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村人転生~最強のスローライフ  作者: タカハシあん
十歳スタート

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769/1852

769 難題

「じゃあ、買って来る~」


 と、子供が駄菓子を買いに行くよえなノリで駆けていった。


「……あれで公爵とか、領地は大丈夫なのかね……?」


 公爵十二家でも高位な位置にいんのに、なぜか潰れないその不思議。まあ、家臣がとっても優秀なんだろう。


 ……家臣たちの苦労が目に浮かぶぜ……。


「コンシェルジュさん。公爵どのの買い物が終わったらオレに連絡してくれ。フードコートにいっからよ」


 公爵どののせいで疲れた。ちょっとマンダ〇タイムと行こうか。


 歩き出して直ぐ、とあることを思い出した。バギー、欲しかったんだったわ。


「コンシェルジュさん。四輪バギーって売ってる?」


「はい。二十六種用意してあります」


 へ~。二十六種もあんだ。四輪バギーってそんなに需要があんのか?


「なら、適当に四十台ほど集めてくれや。あ、ガソリンとかも売ってんのかい?」


 それがないと話にならんからな。


「はい、もちろんです。でしたら、ドラム缶や給油車などもいかがでしょうか?」

 

 あ、給油な。ガソリンばかりに捕らわれて給油方法まで考えてなかったわ。さすがコンシェルジュさんです。


「それなら給油車を頼むか。なくなったらカイナーズホームに持って来たら入れてくれんのかい?」


「別途料金を気にしなければこちらから出向くことも可能です。ただ、魔族を気にする土地だと厳しいですね」


 まあ、そりゃそうか。魔族なんて現れたら大騒ぎになるわ。


「ドラム缶から給油する手もありますよ。それ用の電動ポンプもありますし」


 あ、確かにあったな。ドラム缶なら大量に買って結界で包んでおけば危険もねーし、飛空船で来て積んでくこともできるか。


「電動ポンプってからには電気が必要なんだろう?」


「はい。ですが、乾電池使用のものや手動式のものもありますからさほど問題ないかと。あと、予備に携行缶もお勧めします」


 フムフム。なら、給油車を二台。ドラム缶を百。乾電池使用のと手動式のポンプを五つずつ。携行缶は……二十もあればイイか。そんな長距離なんて運転できねーんだからよ。


「はい。では揃えて受け取り場に移動させておきますね」


 そう言う場所があんだとよ。至れり尽くせりたわな、カイナーズホームはよ。


 フードコートへ移り、空いてる席──ってか、ここも客がいねーな。店員のやる気とかどう維持してんだ?


「ベー様。なにを召し上がりますか?」


 フードコートの楽しみは、なににしようかなと、券売機の前で選ぶことなんだが、疲れたんでミタさんにお任せ。天ぷらソバとコロッケを所望します。


「わたしは、甘口カレー。福神漬けいっぱいだからね」


 メルヘンがカレーを食うとはこれいかに。誰かその心を教えてくださいな。


 できる前にマ〇ダムタイム。あーコーヒーうめ~。


「ベー様。お待たせしました」


 フードコートで待ったと感じるようではファンタジーな世界でスローライフは叫べない。とは思ったけど、それを言っちゃ無粋ってもの。ミタさんに感謝して天ぷらソバとコロッケをいただきます。


 ズルズルとソバをススッてると、公爵どのがやって来た。


「どうしたい? そんなに慌てて?」


 終わったら連絡を入れるように言ったんだが、この慌てた様子からして買い物の途中で飛び出して来たって感じかな?


「金が切れた。貸してくれ!」


 公爵どのには収納サイフをプレゼントし、個人財産を入れている。


 まあ、幾ら入ってるかなんて知らんが、公爵に相応しい金は入っているはず。余程のことがなければ足りねーなんてこと、あり得ねーと思うんだが。


「換金してねーのか?」


「ここ、帝国の金貨は換金できねーんだよ」


 そうなの? サイズの違いはあれど 帝国も金貨銀貨を使うんだがな。


「硬貨が沢山あると混乱しますので、帝国貨幣での換金はご遠慮させていただいております」


 まあ、そりゃそうか。魔族も基本、物々交換か奪い合い。貨幣文化なんて極一部だ。貨幣を根づかせるのに硬貨がたくさんあったら混乱するだけ。なるべく混ぜたくはねーか。


「なら、オレの名で買いな。コンシェルジュさん、できるかい?」


「はい。可能です」


 優秀なんだかザルなんだかわからんな。まあ、できるんならなんでもイイけどよ。


「だってよ」


「助かる。あとで必ず返すからよ」


 そう言うと、カー用品コーナーへと駆けていった。


「コンシェルジュさん。公爵どのが買ったものってわかるかい?」


 あの様子では相当使ってんな。


 少々お待ちくださいと、スマッグで誰かに電話。しばらくしてコンシェルジュさんと同じ服を着たねーちゃんがやって来た。


 ねーちゃんからなにか紙を受け取るコンシェルジュさん。内容を確認してオレに差し出した。


「他でもお買い上げいただいたようですが、カー用品コーナーだけのものをお持ちしました」


 本当に優秀なコンシェルジュさんだよ。


 感謝しながら紙を受け取り、内容を見る。


「……買い占めでもしようとしてんのかね……?」


 とても個人で買う量ではねーし、種類でもねー。こりゃ、衝動買いしてんな。


「しかも、車をダース単位で買ってるし。どうすんだよ、そんなに買って?」


 六十台もどこに置くんだよ。いや、土地はあるから置けるだろうが、野晒しにする性格ではねーし、車庫を要求してくんな、これは……。


「はぁ~。どうすっかな~?」


 次から次と厄介事がやって来るぜ。


 天ぷらソバとコロッケを完食し、食後のコーヒーを飲みながら難題に頭を働かせた。

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