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フィナーレ-1-

いよいよ物語はクライマックスへ!10年前の事件についての真相が永島の推理によって明かされる。


登場人物

永島透:伊水の叔父で探偵 熊谷一:永島の助手

永島は熊谷と一緒に電車に乗っていた。

警視庁のそばのカフェで枝野から田中の失踪についての話を聞いた帰りだった。

枝野は田中の居場所をどうにかして割り出す、分かったらすぐに知らせると永島に話した。

そんな時、永島の携帯が鳴った。枝野からの電話だった。永島はすぐに電話に出た。

熊谷はイヤホンをつけ、何かのアイドルの配信を見ているらしく枝野が電話していることに気がつかなかった。

「うるっせいな!」枝野の前にいた中年の強面の男がいきなり怒号をあげた。

「いい大人が電車で電話してんじゃねえよ!早く切れ!あとマナーモードにしとけ!」

枝野は周りの乗客からの視線を感じて、すいませんと言い、マナーモードにした。

枝野にメールで送るようにメッセージを送るとすぐにこんな返信が返ってきた。

「田中の車があの10年前に爆破事件があった町で見つかった。

お前が最近調査しているあの事件があったところだ。」

永島は探偵事務所に戻り、清水からメッセージと写真が送られていることに気がついた。

永島は目を大きく見開いてこう言った。

「くそ!もっと早く気がつくべきだった。熊谷君、すぐに準備しなさい!これから例の町に行く。」


熊谷の運転する車で二人は例の町に向かっていた。そこで永島は自分の推理を話始めた。

「今から話す推理に決定的な証拠はない。

ただ状況から判断してかなり信じるに値する推理だと思ってもらっていい。

10年前の事件の犯人は長谷部佳代ではなく田中哲平だ。

田中はギャンブルに依存し経済的にかなり困窮していたらしく、複数の同僚から金を借りていたらしい。

田中は何度も借金の返済を先延ばしにした。そのうち田中に金を貸していた江藤という人物が痺れを切らして、

田中に金を早く返すよう催促したらしい。田中は開き直って金を借りた覚えも証拠もないと言い出した。

当然、江藤は激しい怒りを覚えた。田中には当時交際相手がいて田中は借金のことをその交際相手に黙っていた。江藤は来月までに金を返さないなら借金のことをその交際相手に告げ口すると田中に言った。

田中は焦っていた。何としてでも借金のことを告げ口されるわけにはいかない。彼女と別れたくなかった。

彼女は自分を愛してくれた唯一の人だ。ただ借金を返す手筈はなかった。

そんな時、田中は飲み会で同僚の一人である森慎吾からある話を聞いた。

それは今の社長が昔の会社で起きた死亡事故を隠蔽していたということだった。

森は社長から賄賂を渡された社員の一人だった。

森は独自に調査を行い、一時期その社長を匿っていた人物も見つけたということだった。

森は酷く酔っておりペラペラと話した。

その人物は田中の交際相手が数ヶ月前まで働いていた飲食店の店長だったのだ。

店長と社長は大学時代からの古い知り合いだったらしい。翌日昨日の飲み会の話しを森にすると、

森は酔いが酷く何も覚えていないということだった。そして森はある計画を思いついた。

それが10年前のあの事件だ。」

永島の推理を遮って熊谷がこう言った。「待ってください。状況を整理すると10年前の真犯人は田中哲平。

彼は金を借りていた同僚に借金のことを交際相手に告げ口すると言われた。

森慎吾は前の会社で賄賂を渡された社員で同じ社長がつくった新しい会社に雇ってもらった。

そして、あの飲食店の店長と会社の社長の話を聞き、それを利用してあの事件を起こした、ということですか?」「簡潔に言うとそういうことだ。田中は事件当日の昼間にやってきて、人目を盗んで倉庫の鍵と裏口の鍵を奪い、

偽の鍵を代わりに置いた。そしてトイレに行くふりをしてプロパンガスを持ってきたリュックサックに入れた。

トイレと倉庫は隣同士だったらしい。店を出てリュックサックを店の近くにある交際相手の家に置きにいった。

田中は夜に江藤ともう一度店を訪れた。

江藤には謝りたいことがあるから、その飲食店で話そうと事前に伝えていた。

田中は忘れものをしたから、店で少し待っていてくれと江藤に話し、

店を出て交際相手の家にプロパンガスが入ったリュックサックを取りにいって、店に戻った。

田中は裏口から厨房にこっそり入り、リュックサックを厨房の棚の一つにしまう。

そして、何食わぬ顔で江藤のもとに戻った。

田中はこの店の常連である高田純次に連絡を取っていた。

あの隠蔽事件の話しをし、今日彼が訪れて真相を確かめることになっていた。

高田が店に入ってきたのを確認してから枝野は財布を置いてきてしまったから取りに帰ると江藤に伝え、

口論が始めったのを出る直前に確認して店を出た。

土木経験者が二人もいたのに口論を止めなかったのは、

自分達が働いた会社の社長の隠蔽について真相が気になり、

店長が白状するのを待っていたからだろう。

その時、交際相手と鉢合わせてしまった。そして爆発が起き交際相手が田中を庇った。

店の情報や常連客の情報は交際相手から聞いたんだろう。

もちろんこの推理には憶測が多分に含まれている。真相は本人の口から聞き出すしかない。」

熊谷は疑問を口にした。「でも、仮に永島さんの推理が正しいとしても、

交際相手を庇って凶悪犯として捕まるなんて、よっぽど何か理由があったんですかね。」

「それは彼らにしか分からないだろう。“愛”とはそういうものだ。」

「そうなんですかね。でも、彼女は移送中に逃走してその後溺死体として発見されたんですよね。

それはどういうことでしょうか?」

「さあ、まだそこは分からない。ただこれから何かが起ころうとしている。

そしてそれは10年前に起きた事件が引き金となっている。」



みなさん読んでくださりありがとうございました。

いよいよフィナーレ編に突入ということで今回はかなり長めのエピソードとなりました。

読者の皆様お疲れ様です。次回、いよいよ物語は完結します。

ぜひ最終話もご覧ください。


???パートの種明かし

〇〇は鵜飼渚

Aは鵜飼恵子

ある男は田中哲平

Aと話をした男性は森慎吾

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