12話 起床(2つの意味で)
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あぁ……まただ。またあの感触が右腕にある。柔らかく温かい『何か』がまとわりついてるんだ。
だが、2度目ということもあって心を乱すことはない。その正体を知っているからだ。
とはいえ、別の意味で心を乱されそうになる。それが何故なのか、俺にも理解できないが……。
とにかく、今すぐに抜け出さなければ。このままでは、本当にマズい。
そう思い、ベッドから体を起き上がらせようとした瞬間――
「ジュジュさん! その男は起きましたか……って何をしているのっ!?」
ドアが勢いよく開け放たれて、騒がしい女が部屋の中にズカズカと入ってきた。
うん、不法侵入だ。訴えてやる。しかも、俺はこの声に聞き覚えがない……のにも関わらず、名前を知られている。
……ストーカーか?
という冗談はさておいて……
「……って、痛い痛い痛い痛い!」
どうやら、その女は俺の右腕に抱きついているジュジュを引き剥がそうとしているらしい。
しかし、ジュジュは離れる気はないようで、俺の右腕にしがみついてくる。
そのせいで俺の右腕が引っ張られることになり、痛みが走ったというわけだ。
「ジュジュさん! 早くこんな男から離れて! 穢れてしまいますよ!」
……あぁ? 今、コイツなんて言った? 俺から離れないと、穢れるって言ったよな……?
……もう許さん。人の家に不法侵入した上に、俺のことを侮辱するとか……女でも許さん。
俺は布団を勢いよく蹴り飛ばし、そのままベッドから体を起き上がらせて、
「誰がケガレだ、ボケ! それに人のこと言えないだろ! このストーカー!」
と、寝起きにしては元気な暴言を吐いてやった。
「……ぁ、あぁぁ……っ」
……フッ、勝った。
どうやら何も言い返すことができないらしい。というか、言い返す言葉が存在しないだろうな。
だって、明らかにコイツが悪いし。俺、何も間違ったこと言ってないしな。
そう思いながら、何も言い返すことができず自分に腹を立てて震えているだろう女の顔を見た。
「……あれ?」
すぐさま俺は違和感を覚えた。たしかに目の前にいる女は震えてはいる。顔を真っ赤にして……。
だが、どうにも自分に腹を立てているというわけではないように思う。
目尻に涙を溜めているし……。
すると、俺――というか、俺の下半身を震えた指で指差しながら、女はこう言うのだった。
「……や、やっぱり穢れてるじゃない! この、変態! 露出狂! 女の敵ぃぃぃぃぃいいいいいぃぃぃぃぃ――ッッッ!」
そして、すぐさま
「襲われるぅぅぅぅぅうううううぅぅぅぅぅ――ッッッ!」
と、叫びながら部屋を飛び出していった。
「ったく、騒がしいやつだな。一体、なんだったんだ?」
俺の下半身を指差して、変態だとか露出狂だとか……。本当に失礼なやつだ。
露出狂は俺の隣で寝てるだろうが……そう思いながら、下半身に目を落としたのだが……。
「……わぉ…………」
そこにあったのは、なぜかパンツを脱がされ露わになった俺の――キノコだった。
しかも、そのキノコは天にも届きかねないほどに直立していて……。
「……たしかに俺は露出狂なのかもしれないな」
そう、しみじみ思うのだった。
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