第22話 神聖なる一年の幕開けを盛り上げよ!
静まりかえった夜の民家に、突如として怪しい二人の人影が現れた。
「うおおおおおーっ!」
まるで新聞配達のように無駄のない動きで、次々といかにもお子様な袋に入ったカラフルな包みを置いていくヘンな集団が走り去っていく。
「メイゲス、百個突破!」
その言葉を聞いて、俺は焦った。
何しろ、レコードショップを仕事にしていたとはいえ、その職業柄からは想像できないほど、彼の運動神経は優れていた。
いまさらながら、毎日缶ジュースを飲んでのんびりと昼寝をしていた自分に腹が立ったが、後悔してももう遅い。
今はとにかくこの大量の包みを民家に一つでも多く放置することが、もっとも俺にとって重要なのだ。
「ハルクト、百二十個突破!」
「くそ!」
やがて夜明けが近づいてきて、ラズリがあくびをして待ちわびる中、俺たちは最後の包みを配達し終えた。
「結果を発表する! メイゲス、四百十二個! ハルクト…三百八十八個!」
俺は唖然とした。
たったあと十三個で、こいつに勝っていたのだと思うと、悔しくて仕方がなかった。
「悔しいよね。 ハルクト。 その気持ち、わかる…。」
ラズリが負けたにも関わらず、俺にそんな慰めの言葉をかけてくれたことが救いだった。
完全に勝負に負けたからと言って、俺を情けないやつだとは見なかった。
「さすがに今回はしたがってもらうぞ。 将来をともにする男を選ぶことにおいて、わしも協力せねばならんからな。」
ゴレマズドの言葉に、俺は確信した。
間違いなく、この二人は親子なのだと、いや、孫と祖父かもしれないが…。
「わ、わかってるわよ。」
ふてくされた顔で、ラズリは少し強引にメイゲスの手を握った。
「あんたも真剣だったから、仕方ないか…。 それに、子供たちのプレゼントを渡されたときの顔を見てるときに、あたしが不満をもらしても仕方ないか…。」
おいおいそれはどういうことだと俺は考えた。
メイゲスの前でそれを言うということは、彼のことを必ずしも気に入っているわけではないことを証明しているようなものだ。
「さあ、いよいよじゃ!」
約束の時間が来たようで、老人がなぜか妙なスイッチを引っ張り出してきた。
「いざ、主神の響きの復活を再現するのだーーーーーーっ!」
「え?」
町に行ってきましたが、人の出入りが半端ではありません…。もちろん、行きかう人々の無様度を測ることはできませんでした。
「この小説は新年がいかに盛り上がろうと、関係なく…