身内が犯人だったこともあり、かなり落ち込んでいたのだが。

 「アイツらのために……アイツらのために……何とかまたパフォーマンスを考えなければ……」と。このやり方で失敗しているというのに懲りて無さそうだ。

 被害者はと言うと救急車が来て、急いで胃を洗浄したことによって命に別状はないとのこと。ちなみに「アイツら絶対飲食よりも別の仕事が向いている」とか何とかぼやいていたとか。

 色々終わった後の帰り道で知影探偵が呟いていく。 


「はぁ、今日も散々だったわね。でか盛り系ラーメン殺人未遂事件だなんて、なかなかないわよね……」

「ああ……もうデカ盛りラーメンはしばらく見たくない」

「しっかし、そうなるとワタシ達何も食べられなくならない? 食べ物関連の事件なんてざらにあるし……!」

「じゃあ、何を食べろと」

「逆にもう食べよう! 今からデカ盛りラーメン巡りに行くわよっ! 今度こそ大食いインフルエンサーでバズってやるんだから!」

「ちょっ、今は事件だけでお腹いっぱいなんですけど! まだ行くのっ!?」

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