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266話 二人きりでリラックス②

 日替わり湯を堪能した後、あたしたちはベンチで少し休憩してからサウナへと移動した。

 ちょうど同じタイミングで五人のグループ客がサウナから出てきて、偶然にも再び二人きりの空間が出来上がる。


「誰も見てない場所で二人きりだね、ミミちゃん」


 肌が触れ合う距離にまで近寄り、周りには他に誰もいないのに、あえて耳元で囁く。

 すると、ミミちゃんはこちらを向いてあたしの目を見つめながら口を開いた。


「エッチなことはダメですよ?」


 サウナの熱気か、それともなにかを想像して照れてしまったのか、ミミちゃんの顔は明らかに火照っている。


「え~? エッチなことって、なんのこと? あたしはただ、二人きりになれて嬉しいねって思っただけなんだけどな~」


「えっ、そ、そうなんですか? ご、ごめんなさいっ、変な勘違いしちゃって……うぅっ、恥ずかしいです……」


 ミミちゃんが恥ずかしさのあまりうつむいてしまう。かわいい。


「ごめんね、ミミちゃん。謝るのはあたしの方だよ。ミミちゃんのその反応が見たくて、わざと誤解させるような言い方しちゃった。だから、ミミちゃんは全然悪くないよ」


「ひどいです。罰として、帰りにプリン奢ってください」


「うんっ、分かった。それだけじゃ申し訳ないから、おまけであたしのことも食べていいよ~」


「嬉しいですけど、そうなるとプリンの方がおまけになっちゃいますね」


「えへへっ、プリンに勝った!」


「当然ですよ。わたしにとって、ユニコちゃんが一番なんですから」


「そんな嬉しいこと言われたら、思いっきり抱きしめたくなっちゃうよっ」


 あたしは自制心を最大限に働かせ、いまにも動き出しそうな自分の体を必死に抑えつける。

 自宅だったら、逡巡する余地もなく反射的に抱きしめていたに違いない。

 広々と使える状況にもかかわらずピッタリと密着して、人がいないのをいいことにバカップル全開の会話を繰り広げる。

 全身から汗が噴き出すのを感じ始めてから少し経った辺りで、あたしたちはサウナを後にした。

 シャワーで汗をきれいに洗い流して水風呂に浸かり、その後は今日まだ入っていなかった湯船を一通り楽しんだ。

 今日はたくさん汗をかいたから牛乳ではなくスポーツドリンクを飲み、バスの時間に合わせて退館。

 約束通りコンビニでプリンを買って、仲よく手をつないでマンションに向かう。


「お風呂気持ちよかったねっ」


「はい、心身ともにリフレッシュできました」


「ところで、さっきの約束忘れてないよね? プリンのおまけ」


「違いますよ。おまけじゃなくて、メインディッシュです」


 ハッキリと断言するミミちゃん。

 帰宅してプリンを食べながら一息ついた後、あたしは長い時間をかけて体の隅々までじっくりとミミちゃんに味わってもらった。

 当然何度もキスしたわけだけど、直前にプリンを食べていたこともあって、いつも以上に甘く感じた。

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