クーアはだ〜れ?
さて、状況を整理しよう。俺は上半身裸。クーアは子供。抱きつかれている(見方によっては俺が抱きついてるようにも見える)。
以上より俺はロリコンである。
(って、ちがーう。)
まず、俺はクーアから離れるとしよう。
「クーア、とりあえず離れてくれないかな?」
「お兄ちゃん、クーアに抱きつかれるのやなの?」
クーアが泣きそうな顔でこちらを見てくる。
「クーア、助けてくれたお兄ちゃんに喜んで欲しかっただけなの……お兄ちゃん、クーアのこと嫌い?」
瞳に涙をためて聞いてくる。
「そんなことないよ。クーアちゃんのことが嫌いなんじゃなくてとりあえず服を着たいと思って。」
「クーアのこと嫌いじゃない?」
「うん。」
「お兄ちゃん大好き!」
結果としてさらにぎゅーとしがみつかれるのだった。そこにさっきの子と恰幅のいいおばちゃんが現れた。
「ほらね。お母さん、この人ロリコンだよ‼︎」
俺を責めるように見てくる少女。しかしー
「とりあえずあんたは仕事してきな。この人はわたしが相手しとくから。」
「ええええ、私もしたー」
「文句言うんじゃないよ。ほらさっさと行く。」
そうして女の子はしぶしぶ部屋から出て行った。
「さて、とりあえずまあお礼を言わせてくれ。」
「お礼?」
正直未だにこの状況が飲み込めずにいた俺である。
「ああ、そうさね。この村〈ラッサ〉を救ってくれた。」
俺は思わず聞き返した。
「ここ、〈ラッサ〉だったんですか?」
「ん?知らなかったのかい?」
「はい。まだ目覚めて間もないもので…」
「それもそうかい。ふむ。なら、おばちゃんにわからないことどんどん聞いてみなさい。ああ、そうそう私の名前はマーサって言うんだ。この村の宿屋の女将さ。で、さっきのうるさいやつは私の娘のサーニャだよ。」
「マーサさんですね。俺は光田って言います。〈ソラス〉の街で冒険者をしています。依頼を受けてこの村に……しまった!ギルドに報告しないと。」
「それなら心配なさんな。〈ソラス〉には報告のために男共が何人か行って、私達がどうなってたかを話すようだしね。」
「そのことなんですけど…石化を解いたのは俺じゃないですよ。」
さっきから聞いているとまるで俺がこの村を救ったみたいに言っている。
「ん?そうなのかい?そこのクーアちゃんがコータのおかげって言ってたんだけどね。」
「ん。コータお兄ちゃんのおかげなの。」
クーアは、俺の体に頬ずりしながらそう言った。
「そういえばクーアって何者なの?起きたらいつの間にか俺を抱きしめてたけど?」
キョトンとした顔をして首を傾げると
「クーア?クーアはドラゴンなの。お兄ちゃんが助けてくれた白いドラゴンなの。」
へ?
…………
ええええええええええええ⁉︎この子あのドラゴン⁉︎うそだーーーーー!
「お兄ちゃん、あの魔族さんから助けてくれたの。お兄ちゃんありがとうなの。」
クーアは俺の体にぎゅっと抱きつく。
「おいコータ、コータ。駄目だこりゃ。動きが止まっちまった。」
マーサさんが何やら話しかけているが俺は未だに驚いたまま固まっているのだった。




