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15.「運命」「愛すべきひと」「倫ならぬ恋」「罪の恋」
「不倫」がテーマの作品です。苦手な方は、ご注意下さい。
「運命」
あなたの背に腕を回し
汗ばんだ肌をあわせる
あなたはわたしを欲し
わたしはあなたを求め
窓のない部屋の中で
ふたり
何処までも堕ちてゆく
それがふたりの
出逢ったさだめ
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「愛すべきひと」
逢いたい
逢いたい
逢いたい
ただ、逢いたくて
されど許されない
決して叶うことのない恋
何故ならば
あの人にも私にも
愛すべき存在がいる……
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「倫ならぬ恋」
粉雪舞う冬の散歩道
あなたの左手を握り
ふたり寄り添い歩く
それは見知らぬ遠い街
偽りのかりそめの幸せ
あなたの左手の薬指には
輝く指輪がはまっている
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「罪の恋」
恋しています
一途な恋を
けれど
恋すれば恋するほど
愛されれば愛されるほど
薄地汚れていくような気がするのは
何故でしょう……
やはりいけないことですか
ただひたすら愛しあうことさえも
罪は罪
悪役として糾弾されるだけですか