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導きの竜と魔石の国  作者: キャスパー
29/39

11


翌日の昼過ぎ、ラミアは集めた魔石を一度加工する。


それぞれの魔石を一つ一つ手の上にのせ、目を瞑って祈るように力を込める。

魔石を心で感じとり、魔石の力の流れを見つけると、その力の流れを膨らませていく。

無理矢理ではなく、魔石と会話をするように、ラミアの力で補助しながら魔石の力を高めるのだ。

力を込められた魔石は、しばらくの間うっすらと光を発し、力がなじむと落ち着いて光も消えていく。

集めた魔石全ての力を高めたところで、ラミアは一息ついた。

魔石自身の力を高めているだけで、ラミアの力をそれほど使ったいるわけでは無いが、やはり心身ともに消耗する。


(すげえなぁ。ラミアは。)

ラミアが魔石の加工をしている姿を見つめ続けていたソラは、思わずため息を吐いた。

石に祈るように力を込めるラミアは、とても綺麗だった。

(俺は、まだまだラミアに追いついてない。力だって経験だってラミアの方がずっと上だ。こんな俺じゃ、きっと男として好いてもらえるわけがない。もっと、もっと、力を、付けなきゃな。)


小休止をとったラミアは、先ほどの魔石を一塊にまとめる。そして、再び目を閉じて力を込める。

先ほどと同じ要領だが、今度は一度にたくさんの魔石を相手にする。それぞれの魔石の力を感じると、その力の流れを一つに誘導し、その力を更に膨らませていく。祈るように、育てるように、ゆっくりゆっくり。


どのくらい時間が経っただろうか。しばらく沈黙していた石は、発光しながら段々と一つにまとまってゆく。そして、まとまるにつれ、発する光も強くなっていく。そうして魔石は一つにまとまり、凝縮して、最後にビー玉ほどの小さな石が、コロンとその場に残っていた。見た目は小さいが、大きな力が石の中で渦巻いている。


「やった、出来たわ!ソラ、出来たわよ!」

2個目の魔結晶が出来上がった。


長い間力を込めていたラミアは、少しふらつきを感じた。終わってホッとして、身体の力が抜けてしまったのだ。それを見て、ソラはラミアに手を貸して、支え、座らせた。

(大きな手・・・頼もしくなったなぁ。)

力の抜けたラミアは、ボーッとソラを見つめていた。


「ラミア、今日はもう動けないだろ。今晩はこの辺りで休もう。俺、テント張ってくるよ。」


「ありがとう、ソラ。・・・一気にやると、こんなに疲れるなんて思わなかった。ねぇ、ちょっと、鍵の石を貸してくれる?加工は明日にするけど、見ておきたいの。」

「ああ。無理すんなよ。」


ソラは、紐を付けて首に掛けてある鍵の石をとって、ラミアに渡した。

共石の村の民にとって、大事な鍵の石だ。普段は誰にも見せないようにして、身に付けている。

これを身に付けていると、村を覆う結界を通り抜けることが出来るのだ。


ラミアはソラから鍵の石を受け取ると、手の中に収めて石を感じる。

(鍵の石よ、貴方のことを教えてね。)

ラミアは深く深く意志に集中し、石の性質を読み取る。石自身の性質、発する力。魔結晶を変化させただけ遭って、強いパワーを持っている。

(・・・これが、鍵の石。魔結晶から変化させるには、かなりの力が要りそうね。私の力が及ぶと良いけれど。)


ひとまず、明日だ。

大事な鍵の石をソラに返そうとすると、ソラは、いつの間にか晩飯を用意してくれていた。

かなり手際が良い。今日の献立は持ってきたパンと、川で釣った魚のムニエルとスープ。


「・・・凄いわね!あっという間に、こんなに!」

ラミアが目を丸くして言うと、ソラは、

「見直した?」

と、ニヤッと笑って言った。

「ええ。」

微笑みながら言うラミア。そして二人は静かに晩飯をとった。


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