1211 姉妹かな?
オレも適応能力は高いと自負するが、レニスも底抜けに適応能力が高い女であった。
まあ、オレの結界を纏わせているので高温多湿のところでも快適に暮らせるようにはしてるが、八岐大蛇を平気な顔で食うとかさすがとしかイイようがねーな。
「ヘビってどこで食べても淡泊よね」
どこでもヘビを食ってるのもどうかと思うが、オレも似たようなものなので流しておく。
「そうだね。ちょっと料理には不向きかも」
それを平然と捌く妹もどうかと思うが、こちらは今さら。竜を捌いている時点で黙っとけ、である。
「淡泊だが、オレは好きだな」
オレは薄味派。繊細な味が好みである。
……だからって濃い味も食べますよ。カレーは辛いのが好きだし……。
「サプル。この肉でカレー作ってくれや」
なんの知識もなく、オレが集めた香辛料で前世のカレーにも負けないカレーを作るマイシスター。まあ、香辛料が高くて滅多には食えなかったけどよ。
「あ、カイナの作ったカレー、やたらと旨かったっけ」
世界貿易ギルドを立ち上げのとき作ってくれたカレー、サプルに負けないくらい旨かったな~。
「じーは料理上手だからね。オムライス、また食べたいなぁ~」
「カイナのおじちゃん、料理上手なんだ~」
「そうだよ。今度作ってもらおうか。じーのブイヤベース、とっても美味しいんだよ」
なんだろう。レニスとサプルが姉妹のように仲がイイです。
サプルは誰にでもウェルカムな性格だし、サリバリやトアラ、フェリエが上にいるから妹気質が身についてる。だから年上には懐くのが上手い。が、なにかあの三人とは違う接し方だな……?
まあ、あの三人はサプルとは趣味や好みが違うからな、近所のおねーさんって感じなんだろうよ。
……姉妹、か……。
前世も男兄弟で女兄弟はいなかったから姉妹なるものがどう言うものかわかんねーが、二人を見てるとイイもんだな~と思えて来るな。
そう言や、うちの弟はどこでなにをしてるのやら。元気にしてるだろうが、無茶だけはしないでくれと願うよ。
おっと。お前が言うなとかはよしてくれ。オレから無茶を取ったら……なんになるんだ? ま、まあ、最強の村人は自由気ままに生きるまでよ。
姉妹のように仲良くする二人の邪魔にならないよう静かにコーヒーを飲んでると、湖に浮かんでいた哨戒艇から照明弾が打ち上げられた。
「なにか近づいて来るものがある。注意しろ!」
桟橋に立つカイナーズの一人が声を上げ、宿舎から続々と銃を持った野郎どもが飛び出して来た。
「また賊か?」
カイナーズの連中が出たのでオレは慌てず騒がずコーヒーを飲んで待つことにした。あ~イイ夜だ。
「……ベー様の現実逃避も達人域に入って来ましたよね……」
なんの自慢にもならねーけどな!
しばらくするとミタさんがやって来た。
「どうやら食料を分けて欲しいとやって来たようです」
「難民か?」
「はい。どうも人魚の住み家で争いがあったようです。食料のことで」
はぁ~。そうだろうとは思ってたが、予想以上にメンドクセーになってやがるようだ。
「腹減ってんなら食わしてやってくれ」
騒がれるのもメンドクセーし、腹が減る辛さは知っている。静かになるなら施しくらいしてやるさ。
「ベー様に救われたあたしたちが言うのも間違ってますが、無闇に施しするのはどうかと……」
「心配してくれてありがとな。だが、考えあってのことさ。頼むわ」
ミタさんは心配するが、これは得をする前の損だ。なら、どんどん損するのが吉ってもんよ。
「失礼しました。ベー様の考えのままに」
オレは許可するだけでやるのはメイドさんズ。あなた方に感謝の敬礼を。
「サプル。メイドさんたちになんか甘いもんでも作ってくれや」
「わかった。任せて!」
なにもかも任せっきりのダメ兄ですが、オレが動かなければならないときは率先して動きますのでご容赦を。
働くすべての人たちに敬意を送ります。




