イヴの目覚め。
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何だろうか、いつもと違う感覚。
瞼が重くて開かない。まだまだ眠っていたいと感じる…。身体もピクリとも動かない、いや動かせない。まるで、自分の身体では無いかの様だった。
『私は、どうしたんだ?』
表に出ているであろうリーンに聞こえる様に喋るも、返事がなかった。
『リーン? 聞こえていないの?』
やはり返事はなかった。
あれからどれくらいの時間が経っただろか、正確な時間なんか分からなかった。でも大分長い事この暗闇の中で過ごした気がする。
少しずつ身体の感覚が戻って来た気がする。時折頭を撫でられている気がする。それにぼんやりと声も聞こえる。
「……そろ、……る……な?。」
聞き慣れたリーンの声、だと思う。自信がないのは、断片的にしか声が聴こえていないからだけれども…。私の中では一番安心する声だ。
いや、私だけじゃないだろう。リーンと共に生活している者にとっては皆、等しく安心できる声だろうと確信できる。それ程までに、私を含めライゼルカ達も心を開いている事に他ならない。
『起きなきゃ、起きてあの子を安心させないと。』
私は少し無理をして起きようと試みる。重たい瞼をゆっくりと開く。
容赦無く目に入る陽の光、それと圧倒的な情報量に眩暈を覚えた。上半身をやっとの思いで起こすと、それだけでガクリと身体がぐらつく。腕に力も入らない。
一体私はどうしてしまったのかと不安になる。
「あ、あぅ、あぁ…。」
上手く喋れない。声が出ないのだ。まるで赤子の様に喋るのも一苦労だ。
しばらくして、私は驚愕した。自分の目の前にリーンが現れたのだから。
「あ、あぅあ、う…。」
あの子はニコリと微笑みながら私の横に座り、抱きしめてくる。
「起きたんだね、イヴ。 身体に違和感はない?」
強いて言うなら喋れない事が不自由だった。その他に違和感という物は無かったのは事実であり、あの子に心配させたくは無かったので首を横に降る。
「そっか、良かった。今はまだ喋れないけれど、時間が経てば喋れる様になるからね?。今は身体と魂が馴染む途中だから、今は寝ておいて?」
そう言って、私を横にする。ゆっくりと髪を指で梳きながら、寝かせようとする。私の身体もそれだけ無理をしていたのだろう、直ぐに瞼が落ちて来た。
そこから直ぐに、私の意識は闇に落ちていった。
それから数日が経った様だ。漸く私は起きれる様になった。というより、今の今まで寝ていたんだけれどね?。
「あ、うん、げふん!。はぁ、やっと声が出たわね…。」
そこで私は違和感を覚える。
何時もより、出す声が高い。
「気のせい?。いやいや、まさか、ね?」
ふと嫌な予感が頭をよぎる。漠然としかないが、嫌な予感だ。
「姿見があったはず…。」
ベッドから出て、姿見がある場所へと移動する。勝手知ったる我が家だ、何処にあるかも把握している。
壁を使いながら、その場所へと赴く。目的の鏡を見ると、其処には黒と白のゴスロリ服を着た幼女が立っていた。髪は、烏の濡れ羽色と称してもいい程の綺麗な黒髪、瞳は自分の瞳の色であるアクアマリン色だ。
自分が頬をさわれば、鏡の中の幼女も合わせて動く。これは紛う事なく自分なのだと思い知らされる。
「これは、私、なのか?」
ペタペタと自分の身体を触っていく。フラットな胸に愕然とする。少し前まで、身長もそれなりにありスタイルも良かったのに…。
「どうしてこうなった!。…どうして、こうなった…。」
orz←こんな格好になって、ガックリと項垂れる。
そんな時、リーンがひょっこりと顔を出す。
「えっ?なんで?」
その瞬間私は混乱する。なんでリーンがここにいるのか、と。私が出ている時はリーンは表に出れない筈…。
「起きれる様になったんだね。でもあんまり無理しちゃダメだよ?。」
何が何だか分からなかった。自分の理解を超えていた。リーンが目の前にいるという事が、私の中で異常事態だった。
「イヴ、ボクとは別の身体を貴女に創りました。ボクの身体じゃあどう足掻いたってあの魔神・フォルネウスには勝てないから…。だから、今ボクの持てる錬金術の技術とシャンティ姉さんから借りた設備で、究極の器を創ったの…。ちょっと誤算だったのが、その身体のサイズだけど…。でも、成長するからスタイルとかは以前くらいになると思うけど。」
私は理解した。リーンはいずれ私の身体を創ると常々言っていたが、それが早まっただけなのだと思われる。
でも、この幼女姿は何なのだろう…。誤算って言っていたし、本当は元のサイズを予定していたのは分かるけれど…。
「私、サイズがちっちゃいけれど…。」
意図せずお腹の虫が、ぐぅ〜っとなりかなり恥ずかしい思いをした…。
「ふふ、起きたばかりだもんね、軽くなにか食べようか?」
ふと思う、いきなり固形物を食べて消化器官は大丈夫なのかと…。その不安を察したかの様にリーンが口にする。
「大丈夫だよ、普通に食べても。むしろ其処の強さも最強かもね!」
リーンがサンドイッチと紅茶を用意する。勿論、あの子の手作りだ。うん、美味しそうだ。たまごサンドにはスイートチリソースが少し入っているそうだ、絶妙ね。
パクパクとお腹に収めていく。何とも燃費の悪い身体だ。いわゆる食べ盛りなのだろうか、限界が無いかの様に見えたがそれは突然やって来る。
「う、食べ過ぎた…。」
「あ、うん、そうだろうねぇ、まさか完食するまで食べるとは…。」
早くリベンジしたい気持ちもあるが、今はお腹いっぱいで眠たくなってきた私だった。
「眠い…。」
「ふふ、じゃあお昼寝しようか?。おいで?」
私はフラフラとリーンの元へ向かい、手を引かれるままベッドに直行しリーンに抱きつきながら意識を落としたのだった。
ユ「幼女化、だと!」
イ「好きでなったわけでは無いわ…。」
リ「あはは、アレはホントに誤算だったなぁ〜」
ユ「でもでも、可愛いとこあるじゃない!」
イ「う、煩いわね…。」
リ「イヴはいつだって可愛いよ!」
イ「……ポッ。」
ユ「ヲイ、なに百合の香り出してんのよ…。」
イ「う、ううう煩いわね! もう!」
リ「あ、待ってよ、イヴ〜!」
ユ「え?私放置ですか?まぁいいや…。じゃあ、また次回会いましょう!バイバーイ!」
オチ、無いの?。
ユ「無茶振り辞めて…。」




