456 また今日が始まる
そして、また最終回っぽいものを目指して書いて行こう。
「……知らない天井だ……」
「いや、昨日も一昨日も見てるじゃない」
即座に突っ込む腐れメルヘン。これだからリアルメルヘンはロマンがねーぜ。
「……チッ」
「なぜに舌打ちっ!?」
ロマンを知らねーメルヘンなど無視だも~ん。
新しいベッドの上でゴロンと横になる。
「……あれからもう二十年か……」
月日が流れることのなんと早いこと。人の営みは……光陰矢のごとし? まあ、そんな感じのもんだ。
「二十年って、ベー、確か十一才じゃなかったっけ。いつから数えて二十年なのよ?」
だからオレのあれからゴッコに入ってくんなや、リアルメルヘン。こっちくんな!
「まだ起きれないの?」
部屋の中を浮遊するメルヘンが、二日酔いで苦しむオレの頭に下りて……つーか、ライ〇ーキックでもするかのように殺意を感じるのは気のせいと思っておこう……。
なんであろうとプリッつあんの体重ではオレの痛覚を揺るがすことはできない。羽毛が落ちてきたくらいの衝撃でしかねーよ。
昨日は……と言うか、なぜか結婚式が終わってからの祝賀会と言う名の飲み会が三連夜。勝手にしろと放置してたんだが、酒に酔った人外どもに無理矢理飲まされコップ一杯でダウン。気が付いたら今さっきでしたとさ。
「大丈夫?」
プリッつあんが心配そうな……顔どころか嗜虐的な顔でオレの鼻をグリグリしていた。
……知らないパンツだ……。
なに言ってんのと突っ込みはノーサンキュー。
今更だが、プリッつあんはオシャレさん。カイナから沢山の服をもらって毎日違うものを着ている。
ちなみに、同じ服を着ていたらそれはお気に入りだから、たまたま着てただけ。もしだ。これは例えだが、もしプリッつあんの絵があったとして、毎回同じ服だとしても、それはお気に入りだから着てだけ。ただ、それだけなのだよ、諸君。
ってことは横に置いといて、だ。
考えてもみたまえ諸君。空を飛ぶメルヘンがヒラヒラのスカートをはいて飛んでんだよ。見えない訳どころか見ないようにするのも大変たわ。ちょうど目線より上を飛んでんだからさ。
で、よくプリッつあんのパンツを目撃するのだが、今まで見た子供パンツではなく、なにやらセクシーなものをはいていた。
どうしたん、それ?
とか聞くと思ったか、こん畜生どもが。そもそもパンツなんぞに興味はないわ。しかもメルヘンのなんて見てなにがおもしろい。オレは――殺気! うほん。ま、まあ、なんだ。人それぞれ趣味や好みは違うってことさ。うん!
わしっとプリッつあんをつかみ、マイハウスへと投球。ナイスインしたのを確認して起き上がった。
パジャマ用の村人服から日常用の村人服へと着替える。
なんか意味があるのかと、よくサプルに言われるが、実は意味があるのだ。
それはなにかって? フフのフ。内緒だよ~ん。教えてあげなもんね~だ。
備え付けの洗面所で顔を洗い、歯を磨く。つーか、だりーな、こん畜生が。
「あ、もう十時過ぎてんのかよ」
カイナーズホームで買った壁掛け時計を見て、なんでダルいか理解した。
「そりゃこんだけ寝りゃあ、ダルくて当然か」
昨日、ぶっ倒れたのが何時だかわからんが、十二時間は確実に寝てる。オレの睡眠時間は八時間がベスト。それ以上でもそれ以下でも調子悪くなんだよ。
「まあ、こんな朝もたまにはイイか」
もうオレの人生、全てが自由時間。好きなことを好きなだけできるのだ。ってまあ、以前からですけどね。
ゆったりまったりちょっと遅めのモーニングなコーヒーをいただくとしますかね。
「ん~デリシャスぅ~」
「堕落ね」
マイハウスにインしてやったのに、いつの間にかテーブルに自分の席を設けて白茶を飲んでいる。日に日にしぶとくなってくな、このメルヘンっ娘は……。
まあ、一人で飲むのも味気ねー。どんな相手であれ付き合ってくれんだから感謝しておこう。
「今日もイイ日になりそうだ」




