探偵の苦悩
10年前の事件の調査を始めた清水と鵜飼。彼らが最初に向かったのは清水の叔父が探偵をしている永島探偵事務所だった。
登場人物
清水亮:大学二回生 鵜飼渚:同じ大学の同級生 永島透:探偵で清水の叔父 熊谷一:永島の助手
「浮気、不倫、浮気、不倫…もっとまともな事件はないのか!
どれもこれも僕の高尚な頭脳を使うに値しない事件ばかりだ」永島透は今日も不満ばかり吐き捨てている。
そんな永島を飽き飽きとした顔で見ながら熊谷一は言った
「ドラマじゃあるまいしそんな大きな事件なんてそうそうないですよ…あっ、今日の午前中警視庁の枝野刑事から電話がかかってきましたよ。
何でも今回の事件は迷宮入りしそうだから先生に協力してほしいということでした。」
「またあいつか。一般人を頼っててばかりで警察として情け無くないのか。しかも、ついこの間の事件だろ。
まったく。まあいい聞いてやろう。あと、ワトソン君そういう話はすぐに知らせてくれたまえ。
もう夕方の3時だ。」「すいません。その事件についてですが…」
「コンコンコン」永島探偵事務所のドアがノックされた。「どうぞー」
やる気のない声で返事をした永島は入って来た人物を見て目を丸くした。「亮くんじゃないか!大きくなったな。もう5年ぶりくらいか。」永島は清水の横にいる女性に気づいて続けた。
「そちらの女性はガールフレンドかな?」清水は彼女のことを紹介し、彼女もちょこんとお辞儀をした。
清水と鵜飼はあの後食堂で30分くらいこれからの作戦を練っていた。
清水は当然なぜこの事件を再調査するのか不思議に思い尋ねると、
鵜飼は法学部のレポートに必要だからとだけ言った。清水は彼女が何か隠していることに勘づきながら、
彼女と過ごすこれからの日々を脳裏にイメージし、
まずは探偵をやっている叔父がいる永島探偵事務所へと彼女と共にやって来た。
「それで今日はどうしたんだ」永島は清水に聞いたつもりだったのだが答えたのは鵜飼だった。
「実は10年前に起きたある事件について再調査をしたいんです。そこで先生にもご協力いただけないかと…」
そう言いながら鵜飼は先ほど清水にした10年前の事件について話し始めた。
清水は鵜飼が「10年前のある事件」と言った瞬間、永島が目を見開いたのを見逃さなかった。
「なるほどねえ。でも事件は一件落着したんだろう。確かに不審な点はあるが再調査をするほどかな?
何か特別な理由でもあるのかい?」永島の言葉に鵜飼が返答を困っていると清水は
「僕からもご協力お願いします」と頭を下げて言った。「まあそこまで言うなら検討しよう。
ただ僕は忙しい。貸せるのは僕の頭脳だけだ。」
永島がそう言うと熊谷は「安楽椅子探偵ってことです。」と補足した。
永島はこう見えても数々の難事件を解決してきた名探偵だ。
そんな彼があのような表情を見せるとは必ず何かがあるとミステリオタクの清水は思った。
そして何より彼女ともっと長い時間を過ごしたかった。
今回のエピソードでは新たに探偵とその助手が登場しました。登場人物が多くなると混乱すると思うので前書きに主要人物の簡単な紹介を書いています。参考にしていただけると嬉しいです。読んでいただきありがとうございました。続編をお楽しみに。




