1273 誠心誠意謝罪します
なんやかんやで譲渡会(?)が終了した。あー疲れた。
解散したシープリット族はテキトーにバラけたが、なぜかネタ武器を与えた者たちは残った。あと、ルダールも。
「我々をベー様の家臣にしてください」
「いや、お前らカイナーズじゃん」
つーか、家臣ってなんだよ? オレは村人だってーの。
「数百人のメイドを抱えた村人ですけどね」
幽霊さんは黙っててくださいませ。
「カイナ様からは許可は得てます」
ルダールの言葉にミタさんを見る。どーゆーことよ?
「カイナーズも人余りしていて、仕事不足に陥っているそうです」
「ヤオヨロズ開発に人手不足してんじゃねーのか?」
まあ、なにやってるか知らんけど、国を創るんだからやることはたくさんあるだろうが。
「シープリット族には……」
うん、無理だね。こいつらには。
「わかったよ。ゼルフィング家で受け入れるよ」
「自分が、と言わないところがベー様ですよね」
ほんと、最近の幽霊は突っ込みは怪奇現象より厄介である。
「オレがやるより適任者に任せるほうがイイだろう。それに見合った給金をやるんだからよ」
ちゃんと見合った給金出してるよね? とミタさんを見る。
「はい。使い道がないくらいいただいております」
ホッ。よかった。足りないと言われたらどうしようかと思ったよ。
「じゃあ、ゼルフィング家に防衛部を創るか」
海はタケルがいるからイイが、地上はいない。まあ、カイナーズがいるから必要ねーと言えば必要ねーんだが、武力があるに越したことはねー。オレがスローなライフをエンジョイする備えはしておくに限る。
「一応、保安部がありますが」
あるんかい!
「うちのこと、なにも知らなくてごめんなさい」
突っ込まれる前に誠心誠意謝罪しておく。誰にかは知らないけど!
「あ、いえ、ベー様が必要と言うなら新たに設立しますが」
ん~どうすっぺ?
保安部がどんなもんかわからんが、たぶん、武装したヤツらがそうなんだと思う。アレがそうなら防衛もで余裕でやれるだろうしな~。
まったく、戦闘にしか使えないってのは厄介だよな。自衛隊みたいに災害とかに使えたならまだイイんだがよ。
「ここにオレの別荘でも建てるか?」
もう侵略したみたいなものだからここに住み家を建てるのもイイだろう。文句言われたらラーシュにお願いして許可を得ればイイんだからな。
「ルダール。どこか人が来ないところに宿営地を築いてくれや。オレの名でカイナーズホームから必要なものは買ってイイからよ」
こいつらなら踏み潰して均しそうだけどな。
「ゼルフィング家に移りたいと言う者を誘ってもよろしいですか?」
「百人までな。さすがにすべては受け入れられんからよ。あの基地を空にもできんだろう?」
あそこはシープリット族がほとんどだったはず。いきなり空にはできんやろ。
「女たちは百人に入りますか?」
「別でイイが、女も百人までだからな。カイナと違ってうちは有限なんだからよ。それに、お前らも戦いばかりに頭使ってないで生きることにも頭使いやがれ」
好きにしろとか言ったらすべて連れて来そうだから苦言しておく。
「ミタさん。メイドを何人かつけてやってくれや。なんか不安だからよ」
「畏まりました」
「ルダール。シープリット族を仕切るのはお前に任せるが、メイドが上だ。お前らはまだ新参者なんだからよ」
上下関係ははっきりさせとおく。後々メンドクセーからな。
「もちろんです。ゼルフィング家のメイドは怖いですから」
そうなの? と、メイドさんたちに目を向けるほど無謀ではねー。ゼルフィング家のメイドは皆優しいの。そう思っておけばオレは幸せでいられるのだ。あ、幽霊さん。黙ってなさいよ。
「…………」
背後から視線を感じるが、全力全開でスルーダゼッ!
「ところで、バルナドはどうした? 闘技場にはいなかったが?」
シープリット族の判別はまだできてねーが、バルナドの体格──左腕に傷があるから判別できるのです。
「団長たちなら別の方法で力を見せようと動いてますよ」
たち? 別の方法? なんのことだ?
「ベー様、食える果物を見つけてこいとおっしゃったじゃないですか」
あ、そんなこと言ったな。すっかり忘れてたわ。
「団長はカイナーズから離れられませんからね、特別賞を狙いにいったんですよ」
あ、特別賞とか言っちゃったな。すっかり忘れてたわ。
忘れてばかりの人生ですんません! と、突っ込まれる前に誠心誠意謝罪します。
「特別賞なぁ~。なににすっぺ?」
ネタ武器はまだあるが、同じにするのも芸がねー。それに納得もせんだろう。特別に賞を賭けたんだからよ。
特別賞狙いのヤツらが来るまで考えるとするか。




