271話 真夜中の罪深き行為
今日を振り返ってみると、Vtuberとしてはなかなか健康的な一日だった。
すっきりした目覚めで朝を迎え、ミミちゃんと一緒に近所を三十分ぐらい散歩して帰宅後に朝食。
洗い物を済ませた後は部屋に戻ってパソコンのデータ整理を行い、昼前に二人で買い物に出かけて帰ってからキノコたっぷりの和風パスタを食べ、しばらくイチャイチャしてすっかり陽が沈んだ頃に配信スタート。
三時間弱の配信を終えたら動画を参考にしながらストレッチをして、その少し後に作業を終えたミミちゃんと一緒にお風呂。
そしてリビングのソファで一緒に動画を見ていたら、いつの間にか日付が変わろうとしていることに気付いてそろそろ寝ようかという話になった。
と、そのまま就寝していればなにも問題はなかったんだけど……。
「なんか……肉まん食べたくなってきた」
タイミングを逃して晩ごはんを食べていなかったこともあり、思い出したかのように体が空腹を訴え始める。
しかも厄介なことに、冷蔵庫にある物では賄えない肉まんを欲してしまう。
「じ、実はわたしも……」
「えっ、そうなの!?」
「はい、心を読まれたのかと思ってビックリしました」
「すごい! あたしたちってほんとに気が合うね!」
「とは言っても、やっぱりこんな時間に肉まんを食べるのは体に悪いですよね」
「それに、外は寒いから往復の間に体も冷えちゃいそうだし。ここは我慢するべきかな~」
***
それから十数分後。
欲に負けた二人の人間が、テーブルに並んだたくさんの食べ物を前にして瞳を輝かせていた。
コンビニに行く前の会話を誰かが聞いていたら、この状況を見て「肉まんを買いに行ったんじゃなかったの!?」と驚かざるを得ないと思う。
まぁ、それ以前に我慢できなかったことについてツッコまれそうだけど。
最優先に肉まんを求めた上で、せっかくだから半分こして違う味も食べようってことでピザまんも買った。
さらに、おでんの匂いにつられて三品ずつ購入。
それだけでは済まず、フランクフルトも食べたくなって、その流れでアメリカンドッグにも惹かれて、深夜テンションでハッシュドポテトとフライドチキンも買ってしまった。
「食べよう!」
「はいっ」
前置きはなく、欲に負けた言い訳もせず、あたしたちは食欲の赴くまま手を伸ばす。
次の日はさすがに胃もたれしたし、少なからず後悔もしたけど、おいしかったから問題なしということで。




