主人公と受付嬢②
少し設定説明が長めです。
「ちなみにエレノアさんはもう『緑色』ですよ?」
「えっ、マジ?もう六等級までいってるの、アイツ?」
ルーカスは目を丸くして驚いた。
ギルドの等級には1~9までのランクがあり、9の白等級を除いて
2~8は虹の色を基調とした七色の色とその色の冒険者票が割り振られる。
色を見れば、その冒険者の力量がおおよそ把握できる制度だ。
入れ替わりが激しい冒険者業で、すぐに立場と実力を把握する手段として定着している。
「アイツ、まだ冒険者になって数か月だろ……」
「ええ。なので理論上の最短記録ですね、今の所」
珍しいが毎年あるのでなくはない、程度の反応のミラさん。
冒険者の昇格には各種基準が設けられている。
実力と立場を示すランクであるので、安易に級をすっ飛ばす事もほとんどない
(一部勇者『ルミナ』のような例外を除いてだが)
基本的にはこなした適性クエストの数、成功率、一定の級以上ではさらにチーム編成での団体行動力など
集団適性も見られ、冒険者ギルドの昇格判定員の審査を受けて昇降格が決められる。
ちなみに冒険者を引退すると等級ははく奪になるが、
復帰したい場合は判定員の復帰検定を受けて、その評価相当の等級で戻る事もできたりする。
エレノアが短期間でそこまで上がっているとは正直ちょっと予想外だった。
彼女の魔導士としての実力は知っていたが、ギルドの評価も上々であることに少し感心する。
元々人間ではないので、周囲に溶け込めるかを一番心配していたのだが……
「団体行動できてるんだな、アイツ」
「貴方がそれを言いますか」
ミラは眼鏡をくいっと傾けながら、淡々と続けた。
「ええと、高難易度クエストを何件もこなしていますし、パーティを組んだ相手からの評価も上々。
成功率も今の所100%ですし……強いていうなら、若干自分の能力でのごり押しを繰り返す点が
気にはなるといえばなりますが、彼女の場合この等級相当のクエストならむしろそれが最善策ですしね」
周囲と上手くできているのなら問題ないでしょうとはミラさんの講評。
「……まあ、ヒモの生活費を稼ぐために必死なんでしょうけど」
死活問題ですしね。と続けるミラさん。
「うぐ……」
ルーカスはバツが悪そうに目を逸らした。
ミラは苦笑しながら、受付の書類をトントンと綺麗に整理し始めた。




