表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
導きの竜と魔石の国  作者: キャスパー
39/39

「では、ラミア殿、話しの続きを。貴殿らは、どうやって情報を得たのだ?」


ゴドニスの問いを受け、ラミアは説明した。


「私たち共石の村の民は、宰相様のご存知の通り、魔石と共鳴する力を持っています。その力が悪しき者に狙われぬよう、我々は姿を隠して参りました。力は今でも村で受け継がれております。」


ラミアは話し続ける。

「中でも村の巫女は、共鳴力を強く持ち、常にこの国の魔石の状態を観察しています。

・・・近年、魔石は減少する一方。そして、魔石が完全に採取し尽くされた場所から、魔物の増加と狂暴化が始まっています。」


「それは本当か?魔石と、魔物が関係すると?」

トアーズは、思わず口を開いた。それは、王太子と、そしてカーディラスと、突き止めたかった事実である。


「はい。また、村に伝わる文献よると、魔石には魔物を沈静化させる効果があるとわかりました。

各地に存在する魔石が、魔物を押さえていたのです。しかしこのところ、新たな魔石は生み出されず、魔石が掘られるため、減少する一方なのです。」


「新たな魔石が生み出されていないのか?」


「はい。我々の共鳴力で感じたところ、その気配がありません。」


ラミアの話しを受け、ゴドニスは再び口を開く。


「もしや、魔石がどのように生み出されるのかも、ご存知か?」


「はい。」


「ううむ。」


ゴドニスは、片手を顎にやって、再び考え込んだ。


「・・・共石の村の民は、皆それを知っておるのか?」


「いいえ。これは、長巫女にだけ伝わる内容です。私は共鳴力の高さから、長巫女に次ぐ立場。そのため、教えられました。」


「・・・なるほど。」


ゴドニスは、それだけ言って、また押し黙った。


「ゴドニス様、どういう事です?魔石がいかにして生み出されるのか、ご存知なのですか?」


ゴドニスの様子を見て、ファルドは思わず尋ねた。


「ああ。」


ゴドニスは徐に答えた。

「これも、王家と宰相とで、これまで秘匿してきたこと。」


ゴドニスはそこで溜息をついた。


「これ以上は、陛下を差し置いてお前達に話す権限は私には無い。

明日、陛下の御前で改めてご報告願おう。

ファルドとトアーズ、お前達の同席に関しては、陛下に口添えしておく。

ラミア殿とウルベ殿だったな。話の途中で申し訳ないが、続きは明日に頼む。」


「「はい。」」


ゴドニスは、ラミアとウルベの返事を聞くと、部屋を出て行った。


残された部屋の中で、ファルドがラミアとウルベに告げる。

「貴方方は客人だ。客間を用意するので、そちらに滞在するように。」


ラミアとウルベは、城に滞在することに戸惑ったが、今は言われる通りにした方が良いだろう。

ファルドに街の宿屋から荷物をとってくる許可を得て、頷いた。



ファルドと二人の話が終わったところで、今度はトアーズがラミアに話しかける。


「貴方は、カーディラス殿下と共にいたラミアさん?」


「はい。その節は、殿下には、大変お世話になりました。」


トアーズとラミアの会話を聞いて、ファルドとウルベは驚いた顔をしていた。


「トアーズ、ラミアさんと面識があるのか?カーディラス殿下も?」

ファルドが尋ねる。


「はい。一年程前、旅から帰った後にカーディラス殿下が会いに行った方です。旅の途中であった、殿下にとって、妹のような存在、だとおっしゃっておりました。」


妹、という言葉に、ラミアは苦笑した。しかし、カーディラスと面識があるというのは、この場では信用度が上がるだろう。


「カーディラス殿下には、以前、北の森にて命を救われました。その際、私がアルド商会に追われていることを話しましたので、旅を終えた後に、心配して会いに来てくださったのです。」


「アルド商会に追われていたのか?」


「はい。アルド商会は共石の村の存在を突き止め、狙っているのです。私は3年前に村を出た後にアルド商会に捕らわれ、2年の間、監禁されて働かされていました。そこから逃げ出した際、川に落ち、意識を失った私を殿下が北の森で助けてくださったのです。」


「アルド商会は、共石の村の情報まで得て民を捕らえていたのか。まったく、危険な組織だ。」

トアーズは思わず言い、

「だが、なるほど。それで殿下はアルド商会を警戒していたのかもしれんな・・・。」

と、誰にも聞こえない声で呟いた。


「カーディは、カーディラス殿下はご息災でいらっしゃいますか?」


ラミアの問いにトアーズは答える。


「ああ、もちろん。我々の調査でもアルド商会に気になる点があってな。現在殿下はその調査で城を離れておられる。」


「!アルド商会の・・・大丈夫なんですか?」


「ああ。殿下はお強い。多少調査に時間はかかるかも知れないが、1ヶ月ほどで戻ってくるだろう。」


(一ヶ月・・・その頃、私は・・・きっとお城にはいないわね。)

会って恋心が再び再燃してしまうことを多少懸念するものの、やはりカーディラスに会いたい気持ちも大きかったラミアは、少し落胆するのであった。

投稿に時間がかかり、申し訳ありません。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ