帰る前に一仕事を。
更新です。
良かったらどうぞ。
(=゜ω゜)
はてさて、この人達は放っておいて一先ず冒険者ギルドに行きましょう。
「エリクシールの輝きに放心するのは良いが、魔物の群れは良いのか?。」
ライゼルカにそう言われ正気を取り戻す冒険者の方々。本当に大丈夫か心配ですね…。
『私がモンスターの群れと戦った方が被害が少なく済みそうな気がするのよね…。』
(それは言わない方が良いかもね。)
こと戦闘力ではライゼルカに匹敵する程なので、問題はないです。むしろライゼルカと一緒だと余計に安心ですしね。
「少し言い過ぎたかな…。」
確かに色々言われるのは嫌だし、かと言って安く売るのは自分の錬金術の腕を安くしているようで嫌だし…。
うーむ、何ともままならないよ…。
そうこうしていると、冒険者ギルドに着きました。何とも、サンテグリルもそうでしたが何故冒険者ギルドはこうも無駄に大きいのでしょうか…。
酒場も兼ねている事は知っているんですけれどね…。
ギルドの中へと足を踏み入れます。その瞬間に室内の視線が一斉にこちらへと向きます。正直言うと物凄く気持ち悪いです。そして不快です。値踏みするような視線と胸をガン見されるのは流石に嫌ですよ。
「今は大変な時なんだ、子どもは家で大人しくしていなさい。」
言い方は優しい人を装っていますけれど、内容は完全にボクを馬鹿にしていますよね…。まぁ、見た目が小さいですからね…しょうがないですよね…。
「はぁ、そうなんですか。分かりました、じゃあ帰りますね。錬金術師はギルドに集まれって言われましたけれど。お邪魔なようなので…。行こうライゼルカ、リファナ。」
そう言って踵を返し去ろうとするボクに慌てて声をかけるものがいました。
「ま、待ってくれ!。キミは、錬金術師なのかい?」
「そうですけど…。」
「じゃ、じゃあ、ポーションの調合は出来るかい?」
「一応できますよ。」
「ケッ!? 一応だとよ!。これだから錬金術師は役立たずなんだよ!?」
冒険者の1人が声を荒げます。声大き過ぎますよ…。耳がキーンってなっちゃいます。
「はぁ、忙しい奴じゃのう。」
「あん!?」
ライゼルカの一言に過敏に反応する冒険者のおじさん。
『ねぇ、これってさ、私とライゼルカで魔物の群れ蹂躙した方が速いんじゃない?』
(確かにそうかもねぇ。面倒ごとも無くなるし、早く帰れるし…。そうする?)
『させてくれるなら、全力でやるわ。』
(じゃあ、今回はお願いしようかな。帰ったらやる事山積みだしね?)
『了解。なら表に出るわ。』
ぶわりと魔力風がひと撫でし髪色が変わりボクではなく、イヴが表に出ます。
ーーイヴ Sideーー
あの子と変わり、私が表に出る。あの子と違い私は目つきも良くないし、可愛げも無い。所謂無い無い女だ。
「ライゼルカ、大人しくしていなさい。」
「ほぅ、イヴか。もしや、ヤル気なのか?」
「えぇ、リーンからも許可は出たわ。その方が早く帰れそうだってね。」
「ならば此方も出るとするか、数にもよるが殲滅するには広範囲攻撃があった方が良かろう?」
「それは助かるわ。さっさと帰って休みましょう。」
そう言って2人の話を終える。ほんと、不快な連中ね。なんならこの場からモンスターの群れを殲滅するまで暴れてやろうかしら…。ダメね、それは。動機もそうだしエレガントでは無いわね。
「さて、一つ聞きたいのだけれど。」
「あん!? てめぇ、さっきの錬金術師のガキか?。さっきとえらく雰囲気違うじゃねぇか。」
「…ゴミの分際でいい度胸してるじゃない。」
私はそう言って男の冒険者の腕を徐ろに握ると、ミシミシと骨が軋み音を立てる。限界だと、止めろと訴えるが止めない。何故か、それは男からの謝罪がないからに他ならない。
「ぐっ!? ぐぎゃあぁぁぁ、や、止めろぉぉ」
「あら?この程度で痛がるなんて鍛え方が足りないんじゃない?」
まぁ実の所、気合いでどうにかなるものじゃないんだけれどね…。仕方ないので手を離すと、男は直ぐに痛みでうずくまる。
「おいおい、冗談だろ!? あの剛腕のガロットが赤子の手をひねるみたいにやられたぞ!?」
その一言で辺りが静まり返る。この男はどうやらそれなりの冒険者みたいね。
「さっきの話の続きをしても良いかしら?」
先程のパフォーマンスが効いたのか、ギルド内の人間がカクカクと首を縦に降る。
「モンスターの群れは一体どのくらいの数なの?」
「詳しい報告はまだきていないが、1000は超えていると予想される。」
「ふぅん、そんなもんか…。」
ライゼルカと私ならば恐らく数分と持たないだろうと思う。正直期待外れと言うほかないだろう…。
「それで、詳細を教えなさい。」
「は、はい。」
返事はいいが、何とも心もとないとしか言いようがない。新人、では無いのだろうが、こんな事は初めての経験なのだろう。かなりテンパっている。
「落ち着きの無い子ね?。少し深呼吸しなさい。」
私がそう言うと、深呼吸して次第に落ち着いていった。
「すみません、なにぶん初めての事態で混乱していました。」
「落ち着いたのならいいわ。それで、詳細を教えてくれる?。」
私がそう言うと、首を縦に振り説明し始めた。
「今回の依頼はギルドからの依頼です。今回は討伐ではなく、殲滅戦になります。よって、開戦直後は戦略級魔法で先制し数を減らします。後は数で押しきる予定でした。」
「戦略級魔法、ね。そもそも打つための時間と人員はいたの?」
「それは…。」
なるほど、ギリギリいけるかどうかって所だったわけね。後は今どの辺りにいるかだけれど…。
「あと、モンスターの群れの場所は?」
「は、はい。レントカーレの東、アマレス大森林から来ているものと思われます。」
地図を見ながら確認する。幸い今は平原辺りなので、戦うなら最適な場所ね。
「ライゼルカ、この平原まで行くわよ。」
「うむ、数などを考えるとその辺りに差し掛かるか。」
「飛べるでしょう?」
「無論だな。さっさと片付けるかのぅ。」
そう言って私たちは、戦場になるマルカ平原に行くことになったのだった。
ユ「元気のない時はこれよ! リポ◯タンD!」
ア「それは、なんですか?」
リ「…なんでユウリさんがそれを…。」
ユ「最近疲れちゃったのよねぇ」
ア「ユウリさんってエルフですよね?」
ユ「見た目だけはね!」
ア「見た目だけ?」
ユ「そう、見た目だけは!」
何を隠そうユウリは生粋の日本人?なのだから。
ユ「おいそこ、なんで日本人に?が付いたんだ!」




