表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20/71

苦労青年と暴走女武者に熊の治療。銀狼は…

錬金術はロマンがありますよね。

「さぁ、マルク!。この化け熊を退治するぞ!」


 勝手に暴走する女武者さん。全くもって迷惑この上ないです…。


「その前に、確認だよ。えっと、君は…」

「リーンです。リーン・ファンテです。」

「あのモンスターに襲われているって本当かい?」

「正直襲われてないですよ。そこの人が勝手に言ってるだけです。」


 ボクはジト目になりながら、女武者さんの方を見るとギクリと言わんばかりに身体を震わせていました。


「うぐっ!?」

「カ〜グ〜ラ〜!」

「いや、その、な、こんな可憐な少女とあの化け熊が居たのだぞ?。普通は襲われていると思うだろう?」

「例えそう思ったとしても、先ずは話を聞くのが常識だろう!」


 マルクさんと言う人が、何とも正論を女武者さんに ーカグラさんと言うらしいー 怒っていた。

 暴走で殺されそうになる熊さんが可哀想です。むしろマルクさん、カグラさんをもっと叱ってあげて下さい。


「それで、キミはどうしてこんな危険な場所に?」

「緑癒草と言う薬草の採取ですよ。ボクは錬金術師ですから、素材を集めに来たんです。」


 そこは正直に答える。何もやましいこととかないですしね!。そんな事を考えながら、緑癒草を採取していく。それと、ボクあの人たちの名前知りませんでした。忘れてはいけませんね!。


「あの、すみません、お名前を聞いても?」

「あ、あぁ、すまない!!。僕はマルク、マルク・フリューゲルだ。」

「私はカグラ・サクライ。見ての通り、サムライだ。」


 桜の似合う暴走機関車さんはカグラさんと言うそうです。ていうか、この人十中八九日本人ですよね?名前的にですけど・・・。


「あの~、カグラさんは異世界人ですか?」

「「っ!?」」


 ボクの何気ない一言で、二人は顔が強張っていました。


「実はボクも異世界から来たんですよ」


 その言葉に、カグラさんはビックリしていた。マルクさんはこめかみを抑えながら、深くため息をついていました。まぁ、気持ちわかりますけれど・・・。正直黙っていれば解りませんしね!。


(ちょっと、あたしらを無視するのそろそろ止めてくれないと噛みつくわよ?)

「あっとと、ごめんなさい。そんなつもりじゃないんだよ?」

(どうだか・・・。)


 銀狼さんは顔をプイッと背けていじけていました。可愛いです。それはさて置き、こういいながらも緑癒草を採取しているんですけれど。もちろん、銀狼さんを撫で回しながらですけれど。

 気持ちよさそうにしているのを見ているとずっとしたくなるのですが、そこは我慢です。

 ある程度四次元巾着に入れると、熊さんが吠えながら威嚇しています。


(勝手に採りおるな!人間!!)

「はいはい、あなたのじゃないでしょう?。それよりも、傷の手当するから座って下さい」


 ボクが少し強めに言うと、驚き顔で固まっていました。言われないと思っていたみたいですが、残念ですがそこまで優しくありません。


「返事は?」

(は、はい・・・。)


 体格の大きな熊さんがシュンとしながらその場に座ります。よく見ると体中傷だらけですね、痛そうです。そんな訳で、四次元巾着の中から傷薬を取り出して手当てをしていきます。ボクは医者ではないので傷薬を使った手当てが関の山です。


「キミは、モンスターにもそんな事を?」

「そんな訳ないですよ。本当に人に害を為すモンスターだったらイヴが何も言わずに倒してますし。」


 2人は首を傾げながら此方を見ているのを尻目に、気にせず作業を続ける。


「はい、終わり。」

(う、うむ。すまんな。)

「謝るぐらいなら、戦わなければいいでしょう?」

(いや、だがな…)

「言い訳しない、男としてみっともないよ?」


 ボクと熊さんのやり取りを見ていて、2人は気になったであろう事を聞いてきました。


「ねえ、リーンさんはモンスターと話ができるのかい?」

「うむ、その点は気になっていたのだ。それで、如何なのだ?」

「このイヤーカフス着けてたら出来るけど、如何して?」


 そう言って、蝶がデザインされたイヤーカフスを触りながら答える。2人はイヤーカフスを見ながら感嘆を漏らした。


「凄いマジックアイテムだ。これは、エンチャント?。それにしても凄い!」


 マルクさんはイヤーカフスを見るなり、そう口にしていました。これでもボクの力作ですしね。


「採取もこれくらいで良いし、ボクはそろそろ帰ります。」

「それならば、私達も森を出よう。良いだろう、マルク?」

「そうだね。」


 そう言ってボク達は、森の外へ出るために歩き出しました。銀狼さんは、さも当然のように付いて来ました。


「銀狼さんも来るんですか?」

(悪い?)

「悪くは無いですけど、森を出て如何するんです?」

(貴女の所に行くに決まってるじゃない)


 今更何言ってるの?と言いたげな表情で見つめてきました。

 そして、重要な事が!。ボクまだ銀狼さんの名前を知りません。


「そう言えば、名前。」

(……、ないわ)

「え?」

(あたしに名前なんかないわ。)


 好きに呼べば良い、と顔を逸らしながら言います。

 では、お言葉に甘えさせていただきます。


「リファナ。あなたは今からリファナって呼ぶね。」

(リファナ。あたしの名前…。)


 そう言って尻尾をフリフリと揺らしながら、嬉しそうにしているのでした。

 そうしてボク達は問題なく森を抜け、門まで辿り着くのでしたがリファナのテイム申請やら何やらとで家に帰り着いたのが日暮れ近くなのでした。

最近めっきり寒くなりましたね!。

皆さんも体調管理には気をつけて下さい。


私は睡眠不足で倒れる所でした…。


お休み、欲しいな…

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ