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村人転生~最強のスローライフ  作者: タカハシあん
聖国編

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1840/1852

1840 寄り道草道回り道

 朝食をいただいたら聖国に戻るとする。


 寄り道草道回り道。前世じゃできなかった人生の贅沢。素晴らしきかなスローライフだ。


「お前はいつも楽しそうだな」


 さあ、出かけよう! としたら、もう一人のあんちゃんが現れた。


「あんちゃん、名前なんだっけ?」


「アバールだよ! 何回このやりとりすれば気が済むんだよ!」


「覚えるまで?」


「一生って言っているようなもんだわ!」


 アハハ。あんちゃんは朝からテンションタケーな。


「どうした? こんな朝早くから? 暇か?」


「ボブラ村に来てから一日たりとも暇になったことはねーよ! 家族の時間を捻出するのも一苦労だわ!」


 なに怒ってんだよ? 充実すぎて不安になったか? オレも幸せすぎて不安になることは……ないな。幸せすぎてハッピーだぜ!


「じゃあ、なんだよ? 忙しいならさっさと要件言えや」


 その怒りのエネルギーは、妻を幸せにするために変換してやれよ。


「……ハァー。お前は相変わらずだな……」


「オレは昔も今も、遥か未来までオレはオレだよ」


 オレはオレを満足させるために生きている。その生き方を変えるつもりはないし、貫いて死にたい。それがオレの幸せだ。


「で、どうしたんだ? なんか言いに来たんだろう?」


 たぶん、オレの出会い運が働いたんだろうよ。何ヶ月と会ってなかったんだからな。


「サラニラが妊娠した」


「ベー様。アバール様の奥様ですよ」


 レイコさんがこそっと教えてくれた。あーそんな名前だったっけ?


「おー! やることやってんじゃん。おめでとう。あんちゃんも父親になるんだな」


 あのあんちゃんがね~。変わらぬようで変わっていく。人の営みを感じるよ。


「産まれんのは冬くらいか?」


 今は七月か八月くらい。十月十日なら冬になる頃だ。


「オババもそう言っていたよ」


 なら間違いはない。村唯一の助産師でもあり、何百人と取り上げてきた人だからな。


「じゃあ、もっと働かないとな」


「お前はおれを殺す気か?」


「大丈夫。オレはオババの弟子で薬師だぞ。死にたいと言ったって生かしてやるよ」


「もうその言葉でご主人様よりの思想を受け継いでいますよね」


 否定はしない。先生も死なせない技術はスゲーからな。


「たぶん、いえ、オババさんと絶対方向性が違いますから」


 薬師も医者もマッドサイエンティストも同じだ。過程より結果を求めて生きている。大差なんてものはない。人を治すなら過程など些細なことである。


「……ご主人様がベー様を気に入るのがよくわかりますね。思考も思想も似てますから……」

 

 オレは先生の足元にも及ばないよ。

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