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第20話 主神は従僕に試練をお与えになられた!


 気づけばいつもの河川敷にいた俺だったが、今回は少し様子が違うようだった。


 ゴレマズドの作った『それ』が反応を示さなかったのだ。


 「しかたがない。 おそらくは今年の仕事も終わりを迎え、皆至福のひと時をすごしておるのだろう。」


 「じゃあ、今回はもう無茶はしないって、約束できるのね。 よっかたー。」


 ラズリが嬉しそうにするのを見て、俺はまたもや時代遅れのときめきを覚えた。


 「ハルクト?」


 「な、なに?」


 「どうしたの、そんな顔して。 せっかくの休みなんだし、どこか楽しいところにいかない?」


 まさか、俺はラズリのことが…と一瞬思ってしまった。


 もしそうだとすれば、これは彼女との距離を縮めるチャンスでもあるのだ。


 「楽しいところ? いいね、いこういこう!」


 誘ってみるつもりで言ったものの、変に緊張してしまい、逆に情けない詰まった声が出てしまった。


 「ふふふ。」


 見ると老人が俺を見て笑っている。


 「あの、何か?」


 「別に、おぬしの無様な醜態を笑っているわけではないぞ…ふふふふぁーくしょん!」


 「本当に?」


 「ふははははははははは! ごめん、うそ。」


 まあ、バカにされるのはもう慣れっこだ。


 俺は逆に開きなおって、ラズリの方を向いた。


 「どこがいいかな~? 遊園地とか? それともショッピングモールがいいかな?」


 「そうですね~」


 なぜか今日入会したばかりのレコードショップの店員が、勝手に話に割り込んできた。


 「ひらめいたっ!」


 さらには老人までもが俺の邪魔をしようともくろんでいる。


 「お主の名は、今日からメイゲスじゃ!」


 「いや、名前かよ。 場所じゃねえのかよ。」


 「そうそう、おじい様はついてこないでね。 というか、ついてくるな。 バーーーカ!」


 「ああ、すごい! クリスマスに娘にプレゼントするものが決まらないというモヤモヤ感を解消するために、地下道に投げ捨てられていたラーメンのように縮れた縄跳びを使って、がむしゃらに二重跳びをしながら考えをまとめようとしたオヤジが、長年にわたる暴食がたたって揺れまくる腹のぜい肉の重力によって、突如として発生した両耳のよどんだ空気圧かられる奇怪な音に反応して、耳鼻科にゾンビのように直行して待ちきれずに窓ガラスを食い破るように、首長が絶望している!」


 一人美しいと自分で思っている詩を披露しているゼノムスを無視して、俺はレコードショップ店員とにらみあった。


 

 年末年始は外で?家で? 私はもちろん後者です。 自称小説家にとって必要なのは、ペンと紙とあったかいところ。 これさえあれば不満がないわけでもない。

 「この小説は年末商戦となんら関係なく、まさに公然と…

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