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村人転生~最強のスローライフ  作者: タカハシあん
十歳スタート

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1157/1852

1157 柔堅能力

「空を飛ぶのは凄いけど、箒に跨がって飛ぶ理由ってなによ?」


 アンタチャブルなことを平気でぶっ込んで来る赤毛のねーちゃん。この世界に様式美はないらしい。


 いや、魔女の様式美を決めたのは別の世界のアンタチャブル婆だが、そこは空気を読んで流しなさいよ。


「趣味だ」


 と、返しておく。説明すんのメンドクセーし。


「ならしかたがないわね」


 あれ? あっさり納得されちゃいましたよ。なんで?


「あんたの作るものにいちいち突っ込んでられるか」


 だ、そうです。流してもらえるのはありがたいが、それはそれで寂しいものがあるのは勝手と言うものでしょうか?


「これはおもしろいね」


 軽く流した赤毛のねーちゃんとは違い、興味を持ったのはシュードゥ族の奥様たちだった。


「あたしたちにも乗れるかね」


 なんか続々と集まって来る奥様方。結構な数が来てんだな。大丈夫なんか?


「これ、どうやって浮いてんだい?」


「魔力かい?」


「魔力っぽいけど、なんか違うね」


「箒自体が軽いから、箒になんか仕掛けがあるんだろう」


 奥様方も魔道具作りをするのか、不思議そうに議論している。


「箒の柄に浮遊石を仕込んでんだよ。浮遊石は魔力の込め方で浮き沈みするからな。あとは、風を吹かして進むようにしてる」


 隠すほどでもないんで教えてやる。


「それだけだと不安定になるし、乗るの大変だろう」


 へ~。なかなかわかってる奥様だこと。魔道具職人なの?


「ああ。あたいはサンジュ。魔道具職人さ」


 見た目は肝っ玉かーちゃんだが、手を見たら職人の手をしていた。ゴッツいけど。


「そこは独特の技術だな。興味があるなら研究してみな」


「いいのかい?」


 空飛ぶ箒は四、五本作った。一本渡しても困りはしない。気にせずやったれだ。


「なあ、あっちのも一つ、もらえるかい?」


 ミタさんが持つ空飛ぶ箒(仮)を指差している。


「ワリーな。あれは打ち止めだ。それに、あっちはオレの独自技術満載でためにはならんと思う。それで我慢しな」


 結界術てんこ盛りだからな、調べようも想像するのも無理だろう。発想は得られても技術は得られない。それどころか害になるかもしんねーんだ、空飛ぶ箒のほうで我慢しろや。


 そんなことより赤毛のねーちゃんの船の改装だ。


 造船所に入ると、ニューサリエラー号が真っ白に輝いていた。


「船の色、白にしたんだ」


 前の船は茶色っぽかった。色が違うだけで別の船に見えるから不思議だわ。


「ああ。前から白にしたかったんだ。綺麗に見えるから」


 そんな理由でイイんだ。まあ、自分の船なんだから何色にしようが構わんけどよ。


「んじゃ、中を改装するか」


「改装ってどうするんだ?」


「簡単に言えば家具とかソファーを変えたりだな。もうこの船で稼ごうってわけじゃねーんだから快適空間にしねーとな。あ、なんか要望があるなら聞くぜ」


 好みがあるなら最初に言っておいてくれ。あとでクレームされても困るからよ。


「いや、好きにやってもらっても構わないんだが、元のままじゃダメなのかい?」


「別にダメじゃねーよ。そのままがイイってんならそのままにしとくぞ」


 新しくなるから中も新しくしようと思ったまで。これと言った理由はねー。


「あ、いや、やってくれんなら頼むよ」


「おう。任された」


 快適空間にしてやるよ。楽しみにしてな!


 家具やソファーは前に買ってあるし、プリッつあんの柔らかくしたり堅くしたりする能力──メンドクセーから柔堅じゅうけん能力と命名しよう。


 伸縮能力と柔堅能力があれば隙間なく配置できる。改装野郎ベーにお任せよ!


「さあ、やっちゃるぜ!」

 

 あらよ、ほらよ、どっこいしょー! で、完成よ! ドヤ!


「……ちょっと豪華すぎないか……?」


「快適空間は豪華なくらいがちょうどイイんだよ」


 テキトーだけど。


 あーイイ仕事した──ら、なんか眠くなって来たわ。ってか、二徹してたわ。


 ダメだ。この眠気に勝てる気がしねー。


「ミタさん。オレは寝る」


 造船所の端へといき、無限鞄から毛布を出して包まり、お休み一秒で夢の中。グーグーグー。


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