267話 心の底からありがとうと言いたくなる光景
「みんな、こんユニ~! 朝も来てくれてた人は半日ぶりだね! 本日二回目の配信は、ミミちゃんとのゲームコラボだよ~!」
『こんユニ!』
『こんユニです~』
『二回行動助かる』
『間に合った』
今日は朝と夜の二回行動。
朝の配信では、一時間ほどでクリアできるフリーゲームを実況した。
いまからミミちゃんと二人でプレイするのは、指示に従って実際に体を動かすエクササイズゲームだ。
そんなわけで、二人とも動きやすい服で配信に臨んでいる。
エアコンが効いているとはいえ、この季節にしては薄着なのでさすがに少し肌寒い。
「みなさん、こんユニです。今日は張り切って運動するので、応援よろしくお願いします」
「それじゃあ、さっそく始めよっか! まずはやる気充分なミミちゃんにプレイしてもらうよ!」
どっちが先にプレイするか決めてなかったけど、その場のノリでミミちゃんに決めた。
配信画面をいつもの背景からゲーム画面へと切り替えている間に、ミミちゃんには少し離れた場所に立ってもらう。
配信に必要な操作はあたしが担当して、ゲームの方は起動した後ミミちゃんにすべて任せる。
「準備できました。始めますね」
「ミミちゃん頑張れ~! ファイトファイト! うおお~っ!」
「ゆ、ユニコちゃん……応援してくれるのは嬉しいんですけど、その熱量はもうしばらく温存してほしいです」
「分かった!」
こうして、まずはミミちゃんのプレイから始まった。
画面に映るインストラクターさんから注意事項と説明を受け、しっかりとストレッチを済ませてから負荷の軽いエクササイズに移る。
「こ、これはすごい……」
思わず感嘆のため息が漏れ、ゴクリと唾を飲む。
あたしはいま、配信画面に視線を向けてミミちゃんやコメントを見ている。
3Dの体じゃないから、細かい動きは当然分からないんだけど……。
「ふっ、ふっ」
リズムに合わせ、小気味よく息を吐きながらパンチを繰り出すミミちゃん。
その動作のたびに、おっぱいがぶるんっと揺れ弾む。
『確かにすごい』
『ありがとうございます』
『エッッッ』
リスナーさんたちもあたし同様、ゲーム画面じゃなくミミちゃんにしか目が行ってないようだ。
あたしだけの特権を行使して、視線を配信画面のミミちゃんからこの場にいるミミちゃんへと移してみる。
すると、
「……っ!?」
あまりのすごさに絶句した。
あたしの記憶が確かなら、ミミちゃんはこの配信が始まる前、おっぱいの揺れを抑えるブラを着けてきたと言っていたはず。
なのに、めちゃくちゃ揺れてる。
ぶるんぶるん揺れてる。
ミミちゃんにとって悩みの種であることは知っているから本当に申し訳ないんだけど……ありがとうございますっっっっ!!!!!!
「ミミちゃんいいよっ、鋭いパンチ! ナイス!」
真剣に体を動かすミミちゃんに励ましの言葉を送りながら、あたしは心の中で盛大に感謝の言葉を叫ぶのだった。




