974 創造
ミミッチーを先頭に……って、視界が塞がれるので、横に並んだ。
ちなみにプリッつあんは、ミミッチーの頭にパイ○ダーオンしてます。
「ミミッチーの頭の上も気持ちいいわね」
なら、そこに引っ越せや。今なら敷金礼金は全額お返しますよ。なんなら引っ越し代こちら持ちでも構わんぜ。
「……迷惑なんですが……」
なぜオレに言う? メルヘンの行動はメルヘンの責任。文句があるならメルヘンに言いやがれ。
「……我慢する……」
なんでだよ! 言いたきゃ言えよ。なに我慢することがあんだよ! と、オレも言えないので、ガンバレとミミッチーの背を軽く叩いた。
「で、ミミッチーになんの用?」
「下の骸骨嬢がいる場所に案内しろ」
「骸骨嬢? なにそれ?」
まったくわからないって感じで首を傾げた。
「ここと、下の箱庭──フュワール・レワロの間にある場所のことだ。そこからここにこられる話だったぞ」
ミミッチーは知らねーのか?
「ああ、狭間ね。あそこ、放棄されて誰もいなかったはずだけど?」
「管轄が違うのか?」
「ミミッチーは、このクリエイト・レワロの盟約者。ここを任された。下は知らない」
よーわからんことするな。独立した構造にしてなんの利があるんだ?
「でも、いき方は知ってんだろ?」
「知ってる。こっち」
と、ミニクリエイトルームの端へと歩き出した。
「ルートオープン」
ってなことを口にすると、壁に通路が現れた。また摩訶不思議な……。
「これは、どこからでも開けられるのか?」
「うん。壁ならどこでも構わない」
テキトーな構造……いや、設定か? なんにしても雑な創りだな。やる気ねーだろう、これを創ったヤツは……。
ミミッチーの体ピッタリの通路を歩くことしばし。先ほどの廃棄場に出た。
「……時空やらなんやら滅茶苦茶だな……」
つーか、こんなことできんなら最初から言えや! アホ梟がっ!
「廃棄場の真ん中に狭間にいける扉がある」
「……真ん中ってどこだよ……?」
ここ、端が見えないくらい広くて、廃棄物で埋もれてるんですけど。
「あっち」
ざっくりした指示だが、指標もなにもねーところではしょうがねーか。
「よし、ミミッチー。飛べ!」
今こそファンタジーな鳥の真価を見せるときだ、とミミッチーの背にしがみついた。
「……梟に無茶なことを要求しないで……」
「お前ならできる! 自分を信じろ!」
「ミミッチー、ゴー!」
プリッつあん様からの命令だ、根性見せろや!
「……鬼だ、この二人……」
お前が飛び立てるのならオレは鬼にもなろう。いざ、大空へ!
翼を広げ、羽ばたくミミッチー。そうだ、やればできる子だ、ガンバレ!
「……重い……」
「ミミッチー、もっと高くよ!」
なぜかプリッつあんに逆らえないミミッチー。下僕を手に入れた、って感じか?
なんとか廃棄物より高く上昇し、真ん中へ向け飛び進む。
「……いろんなものが捨てられてるね……」
「だな」
建物が多いところを見ると、地上に出る前にクリエイトルームに街を造っていたんだろう。一面建造物の海だぜ。
「もったいないね。あれなんてちょっと直せば使えそうなのに」
あの高さから落ちてどんだけ頑丈なんだよと突っ込みたいが、プリッつあんが言うように形を留めた建物も見て取れた。
「再利用するかは公爵どの次第だな」
オレはこれと言って欲しいとは思わねー。地上にはまだまだ資源が溢れているからな。
「ただ、道具は欲しいな」
と言うか、魔道具が欲しい。
例えば回復薬を作る錬金釜とか、鱗を加工できる機材とか、古いものを元に戻す箱とか、木材を曲げる木槌とか、秘密の魔道具が欲しいぜ。
「ミミッチー。中心部に到着したら教えろな」
結界で体を固定させ、想像を爆発させて創造する。
さあ、どんどん創るぜ!
ベーの物語も四年。書籍化され、七巻まで出せるばかりかコミカライズされ、来週には一巻発売。本当に読んでくださる方々には大感謝です。
まだまだベーの物語は続く……とは思います。飽きるまでは読んでやってください。




