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第7話 (仮)パーティ

 リアナは寝癖のついた髪を手ぐしで整えながら、布団の上にちょこんと腰を下ろしていた。

 窓から差し込む朝日は柔らかく、ぐっすり眠れたおかげで体の重さはすっかり抜けている。


 階下からふわりと香ばしい匂いが漂ってきた。


「……パンの匂い。うん、悪くない朝」


 軽く頬を叩いて気合を入れると、顔を洗って身支度を整え、階段を下りていく。


 食堂では、すでにセイとミミが並んで朝食をとっていた。

 ふたりとも腰に荷物を提げ、今すぐ出発できそうなほど準備が整っている。


「おはよう、リアナちゃん!」

「おはよう……ふたりとも、早いわね」

「む。ミミがのう、朝から弁当まで作りおってな」

「えへへっ。今日も何があるかわかんないし! 準備は大事だよ!」


 胸を張るミミに、セイが「まったく元気なやつじゃ」と肩をすくめる。


 その様子が可笑しくて、リアナは思わず微笑んだ。


「ほんと楽しそうね、ふたりとも」


 三人で同じテーブルに並び、昨日の出来事や今日の予定を話しながらパンをちぎる。

 宿の穏やかな朝の空気が、時間までも緩やかにしてくれるようだった。


「そういえばリアナちゃん、今日は予定とか大丈夫なの?」

「うん。報告書は昨日のうちに出したし。今日は自由行動」

「そっか、じゃあゆっくりできるね!」


 ミミがにっこり笑う。

 リアナもその笑顔に釣られ、頬をゆるめて軽く伸びをした。


「……こうしてのんびり朝ごはんなんて、久しぶりかも」

「えへへ、そういう日も大事だよ!」


 ミミの満面の笑顔に続いて、セイが心配そうに問いかける。


「……にしても昨日はけっこうな怪我を負っておったが、大丈夫か? 調子はどうじゃ」


 リアナはパンをかじりかけた手を止め、横目でじろりと睨む。


「これくらい、平気よ。騎士なら普通のことだし」


「そうか。ならええが……無理はするなよ」


「なっ……その言い方、いつも私が無茶してるみたいじゃない!」


「昨日はわりと、しておった気がするのう」


「っ……あれは状況がそうさせただけで!」


 むきになるリアナの横で、ミミがにこにこと身を乗り出す。


「えへへ、リアナちゃん、頑張ってたもんね♪」


「ミミさんまで……もうっ!」


 リアナはぷいっと顔をそらし、頬をほんのり赤く染める。

 セイは肩を揺らしながら苦笑し、パンをひと口かじった。


 そんな調子で軽口を交わしながら、朝食の時間は賑やかに過ぎていった。


 片付けを終えると、セイとミミが荷物を手に立ち上がる。


「さて――そろそろ行くとするか。朝のうちに動けば依頼も取りやすいじゃろう」

「うんっ、準備ばっちり!」


 二人は軽く荷物を確認し、宿の女将に挨拶して外へ出た。


 冒険者ギルドの掲示板は、朝から依頼を探す冒険者たちで活気に満ちている。


「ん、これは……祠の調査依頼か」


 セイが一枚を抜き取り、目を通す。


「精霊の祠? 山の方にあるやつかな? 最近、変な光が見えたって噂の……」

「遺跡調査か。そろそろ本格的な依頼にも慣れておきたいところじゃな」


 そんな会話をしていたとき、背後からおずおずと声がかかった。


「よければ……その依頼、私も一緒に行かせてもらえるかしら?」


 振り返ると、リアナが少しうつむいて立っていた。

 頬を赤らめ、真剣な瞳をこちらに向けてくる。


「昨日のことも……ちゃんとお礼がしたいし。それに、見てて危なっかしいところもあったし……こう見えて結構強いし」


 どこか不器用な言い方に、セイがじろりと目を細める。

 ミミへ向ける柔らかさとは違う、妙によそよそしい距離感が逆にわかりやすい。


(……なんじゃ、無理にツンデレ属性をねじ込もうとしておらんか?)


「……ほほう? それは頼もしいのう」


「か、勘違いしないで! べ、別にあんたのためってわけじゃ……ないんだからっ!」


「うんっ! 一緒に行こ、リアナちゃん!」


 ミミが勢いよく手を取ると、リアナの表情もゆるみ、うれしさを隠しきれない声がこぼれた。


「……ありがと。よろしくね、ミミさん」

「えへへ、任せて♪」


 三人は依頼票を手にカウンターへ向かい、受付嬢カレンに声をかける。


「すまぬ。この《精霊の祠の調査》、まだ受けられるかの?」

「はい、受注可能です。本日はお三方でよろしいですね?」


「うむ。まだ正式なパーティではないが、今回はこの三人で行くつもりじゃ」


「かしこまりました。それでは代表者の方、こちらに署名をお願いします」


 セイが筆を取り、さらさらと署名する。

 カレンが確認の印を押し、依頼票を返却した。


「登録完了です。どうかお気をつけて」


「感謝する」


 三人は準備を整え、(仮)パーティとして北の祠へ向かうことになった。


 目的地はルキア村から西へ少し離れた山中の古い祠。『古の精霊を祀る場所』なんて伝えられているが、最近は夜に怪しい光が見えたり、獣が暴れたりと妙な噂が絶えない。

 魔力の異常や魔獣の巣の兆候がないか、調査が求められていた。


 林道を進む途中、セイがふと口を開く。


「そういえば、リアナ。おぬしはスキルや魔法は何か使えるのか?」


「一応あるわよ。攻撃系だけどね」


「ほう……少し探らせてもらってもよいかの?」


「……《魔法適性鑑定》? いいけど……変なとこまで覗かないでよね」


 リアナが少し警戒しつつも頷くと、セイは手をかざし、《魔法適性鑑定》を発動した。


【対象:リアナ】

 ・属性傾向:雷/風

 ・適性魔法:貫通・麻痺・加速

 ・覚醒状態:部分覚醒(身体能力がわずかに強化)


「……おお、なかなか攻撃寄りじゃな。雷と風……身軽さを活かすタイプか」


「まあ、そんなところ。正面から押すより、動き回って一撃を入れる方が得意なの」


「かっこいい……!」


 ミミがぽそっと呟くと、リアナは思わず口元をゆるめ、そっぽを向いた。


「……っていうか前から気になってたんだけど」


 リアナがじっとセイを見つめる。


「なんであんた、そんな年寄りくさい喋り方なの? 別に貫禄があるわけでもないのに」


「おお、よう気づいたのう。これはな――」


「えへへ、セイの正体はね、中身おじいちゃんなんだよ!」


「……は? 中身が……おじいちゃん?」


「うんっ。むずかしいことはわかんないけど、本当はおじいちゃんで、でも今はこうなってるの!」


「……はあ。説明になってないですよ、ミミさん」

 リアナは呆れ顔で眉をひそめる。


「世の中にはな、深く考えんほうがええこともあるんじゃ」


「それが一番怪しいんだけど……」


 ◇ ◇ ◇


 祠は森と山の境目にひっそりと佇んでいた。

 古びた石造りの鳥居がぽつんと立ち、苔むした石段は長く手入れされていないことを物語っている。


「うわぁ……なんか雰囲気あるね。本当に何か出そう……」


 ミミは鳥居を見上げ、思わず肩をすくめた。


「祠の調査といっても、実質は遺跡探査じゃ。魔物や罠が潜んでいても不思議ではない。気を緩めるなよ」


 セイは腰の短剣に手を添え、警戒を促す。


「了解っ。リアナちゃんも、足はもう平気?」


「うん、ありがとうミミさん。もう痛みは全然ないわ」


 リアナは軽く足踏みして見せ、微笑む。ミミも安心したように頷いた。


「よーし、それじゃあ行こう!」



────────────────

▼ステータス情報


【名前】セイ

【年齢】25(肉体年齢)

【職業】テンプレ詰め込み勇者

【レベル】7

【スキル】生活知識大全/魔法知識大全/発想展開/世界法則書き換え/時間停止/運命介入/魅了体質/加齢無効/無限成長/強制ハーレム誘導/おじいちゃんの優しさ(ヒロイン全員好感度+100)/威圧/加速支援/魔法適性鑑定


【同行者】

 ・ミミ(記憶喪失の少女/推定15歳)

 - 好感度:ちょい高(お弁当を作るくらいには)

 - 能力傾向:回復系(第一段階覚醒済)/ヒーラー適性あり

 - 状態:衣服・装備も整い、体調良好!

 - 補足:リアナと女子会的交流イベントが継続中。回復魔法と補助魔法を覚えてテンションMAX


 ・リアナ(元騎士団の見習い/18歳)

 - 好感度:中(感謝はしてるがうまく表現できない)

 - 能力傾向:攻撃系(雷・風属性)/貫通・麻痺・加速タイプ

 - 状態:森での負傷は回復済。結構高そうな銀の胸当てを装備

 - 補足:セイにはツンツンしてるが、ミミには必要以上にデレている。根は素直。


最後まで読んでいただき、ありがとうございます!


もし少しでも「面白い」「続きが気になる」と思っていただけましたら、

ブックマークや感想で応援していただけると嬉しいです。泣いて喜びます。


もちろん「面白くなかった」などのご意見も大歓迎です!

しっかり次につなげるべく、泣きながら執筆します。


それと、本作とは少し雰囲気の違う シリアス寄りのファンタジー作品

『暁のアストラニア』( https://ncode.syosetu.com/n2326kx/ )もぜひぜひ!


気分転換に「じっくり読める作品が欲しいな」と思ったときにでも、

ふらっと覗いていただけたら、すごく嬉しいです。


皆さまの感想が、何よりのモチベーションです。

それでは、次回もぜひよろしくお願いします!

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