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善は急げだ!


「私の友人になってくれ」


「嫌です」


 今日も私を冷たく突き放すカラスバ。

 カラスバはカウチに寝そべり、またしても妙な板をじっとみつめている。

 あの板……確か“げえむ“といったかな。

 四六時中、あんな板をいじっていて、何が楽しいのやら……。


「あ――っ!!」


 カラスバが絶叫したのは、私がげぇむを取り上げたからだ。

「返して下さい!」とカラスバはジャンプするが、私の方が30センチほど背丈が高いので台でも使わない限り、届くことはない。


「ふぅーむ……これは人の絵か?」


 板の中央には、異国の衣服に身を包んだピンク色の髪をした男と思われる絵画がはめ込まれていた。

 描き方も、色の塗り方も、クシャトリア王国の絵画とは全く異なる。


「ピンクの髪……何と面妖な。こやつ、化け物か――あてっ!!」


 カラスバが私の足を踏んだ。

 王の足を踏みつけるとは、無礼を通り越して、肝がある奴だな。


「推しのトラマルを悪く言わないでください! あと、いい加減にゲーム返して!」


「わ、わかったから、足をどかせ……。して、カラスバ……推しとはどういう意味なのだ?」


「え? そうですね……ええと……一番好きってことですかね?」


「一番好き?! カラスバはこのピンク男が一番好きなのか?!」


「……ま、まぁ、ゲーム『忍者絵巻』のキャラの中では、ダントツで好きですね」


 ふむ……カラスバはこういう者を好むのだな。

 ――そうだ! このピンク男とそっくりな恰好をすれば、カラスバは私に好感を持ち、友人になってくれるのではないか?!


「そうと決まれば、善は急げだ!」


 カラスバの屋敷を飛び出し、王宮に戻った。


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