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警視庁にて-3-

森慎吾殺人事件の解決は近かった。枝野と梶は三人の容疑者の事情聴取を終え、最も怪しい人物の家に訪問した。二人はいい感触を覚え、署に戻り、ある衝撃的な報告を聞いた。


登場人物

枝野章平:警視庁捜査一課の刑事 梶宏人:枝野の部下 第三の容疑者:? 倉本沙織:容疑者 田中哲平:容疑者

森慎吾:被害者

枝野は森慎吾殺人事件の最後の容疑者から事情聴取を行った帰りだった。

その帰り道、梶から電話がかかってきたので枝野は車を脇に停めて梶と通話した。

「枝野さん。最後の容疑者はどうでしたか?」「まあ、かなり白に近いだろうな。他の二人、

田中と倉本と違って目立った動機もなかった。唯一疑わしい点は彼女が森と事件が起きる三日前に、

近くのカフェで話をしていたってことだけだ。彼女が言うには森とは大学時代の同級生らしい。

同窓会で気があって話をしようと約束していたそうだ。」「確かに怪しい点はありますが、

彼女は犯行時刻スーパーで働いていたという同僚の証言もありますしね。まあおそらく白でしょうね。」

そう言いながら梶はその女性の名前を思い出してこう言った。

「それにしても彼女なかなか珍しい名前ですよね。」「確かに初めて聞いた苗字だったな。

まあでも残りの二人が犯人の最有力候補だ。」二人はしばらくこの後の作戦を練った。

そして、二人は倉本の自宅前に集合し、事情聴取をすることに決めた。

倉本に連絡すると分かりましたと小さく答えた。


倉本の自宅は小さなアパートだった。お世辞にも立派な家だとは言えなかった。

倉本の自宅前で合流した二人はインターホンを鳴らした。

しばらく待っていると彼女は赤を基調としたやけに明るい服装で出て来た。

それは何とか明るさを取り繕っているように枝野には感じられた。「どうぞ中に入ってください。」

枝野と梶はリビングに通され、倉本は二人にお茶を出した。リビングにはほとんど物がなく、

くたびれている古い本やズタズタになっているクッションが数枚あるのみだった。

そんな中に比較的新しい赤いものがあった。枝野が目を凝らして見ていると倉本はこう言った。

「あれは娘のランドセルなんです。娘にはせめてランドセルくらいはいい物を使って欲しくて。」

確かにそのランドセルは普通のものとは違い装飾もおしゃれで高級な空気を漂わせていた。

枝野は視線を感じて右斜め奥にあるドアに目を向けた。ドアは少しだけ空いていた。

倉本は慌ててドアを閉めるとこう言った。「あれは娘の部屋なんです。でも今、娘は風邪をひいてて。

刑事さんたちにうつす訳にはいかないから、部屋の中にいるように言っておいたんです。」

枝野と梶はこれは嘘だということに気がついていた。彼女はすぐに顔にでる。ただ枝野は一つ違和感を感じた。

先程のドアの隙間からさまざまなゲーム機や小綺麗なおままごとセット、

また、子供用のメイクセットなどが見えたのだ。経済的に困っている倉本にそんな余裕はないように思えた。

「すいません。そんな大変なときにお邪魔してしまって。

先程娘さんの部屋の中がちらっと見えてしまったのですが、娘さん思いのお母さんなんですね。」

倉本は枝野が何を言おうとしているのか分かった途端、ひどく動揺し一瞬ふらっとした。

二人が大丈夫か尋ねると、娘の風邪をもらったのかもしれないと震えた声で答えた。

枝野と梶は車に戻った。「あれは自白するのも時間の問題だな。この事件の犯人は倉本に間違いない。」

「そうですね。後一押しで吐きそうです。ただそうなると田中さんはなぜあれほど動揺していたのでしょうか。」「さあ、何か別にやましいことでもあるんだろ。」確かにこの事件はほぼ解決に向かっていた。

しかし、署に戻った枝野と梶はある報告を聞かされた。

それは容疑者の一人である田中が失踪したということだった。


今回は警視庁パート3です。森慎吾殺人事件はいよいよ大詰めですがまた新たな問題が発生しました。

まずは森慎吾殺人事件の真相をぜひ推理してみてください。

読んでいただきありがとうございました。続編をお楽しみに。

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