第1話 闇から現る謎の女性
ツバキに気絶された光が目にすることになる光景は一体何なのか?
謎と真実が明かされる最終章の幕がついに上がります!
では、本編へお進みください。
ツバキに気絶され、目を覚ますと辺りが真っ暗な街が広がっていた。そのせいか立ち並ぶ家々はどこか禍々しい雰囲気をかもし出していた。
「くそっ・・・痛てて・・・あいつ、なんなんだ。で、ここはどこだ。」
気絶していたせいなのか重りを背負ったような体を必死に動かして辺りを散策してみるがここの住民には誰一人出会うことはなく、禍々しい雰囲気ゆえに自分は死んでしまったのではないかと錯覚しそうにもなった。
近くに街の名前を指すような看板が立っており「シュヴァルツェ」と記されていた。
そして、我に帰るように忘れていた頭の装置を外してみた。目の前に広がっていたのはゲーム開始時に指を傷つけた時に落ちた血の跡くらいで増えたものはなかったのだが、1つ、違和感があった。前よりも断然、部屋が大きくなっているような気がした。
いや、気のせいではなく確かに広くなっている。
「一体、何がしたいんだ! ふざけるな!」
もうその時には何が何だか分からず正確な判断ができなかった。そして勢いに任せて持っていた装置を床に投げつけ、後ろの壁に殴りかかるが、思っていたような硬い感触ではなく、誰かに受け止められたようなものだった。
混乱しながら、頭の装置を付け直してゲームの世界に戻った。
目の前に現れたのは先ほどの禍々しい家々ではなく、長髪の女の人が目の前に立っていた。
この何もない街に人がいたのか・・・少し安心した。
「いきなり、殴りかかるからびっくりしたよ。助けようとしたらいきなりそんなことをするんだもん。やっぱりこの街は物騒だなあ。」
片手を振りながら話す姿や口調は、驚いたようには思えない面影だった。
しかもこの女の人、僕の拳を片手で受けたのか・・・自分で思うのも変だが、かなりの威力だった気がしただけあってこちらの方が戸惑いを隠せない。
「悪い・・・色々あって。殴りかかったのは悪かった。気になることがあるんだが、もしかして僕の攻撃を片手で受け止めたなんて言わないよな。」
「え? 片手で受け止めたよ。何か悪いことでもあった?」
「特に問題は無い。それで、君は何者なんだ?」
「名乗ってもいいけど、相手に名前を訪ねる時は自分から話すべきだと思うけどなあ。」
確かにそうだ、少し礼儀がなっていなかった。僕はツバキのこと、これまでの経緯を全て話した。
「そうだったのか。それは大変だったね。では、私の名前はミクマリ! セイントって言う光を司る街がこの街に隣接しているんだけど、そこの警備隊として活動しているの。」
「ってことは、この街はなんてところなんだ?」
「ここは、今の話でわかると思うけど闇を司る街、名前をシュヴァルツェ。光と対になるところなんだ。前まではこの2つの街は1つの街として共存していたんだよ。でもつい最近、いきなり街の半分を闇が包み込んだ。たちまち街は分断って感じさ。」
なんとなく理解できた。莫大な力が街の半分を飲み込んだ。
この出来事、やはりガーファレンの仕業なのか?
そして、ツバキは一体なんなのか・・・疑問は片付かない・・・
「ちょっと2つほどいいか?」
「いいよ。なんでも聞きたまえ。」
「大変言い難いんだが・・・あのだな・・・・」
「何? そんな言いにくいことって・・・」
「制服のズボンのチャック・・・開いて、パンツ見えてるぞ・・・」
ミクマリは、顔を真っ赤にしてチャックをあげた。ツバキよりもずっとこんな子が案内役ならばよかったのに・・・
さっきの話からずっと気になっていた。女の人のズボンのチャックが開いているのは初めてみた・・・別に下心とかは全くない。ただ気になっただけだ。
「あっ・・・君・・・私はとんだ変態を助けたようだね。」
「いや、男ならまだしも、女なんだからそれくらい気をつけろよ。」
僕は悪くないはず・・・
「よし、仕切り直して次は何かな?」
「あ、ああ。君の目的はなんだ? それと2つに分断した街のことを詳しく教えてくれ。」
質問を投げると、途端にミクマリが不満げな顔をしてこちらを見てきた。
「それじゃあ、3つになるじゃん。」
確かに・・・少し、笑いが込めあげてきた。
「ま、いっか。じゃあまとめて話すよ。2つに分断された際に生まれたシュヴァルツェは最初は音沙汰もない、ただの街だったの。ところが数日経った時、亡霊とかが現れるようになって治安は悪化。誰も住まなくなってしまったの。しかもこの街を統括すものも現れて事態はさらに悪くなる一方。そこで私がその統括する人物を倒すことになったの。そしてこの街を解放して元の姿に戻すことをセイントのトップから命じられたんだ。」
ミクマリが言うに分断されて光と闇に分けられた街をセイントのトップがここを解放して全てを統括するためのお膳立てをするというような趣旨だ。
「その光の街のトップって誰だ。」
「2つって言ったのにどんどん質問が増えていくね。君、面白い子だね。それならもう何個とか言わなければいいのに・・・」
僕の悪い癖だ。カッコつけて何個とか限定するのだが気になることは全部聞いてしまう。そろそろ直さないと。
「しょうがないな。この際だから後から質問されても面倒だから答えてあげる。じゃんじゃん質問してきたまえ。でも悪いんだけど、光の街のトップについては秘密事項なんだ。ごめんね。」
いいやつだ。でも、ならず者が街のトップを聞くなんて少し非道だった。しかし、せっかくだから気になることを洗いざらい聞いてみよう。
最初はミクマリのことについてだ。前にツバキから聞いたのだがこのゲームをクリアするためには5つの宝玉を集めることであの、ガーファレンを倒すことができる。
宝玉の回収についてはやっとゴールが見えた。ということは今までの流れならミクマリの任務って・・・
「じゃあ言葉に甘えさせてもらうよ。お前の任務についてだが、もしかして宝玉の回収か?」
その質問にわかりやすく、動揺し始めた。
たしかにそんな質問がくるなんて思わないだろう。
「すごいね。正解だよ。なぜ君が宝玉について知っているのか気になるところだけど、今はいいや。実はもうここの解放は終わっているはずなんだよ。」
「は? それはどういうことだ。」
ミクマリからの思わぬ言葉に驚きを隠せなかった。
もう宝玉を持っているということは、ミクマリから力ずくで取れば良いということか。いや、ミクマリの話を聞いた限りでは宝玉を回収すればこの街の闇も晴れるはずが来た時からこの禍々しさは全く変わっていない。
もう少し話を聞く必要がありそうだ。
目を覚ました光が目にした光景は一面に闇に覆われた街だった。
そこに現れた謎の女性、ミクマリ。
彼女は一体、何者なのか
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では、また違う物語でお会いしましょう!




