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モブですらない俺が陰の英雄とされて困っています〜魔導科学の暗躍者  作者: 高麗豆腐
〜第一章〜ゲーム開始前の世界とA級幻葬士
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誰かが動けばそれはイベントに

 自分のいた教室から廊下に飛び出した俺は、廊下を駆けていた。他に人が通った様子は無く、幻影(ファントム)の気配は感じなかったのが少々不気味だ。


 原因を探る為、取り敢えず上の階に行ける階段へと駆け抜けながら、他の教室を流し見ていく。どうやら、他の教室には人の影も幻影もいなかった。ちなみに、俺が上の階に行く理由はうちのクラスが一階にあるから上しかないというだけだ。


 上の階に駆け上がる。そこには幻影が廊下に結界を張って道を塞いでいた。その幻影に目標に定めて、魔導を使う。教室に比べ、ここは閉鎖的な廊下だ。自身が持ち得る最適解を使う。


 「《風塵短刀(エアロ・ナイフ)射出(・シュート)》」接近しつつ、精製と射出の複合魔導式を使い、時短させ、魔導を高速発動させる方法をとる。

 

 ヒュンとナイフが空を駆け、その透明の刃が幻影の身体に突き刺さり、そのまま貫通する。

 

 「コォー」

 そして、短い断末魔をあげて幻影が消滅する。


 パリン


 「割れたな」幻影が廊下に張って道を塞いでいた結界が割れた音を聞きながら、先に進み続ける。


 暫く進み続け、2階の最後の教室にたどり着く。が、何かが起きているのか廊下にまで音が響いている。


 (不味いことになってないよな)その音に焦った俺は急いで教室の中に入るため、壁を破壊し飛び込む。


 バゴン


 凄まじい音を立てて崩れる壁、そしてその先には幻影相手に戦っている女子生徒がいた。

 (一人しかいないのかよ⁉︎)

 普通はもう少しいそうだが何故か、彼女一人しかいない。そもそも、幻影領域の出現に巻き込まれても、大体5、6人は弾かれて、後の人は残る。


 「助けですか⁉︎急いで、手伝ってくだ、さい」押されているのか声を荒げて頼んでくる生徒……いや待て、どっかで見た記憶がある。まぁ、そんなことを考えながらもやることは変わっていない。


 「《風塵短刀(エアロ・ナイフ)》」今度は、接近戦を選んで幻影に攻撃する。ちなみに《風塵短刀(エアロ・ナイフ)》は俺のオリジナルの魔導だ。無属性を使いナイフを作成。その周囲にある粉塵(今回は鎖を砕いた破片)を風を利用し纏わせ、その粉塵を高圧、高速で動かし切断能力を持たせる。仕組みとしては、ウォータージェットが近い魔導だ。コストは修行していなければ維持が出来ない程高い。


 そして魔導を用いて、幻影をスパッと切り裂く。戦闘として成立するほどの相手じゃなかったな。


 「すっ凄い!あの幻影を一撃で!」なにやら、物凄く褒めてくれるが俺が戦ってきた中では間違いなく最弱クラスの奴である、俺が負ける道理はなかった。


 「あっ、申し遅れました。私は有原 琴音といいます、これでも生徒会1年書記を務めています」道理で見たことがある訳だった。名前で分かったことだがゲームで回想に出てきていた。確か、なんかの事故か事件で行方不明になってしまうヒロインの友d……⁉︎と思い出しかけて気付いた。前世の記憶よ、ちょっと待ってくれ、じゃあ、これが行方不明になる原因ってことなのか⁉︎


 (原作ブレイクしちまった、不味い……)話には続きがあって、この人が終盤に敵サイドに捕まっているという情報が手に入って、それを聞いたヒロインが一人で助けに行く、ヒロインの成長イベントが無くなってしまった……でこの人、最終決戦ではお助けキャラの一人になってくれる。


 で、そのシーンは一人で足止めするって内容でその時は召喚魔導(サモン・マギ)っていうオリジナル魔導で戦ってくれる。それは彼女が元々、特殊な生まれであったのが理由だったプロフィール曰く。と、ここまで考えて一つ疑問に思うことが出てくる。

 (そもそも、何故、最終決戦と今といい、一人で戦い続けれたんだ?武器なんて持ってなかった筈にも関わらず、廊下に響いていた音。気になるな)自身の疑問を聞くことを決め、聞き出す為にも、先ずは警戒を解くのと安心させる為に、正体を明かす。


 「A級幻葬士ミラージュ・チェインだ。他の奴は?」


 「助けて頂きありがとうございました。えーと、かくかくしかじかで」緊張するのか、声が少し上擦っていたが、丁寧な様子でお礼と質問に答えてくれた。


 聞いて分かったことは、他の人の部分は事実かは分からないが、少なくとも現状はそうだということ。また、彼女が嘘を吐いていたとして、今回は理由がない、よしんば戦闘が目的で俺を騙して、それが起きたとしても、俺の相手にはならない存在だから気にする必要はないだろうと話を聞きながら結論付ける。


 「それで、君一人で戦い続けていたと、よく無事だったな」少しずつ、自分の望む答えを聞き出す為にさりげなく、誘導していく。

 

 「はい。私が無事だったのは、体質のお蔭です」なんてことはないように、質問に答えてくれたが……これは誤魔化されたな、と感じる。が、これ以上は無理だと判断した方が下手に怪しまれないで済むだろうな。


 「まぁいい、これから先に俺は原因を探りに行く」

俺はやるだけのことはやった以上、これ以上はゲーム内の登場人物と関わりたくはなかった。だってこれ以上の原作ブレイクは俺としては遠慮したい。だから、離れろと念を込めて伝える。


 ところが返事は俺の予想を、良くも悪くも裏切った。それは……

 「じゃあ、貴方について行くね」決定した事項を伝えるが如く、淡々と語られた。


 「いやいや、一体どういうことだ?」個人的に、足手まといは遠慮しておきたい。


 だが、なかなか、折れてはくれない。話が平行線を辿り始める いつまでも続けることはできない。仕方なく、俺が折れて、安全を守ることを決める。

 

 「仕方がない、では、行くぞ」


 「はーい、師匠」は?


 「どういうことだ⁉︎」

まだまだ、イベントは続くのであった。


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