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善は急げだ! その2


「――カラスバ! みてくれ、この恰好を!」


 数時間後。私は再び、カラスバの元を訪れた。

 カラスバが一番好きな“トラマル”とやらの恰好をして。

 トラマルと同じ髪型に整え、ピンク色に染めたかつらに、侍女に命じて見繕った服。ただ、トラマルの服の構造がどうしてもわからず、同じものは作れなかった。それでも、トラマルの服とかなり似ていると思う。


「その姿……トラマル……?」


 さぁ、これでカラスバは俺を好いて、友人になってくれるは……


「無理」


「?!」


 そう言い放ったカラスバは、死んだ魚のような瞳をしていた。

 ……おかしい。思い描いていた台本だと、カラスバは喜んでいるはずなのに。


「私、アニメ・ゲームの実写化とか認めない主義なんですよね。あ、でも『学園天使バンドガール』と『砂粒の世界』は別ですけどね」


 アニメ? 実写化? 学園天使? 砂粒? な、何を言っているんだ?

「だから!」とカラスバは、困惑している私にさらにおいうちをかける。


「私の前で軽々しくコスプレしないでください! 私の中のトラマルをくずさないで!」


 カラスバはカウチに座り、げぇむに視線を戻した。

 またしてもカラスバの言葉は理解できなかったが、これだけはわかった。


 カラスバと友人になる道が、遠ざかったのだと。


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