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探偵の苦悩-2-

10年前の事件の情報を集めるために爆発があった現場に向かった清水と鵜飼。

そこで新たな情報を入手する。一体この事件の裏に何が隠されているのか。


登場人物

清水亮:大学二回生 鵜飼渚:同じ大学の同級生 永島透:清水の叔父で探偵 熊谷一:永島の助手

清水と鵜飼はさらなる調査を進めるべく探偵事務所を後にするところだった。

「鵜飼くん先に外で待っていてくれるかな。亮くんと少しだけ話したいことがある」

永島がそう言うと鵜飼渚はわかりましたと答えて出ていった。「亮くん、君は彼女、鵜飼くんのことが好きか?」不意をつかれた質問に清水は困惑し、次第に恥ずかしい気持ちになったが、

永島のまっすぐな眼差しを見て彼は一呼吸置いて「好きです」といった。

「愛は人を時に狂わせる。愛に溺れないよう注意しなさい」永島は真剣な眼差しで清水にそう伝えた。

清水が出ていった後、熊谷は永島にこう尋ねた。「先生、例のこと話さないで良かったのですか。」

「不確定な情報を話す訳にはいかない。ただ嫌な胸騒ぎがする。君もすぐ動けるよう、

心の準備をしておいてくれ。」これほど思案している永島を見たのは熊谷にとって初めてだった。

「鵜飼さん、待たせてごめん」「全然大丈夫、じゃあ行こうか」鵜飼は不安が混じった笑顔でそう答えた。

二人が向かったのは10年前に事件が起こった飲食店の跡地だ。そこに行く前に花を買っていった。

これは鵜飼の提案によるものだった。ただ清水には不思議に感じられることがあった。

鵜飼が花屋で花束を二つ買っていたのだ。鵜飼が店を出てくる時にはそのうちの一つを自分の鞄に入れ、

まるで清水に隠しているようだった。清水は鵜飼と現場に向かいながら、その花のことを思い返していた。

確かその花は鮮やかな赤色をしており花にあまり詳しくない清水も見たことがあるものだった。

そんなことも鵜飼との会話で忘れた。鵜飼は大学での講義や最近はまっている本のことなどを清水に話してくれた。清水はこれが夢でないことを切に願い、楽しい時間を過ごした。

現場に到着すると建物は完全に取り壊され、飲食店があった両隣の建物も取り壊されて更地になっていた。

この両隣の建物は居酒屋だったらしいが、飲食店の爆発の被害を受けて店を畳んだらしい。

幸い、怪我人はいなかった。清水はこの町に来た時、なんて閑静な町だと思った。

あちらこちらに空き地があって、人気はかなり少ない。時々主婦らしき人達が自転車で駆け抜けるぐらいだ。

日は暮れはじめて町を茜色に染めている。清水にはこの光景が不気味に感じられた。「清水くん。ここだよね?」鵜飼が清水に問うと鵜飼は持って来た百合の花束を跡地の前に添えて手を合わせた。

普段は誰よりも明るい鵜飼が度々見せる悲しみの片鱗。

それは突然事故で命を落とした他人に向けられたものだとは清水は思えなかった。

「あら。こんな若い人達がこの町にいるなんて珍しいわね。」そう言いながら一人の女性が近づいて来た。

彼女はこの近くに住んでいるらしく、持っていた袋から買い物帰りであることが伺えた。彼女は堀というらしい。この町には似合わない明るさを持った人だった。「ここは確か…昔爆発があったところよね…。」

「そうです。今その事件について調べているんです。何でも彼女の課題に必要らしくて。」

清水がそう言うと堀はその当時のことを思い出して話をしてくれた。大方、鵜飼から聞いた話と一緒だったが、

一つだけ新しい情報があった。

「そうそうあの時私寝てたんだけど、あの爆発で目を覚まして、この近くまで来てみたの。

ご近所さんも結構集まってて騒然としていたわ。しばらくすると消防の方が来て、私は家に帰ったんだけど、

その帰り道にあそこの海で一人ぽつんと背中を向けて座っている人を見かけたの。泣いているように見えて、

ああもしかして店に残っていた人の知り合いなのかもしれないって直感的に思ったわ。

放っておいてあげた方がいいかもしれないと思って、家に帰ってベッドに入ったんだけどなかなか寝れなくて、

1時間後くらいに気になって見に行ったら、その人はもういなかったのよ。

けどその翌日から警察やら記者らで町が騒がしくなってから、すっかりこのこと忘れていたんだけどね。」

清水と鵜飼は堀にありがとうございますと頭を下げて、帰りの駅に向かって歩いた。

清水はミステリ小説じゃあるまいし、これが事件と関係しているか分からないと思っていた。

ただ鵜飼はもともと大きな目を更に見開いて熱心にメモをとっていた。

駅に着くと鵜飼は例の現場に花束と一緒に鍵を置き忘れたかもしれないと言い出した。

清水は当然一緒に探すと言ったが、鵜飼は申し訳ないから大丈夫だと言った。

この町の電車は30分に一回くるらしく、待たせるのは申し訳ないからと清水だけ先に帰ることになった。

みなさん今回の話はいかがだったでしょうか。今回はかなり謎が多い回となりました。

一体どんな結末を迎えるのか推理を楽しみながら読んでください。続編をお楽しみに

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